# 脳の発達を支える「もう一つのコンドロイチン硫酸構造」を発見！神経・精神疾患研究に新たな光

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- カテゴリ: テックニュース
- 公開日: 2026-07-30
- 更新日: 2026-07-30

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## 脳の発達を支える新たな仕組みが明らかに

脳の成長過程で、神経回路が外界の刺激や経験に応じて大きく変化する「臨界期（りんかいき）」と呼ばれる大切な時期があります。この時期に脳がどのように形作られ、学習や記憶が獲得されるのかは、まだ多くの謎に包まれていました。今回、順天堂大学、東京理科大学、日本医科大学からなる共同研究グループは、この脳の発達を支える新たな仕組みを発見しました。

## 何がすごいのか？：脳の「もう一つの足場」を発見

これまで、脳の神経細胞の周りには「ペリニューロナルネット（PNN）」という網目状の構造（細胞外マトリックス*¹）があり、これが神経回路の安定化や脳の柔軟性（可塑性）の調整に重要な役割を果たしていると考えられてきました。PNNは「コンドロイチン硫酸（CS）*³」という糖鎖を多く含んでいます。

今回の研究では、PNNとは全く異なる、新しいコンドロイチン硫酸に富む構造「CS cluster」を脳内で見つけました。これは例えるなら、脳の神経細胞を支える「もう一つの足場」を発見したようなものです。この新しい足場の中心には、「GPR17陽性オリゴデンドロサイト*⁵（RiOL）」という未熟な細胞が存在し、この細胞がCS clusterの形成に深く関わっていることが明らかになりました。

さらに、このCS clusterの中にある神経細胞の「樹状突起スパイン」という情報を受け取る部分が、CS clusterの外にあるスパインよりも大型化していることも判明しました。これは、CS clusterが神経回路の形成に何らかの影響を与えている可能性を示唆しています。

![GPR17陽性オリゴデンドロサイトによるCS cluster形成の概要](/wp-content/uploads/2026/07/f97bcf1ab92cd86dcdb0bfcac96a5b69.webp)

*図1 GPR17陽性オリゴデンドロサイトによるCS cluster形成の概要*

## 詳しい発見の内容

研究グループは、マウスの脳組織を詳細に調べ、さらに「単一細胞RNAシーケンス解析」という手法を用いて、CS clusterを形成する細胞を特定しました。その結果、従来知られているPNNとは異なるCS clusterの存在を確認し、その中心にGPR17陽性オリゴデンドロサイト（RiOL）があることを突き止めました。

このRiOL細胞は、CS clusterの特徴的な構造を作るために必要な「CHST3」と「UST」という糖鎖修飾酵素を多く作り出していることが分かりました。つまり、RiOL細胞がこれらの酵素を使って、CS clusterを積極的に形作っているということです。また、一部のRiOL細胞は脳が発達した後も脳内に残り、CS clusterを維持する役割を担っていることも判明しました。

## 将来どう役立つのか？：神経・精神疾患の新たな治療法へ

この研究成果は、脳の発達における細胞外マトリックスの多様性と、それが脳機能にどのような生物学的な意味を持つのかを理解する上で、非常に重要な一歩となります。これまでPNNに注目が集まりがちでしたが、PNN以外のコンドロイチン硫酸構造にも重要な役割があることが示されたことで、脳科学研究に新たな視点をもたらすでしょう。

今回の発見はまだ研究の初期段階ですが、将来的には、脳の発達障害や脳損傷後の回復メカニズムの解明につながることが期待されます。例えば、CS clusterの働きを調整することで、これらの疾患の新しい治療法や予防法の開発につながる可能性もきっとあるでしょう。

## 研究者のコメント

研究グループは、「コンドロイチン硫酸は脳の発達や可塑性を制御する重要な糖鎖であり、その構造の変化が脳の臨界期の終了や神経回路の可塑性制御に関わることが示されてきました。本研究は、PNN以外のCS構造の意義について十分に解明されていなかった点に光を当てたものです。」と述べています。今回の発見が、基礎研究医を目指す医学生の研究をきっかけに始まったことも紹介されており、今後のさらなる研究の進展が期待されます。

## 用語解説

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**細胞外マトリックス（extracellular matrix; ECM）**：細胞の周囲に存在する網目状の構造体。細胞を支える足場として働くほか、細胞間の情報伝達や組織形成にも関与する。

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**臨界期（critical period）**：脳の発達過程において、経験や環境からの刺激によって神経回路が特に大きく変化する時期。学習や認知機能の発達に重要な役割を果たす。

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**コンドロイチン硫酸（chondroitin sulfate; CS）**：細胞外マトリックスの主要成分の一つである糖鎖。脳では神経回路の形成や可塑性の制御に関与することが知られている。

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**オリゴデンドロサイト**：中枢神経系のグリア細胞の一種。神経線維を覆う髄鞘（ずいしょう）を形成し、神経情報の伝達を支える。

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**GPR17陽性オリゴデンドロサイト（RiOL）**：オリゴデンドロサイトへ分化する途中段階の未成熟細胞。本研究では、その一部が発達後も脳内に留まり、新たなコンドロイチン硫酸構造（CS cluster）の形成・維持に関与することが示され、この細胞集団をRiOL（Resident immature Oligodendrocyte）と命名した。

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**ペリニューロナルネット（perineuronal net; PNN）**：神経細胞の周囲を取り囲む特殊な細胞外マトリックス構造。神経回路を安定化し、脳の可塑性を制御する役割を持つと考えられている。

## 論文情報

本研究成果は、Glia誌のオンライン版に2026年7月8日付で公開されました。

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**タイトル**：GPR17+ oligodendrocyte lineage cells regulate the critical period of brain development through novel chondroitin sulfate-rich structures

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**著者**：Takahiro Tanaka, Aurelien Kerever, Yuji Suzuki, Taro Kunitomi, Kana Kato, Yuri Yamashita, Kyohei Higashi, Chihiro Akazawa, Fumihito Saitow, Hidenori Suzuki, and Eri Arikawa-Hirasawa

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**DOI**：[https://doi.org/10.1002/glia.70188](https://doi.org/10.1002/glia.70188)
