# がん細胞の新たな弱点を発見！酸化ストレスから身を守る仕組みを解明し、新治療への扉を開く

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- カテゴリ: テックニュース
- 公開日: 2026-08-03
- 更新日: 2026-08-03

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## がん細胞が酸化ストレスから身を守る新たな仕組みを発見

がんは、私たちの体内で異常な細胞が増殖し続ける病気です。これまで多くのがん治療法が開発されてきましたが、中には治療が難しい「難治性のがん」や、既存の治療に抵抗性を示すがんも存在します。こうしたがん細胞は、なぜ生き残り、増殖し続けることができるのでしょうか。この疑問に対し、近畿大学、琉球大学、順天堂大学、理化学研究所などの研究グループが、がん細胞が持つ重要な防御メカニズムの一つを解き明かし、新たな治療の可能性を示しました。

## 細胞を守る「SMG1/DNA-PK―NRF2経路」の発見

私たちの体内の細胞は、活動する中で「活性酸素」という分子を生み出します。活性酸素は、過剰に増えると細胞を傷つけ、老化や炎症、そしてがんの発生にも関わるとされています。しかし、細胞にはこの活性酸素を適切に取り除く「抗酸化システム」が備わっており、普段はバランスが保たれています。

ところが、がん細胞は通常よりも多くの活性酸素を生み出しているにもかかわらず、なぜか生き延びて増殖を続けます。この謎を解き明かすため、研究グループはがん細胞に薬剤を投与し、細胞内の活性酸素の量を段階的に増やしていきました。

その結果、活性酸素が比較的少ない段階で、二つの「リン酸化酵素（タンパク質にリン酸という目印を付けてその働きを変える酵素）」である「SMG1」と「DNA-PK」が活性化していることを発見しました。同時に、「NRF2」という「転写因子（遺伝子の働きをコントロールするタンパク質）」が細胞内に蓄積していることも確認されました。

さらに詳しい解析によって、SMG1とDNA-PKがNRF2を直接「リン酸化」することで、NRF2が細胞内に蓄積し、結果として細胞を酸化ストレスから守るという新しい仕組みが働いていることが明らかになりました。これが、研究グループが名付けた「SMG1/DNA-PK―NRF2経路」です。

この経路は、細胞が活性酸素によるダメージから身を守るために非常に重要な役割を担っていることが示唆されています。活性酸素がさらに過剰に蓄積すると、この経路の働きは弱まり、別の経路を介して細胞が死滅していくことも観察されました。

![細胞が酸化ストレスから身を守り生存する仕組み](/wp-content/uploads/2026/08/a563c9616f88e5be5d5cbbd9a7ed6807.webp)

## 新たな治療標的としてのSMG1とDNA-PK

この発見は、がん治療にどのように役立つのでしょうか。

研究グループは、SMG1の働きを特異的に阻害する新しい化合物（SMG1阻害剤）を特定しました。このSMG1阻害剤を正常な細胞と特定のがん細胞に投与したところ、正常細胞の生存率にほとんど変化が見られなかった一方で、がん細胞では半数近くが死滅したことが確認されました。

詳しい解析の結果、がん細胞にSMG1阻害剤を投与すると、細胞内の活性酸素が過剰に増加し、「フェロトーシス（酸化ストレスによって細胞膜が傷つき、細胞が自ら死滅する現象）」という細胞死が引き起こされることが判明しました。既存のDNA-PK阻害剤でも同様の結果が得られています。

これは、がん細胞が活性酸素の多い環境でも生き残る能力に、このSMG1/DNA-PK―NRF2経路が深く関わっていることを示しています。この経路を阻害することで、がん細胞の活性酸素のバランスが崩れ、結果としてがん細胞だけが選択的に死滅するという、新しい「フェロトーシス経路」が発見されたことになります。

![細胞が酸化ストレスから身を守る仕組みの発見とがん細胞への阻害剤の効果](/wp-content/uploads/2026/08/74979e59dae53c38b5c282188606b7bc.webp)

この研究成果は、SMG1やDNA-PKを標的とした、これまでにないがん治療法の開発につながる可能性があります。特に、発生初期のがんや、既存の治療に対して抵抗性を示してきた難治性のがんに対する、新しい治療戦略として大きな期待が寄せられています。

## 研究の意義と今後の展望

今回の発見は、細胞が酸化ストレスから身を守る基本的な仕組みを解明しただけでなく、がん細胞が持つ生存戦略の弱点を見つけ出したという点で非常に重要です。この研究はまだ基礎研究の段階ですが、今後、SMG1やDNA-PKをターゲットとした薬剤が開発されれば、がん治療の選択肢を大きく広げる可能性があります。

この研究成果は、医学・生物学分野の学術雑誌「Signal Transduction and Targeted Therapy（STTT）」オンライン版に2026年8月3日（英国時間午前10時）に掲載されました。

### 論文情報

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**タイトル**: Two stress-responsive kinases suppress ferroptosis by activating antioxidant programs under mild oxidative stress（2つのストレス応答キナーゼは、軽度の酸化ストレス下で抗酸化プログラムを活性化することでフェロトーシスを抑制する）

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**掲載誌**: Signal Transduction and Targeted Therapy（STTT, Springer Nature）

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**DOI番号**: 10.1038/s41392-026-02892-1

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**アブストラクトURL**: <[https://doi.org/10.1038/s41392-026-02892-1>](https://doi.org/10.1038/s41392-026-02892-1>)

### 関連リンク

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薬学部 創薬科学科 教授 山下暁朗（ヤマシタアキオ）: <[https://www.kindai.ac.jp/meikan/3222-yamashita-akio.html>](https://www.kindai.ac.jp/meikan/3222-yamashita-akio.html>)

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薬学部 医療薬学科 准教授 松尾一彦（マツオカズヒコ）: <[https://www.kindai.ac.jp/meikan/788-matsuo-kazuhiko.html>](https://www.kindai.ac.jp/meikan/788-matsuo-kazuhiko.html>)

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薬学部 医療薬学科 教授 中山隆志（ナカヤマタカシ）: <[https://www.kindai.ac.jp/meikan/756-nakayama-takashi.html>](https://www.kindai.ac.jp/meikan/756-nakayama-takashi.html>)

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近畿大学薬学部: <[https://www.kindai.ac.jp/pharmacy/>](https://www.kindai.ac.jp/pharmacy/>)
