# 血液中のIgA値でメタボ由来の脂肪肝(MASLD)の重症化リスクを予測する新発見：信州大学などの研究グループが新たな高リスク病型を同定

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- カテゴリ: テックニュース
- 公開日: 2026-08-03
- 更新日: 2026-08-03

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## イントロダクション：見過ごされがちだった「メタボ由来の脂肪肝」の新たなリスク因子

肥満や2型糖尿病などの生活習慣病を背景に肝臓に脂肪が蓄積する「代謝機能障害関連脂肪性肝疾患（MASLD：いわゆるメタボ由来の脂肪肝）」は、慢性肝疾患の主要な原因の一つです。進行すると肝硬変や肝がん、腹水などの重篤な合併症（肝関連イベント）を引き起こす可能性があります。

これまで、MASLDの将来的なリスクを予測する最も重要な指標は、肝臓の硬さを示す「肝線維化」の程度だと考えられてきました。しかし、同じ線維化の段階であっても、患者さんによって病状の進行が異なるケースがあり、線維化だけでは説明できない病態の多様性が指摘されていました。

## IgA高値が示す、MASLDの「高リスク病型」

このような背景の中、信州大学医学部内科学第二教室の木村 岳史講師、若林 俊一診療助教、同大学医学部国際医学研究推進学教室の田中 直樹教授らを中心とする研究グループは、信州大学医学部附属病院、大垣市民病院、岐阜協立大学、大分大学などとの共同研究により、MASLD患者の中に、血液中の「血清IgA（免疫グロブリンA）」が高値を示す、新たな高リスク病型が存在することを同定しました。IgAは、腸管や気道などの粘膜免疫で重要な役割を担う抗体の一種です。

研究では、肝生検でMASLDと診断された349例の患者さんの臨床データや血液検査データ51項目を、機械学習を用いて解析。その結果、患者さんは4つのグループに分類され、そのうち血清IgAが高値を示すグループ（Cluster 2）では、5年間の肝関連イベント（肝がん、治療を要する静脈瘤、入院を要する腹水、肝性脳症など）の累積発生率が24.0％と、他のグループに比べて著しく高いことが判明しました。

この驚くべき点は、IgA高値が、従来の重要な予測因子である「進行した肝線維化」とは独立して、肝関連イベントのリスク上昇を予測したことです。具体的には、血清IgAが318mg/dL以上の場合、肝線維化の重症度を考慮しても、肝関連イベントのリスクが約3.17倍高くなることが示されました。進行肝線維化とIgA高値の両方を持つ患者では、10年累積発生率が48％に達し、それ以外の患者では5％未満でした。これは、IgA値を従来の検査に加えることで、より精密なリスク評価が可能になることを示唆しており、MASLD患者の予後予測に新たな視点をもたらす画期的な発見と言えます。

![研究の全体像を示す図](/wp-content/uploads/2026/08/f63e4421d2fc6bdf6a8d9226d559e714.webp)

## 研究を裏付ける多角的な検証とメカニズムの解明

この重要な発見は、複数の方法で検証されています。

まず、肝生検を行わず、超音波で肝臓の硬さを非侵襲的に測定するVCTE（振動制御一過性エラストグラフィ）で評価した別の患者群287例でも、肝関連イベントを発症した患者の血清IgA値が有意に高いことが確認されました。さらに、大垣市民病院と大分大学医学部附属病院の多施設コホート272例においても、IgA高値を特徴とする高リスク群が再現され、IgA 318mg/dL以上の患者で肝関連イベントが多いことが確認されました。

また、研究グループは、肝臓の組織解析を通じて、IgA高値が病態進行にどのように関わるかを深く探求しました。空間トランスクリプトミクス（組織内のどこでどの遺伝子が発現しているかを位置情報とともに解析する技術）や単一細胞RNA解析（組織を構成する細胞を一細胞単位で解析し、各細胞の遺伝子発現を調べる技術）の結果、IgAを産生するB細胞系の細胞が肝臓の門脈域に集積し、免疫活性化や細胞外マトリックスの再構築（肝臓の組織構造の変化）、血管リモデリングに関わっている可能性が示されました。

さらに、腸粘膜のIgA陽性細胞の増加や、腸管バリア機能の変化を示す指標の解析から、腸管透過性（腸の壁が通常よりも物質を通しやすくなる状態）の亢進に伴う抗原刺激が、全身および肝臓内のIgA関連免疫活性化につながり、「腸-肝軸」（腸と肝臓が互いに影響し合う関係）を介してMASLDの病態進展に関与する可能性が示唆されました。

## 将来への期待：より個別化されたリスク評価と治療法開発へ

本研究は、MASLD患者の将来的なリスク評価において、従来の「肝線維化の程度」に加え、「IgAを中心とする免疫活性化」という新たな軸が重要であることを示しました。特に、進行肝線維化とIgA高値を併せ持つ患者は、肝がんや肝硬変合併症の発症リスクが非常に高く、より慎重な経過観察や早期の介入が必要となるでしょう。これは、MASLD患者一人ひとりに合わせた、より個別化された医療の実現に貢献する可能性を秘めています。

今回の成果は、研究段階ではありますが、一般診療で測定可能な血清IgAを、MASLD患者のスクリーニングや経過観察に導入できる可能性を示しています。今後、国内外の前向きコホート（将来にわたって患者を追跡する研究）での再検証、IgA高値をもたらす背景因子のさらなる解明、ならびに腸内細菌叢や腸管透過性との関連についての検討が進められる予定です。これらの研究は、MASLDの病態理解を深め、将来的には新たな診断法や治療法の開発につながることが期待されます。

## 論文情報

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**論文タイトル**：IgA-Enriched Phenotype Predicts Liver-Related Events in MASLD (IgA高値を特徴とする病型はMASLDの肝関連イベントを予測する)

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**掲載誌**：Journal of Hepatology

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**公開日**：2026年7月15日(オンライン先行公開)

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**DOI**：[10.1016/j.jhep.2026.06.044](https://doi.org/10.1016/j.jhep.2026.06.044)

![信州大学、大分大学、大垣市民病院、岐阜協立大学のロゴ](/wp-content/uploads/2026/08/cfa7287fb1d347e3b1950b866ca89fde.webp)
