# 芝浦工大が「層間適応結晶」を開発！孔の大きさを超えて分子を選ぶ新材料とは？

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- カテゴリ: テックニュース
- 公開日: 2026-09-15
- 更新日: 2026-09-15

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## 芝浦工業大学が画期的な「層間適応結晶」を開発

芝浦工業大学の研究チームは、名古屋大学との共同研究により、分子を選ぶ新しい結晶材料「層間適応結晶（Interlayer Adaptive Crystal, LAC）」を開発したと発表しました。この材料は、従来の分子分離技術の常識を覆す、画期的なメカニズムを持っています。

## 「孔の大きさ」の常識を覆す新発想

これまでの分子分離技術では、活性炭や金属有機構造体（MOF）といった「多孔性材料」（無数の微細な孔を持つ材料）が主流でした。これらの材料は、あらかじめ形成された孔（あな）の大きさや形を利用して、特定の分子だけを選び取ります。しかし、二酸化炭素（CO2）や窒素（N2）、メタン（CH4）のような小分子や、ベンゼンとそのフッ素化誘導体のように、大きさや形がよく似た分子を区別することは非常に困難でした。単純に孔の大きさでふるい分けるだけでは、十分な選択性が得られなかったのです。

## 分子に合わせて「蛇腹」のように伸縮する結晶

今回開発された「層間適応結晶（LAC）」は、この課題を根本から解決します。

驚くべきことに、この結晶はもともと約0.26ナノメートル（10億分の1メートルという非常に小さな長さの単位）という非常に狭い隙間しか持っていません。しかし、動力学的直径（分子が熱運動しているときに占める実効的な大きさ）が0.33ナノメートルのCO2や、さらに大きい直径約0.59ナノメートルのベンゼンといった分子まで取り込むことがわかりました。

その秘密は、結晶の「適応性」にあります。分子が近づくと、結晶の層と層の間隔がまるで「蛇腹」のように広がり、分子を内部へ取り込みます。分子を取り込んだ後も結晶としての構造を保つため、安定して機能し続けることができます。

![ゲスト分子に応じて層間距離が可逆的に変化する層間適応結晶(LAC)の合成法、結晶構造、分子吸着実験](/wp-content/uploads/2026/09/717d2b19b57ff5c0d8d2800f7ff50f2f.webp)

## 「静電的な相性」で分子を識別する精密なふるい分け

LACが分子を選ぶのは、単に大きさを見分けているだけではありません。フッ素化された結晶の層間表面には「π-hole（パイホール）」と呼ばれる、電子が少ない（ややプラスの電荷を帯びた）領域が形成されています。この領域と、取り込みたい分子が持つ「静電的な相性」（プラスとマイナスの電荷を持つ分子や原子の間で働く電気的な引力や反発力）を利用して、分子を識別します。

例えば、CO2を窒素（N2）やメタン（CH4）よりも選択的に取り込むことに成功しました。しかも、水蒸気の相対圧が0.89という高湿度条件下でも、その選択性はほとんど低下しませんでした。これは、CO2回収技術において非常に重要な特性です。

![N2、CH4よりもCO2が優先的に結晶内に取り込まれる破過実験](/wp-content/uploads/2026/09/6848c624c6085905b4bacc6dc151740f.webp)

同様のメカニズムは、芳香族分子の分離にも有効です。ベンゼンとその類似分子（フッ素化ベンゼンやシクロヘキサン）の混合物からでも、ベンゼンだけを高選択的に分離できることが示されました。このとき、ベンゼンを取り込むと結晶内の空隙体積が約186%まで拡大しますが、単結晶状態は保たれます。

![ベンゼンへの選択性実験](/wp-content/uploads/2026/09/8627b63cacb22c06324c9bdc33b8d98e.webp)

## 未来を変える可能性：CO2回収から新薬開発まで

この「層間適応結晶（LAC）」はまだ研究段階ですが、その応用範囲は非常に広いと期待されています。

まず、地球温暖化対策の切り札となる可能性のあるCO2（二酸化炭素）回収効率の大幅な向上に貢献するかもしれません。また、工場から排出される混合ガスから特定のガスだけを効率よく分離・精製するプロセスにも応用できるでしょう。

さらに、製薬分野では、構造が非常に似通った有機分子の中から目的の物質だけを精密に分離・精製する技術として役立つ可能性があります。分子を結晶内部に一次元的に並べられるという特性は、分子の輸送や反応の制御、さらには新たな機能性材料の開発にも繋がるかもしれません。

「孔の形」だけでなく「分子との相性」によって応答する結晶の設計は、今後の科学技術に大きな進化をもたらし、私たちの生活や産業に革新的な変化をもたらすでしょう。

## 研究チームと論文情報

本研究は、芝浦工業大学工学部・堀顕子教授(分子集合学研究室)らの研究チームが、同大・野村幹弘教授、名古屋大学・日下心平講師、松田亮太郎教授と共同で実施しました。

研究成果は、Wileyの科学誌「Angewandte Chemie International Edition」のオンライン版に掲載されています。

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**著者:** 阿部 将大、實方 友輝、日下 心平、松田 亮太郎、野村 幹弘、堀 顕子

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**論文名:** Low-Pressure CO2 and Aromatic Recognition by Interlayer Adaptive Crystal of π-Hole-Functionalized Zn(II) Coordination Sheets

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**DOI:** 10.1002/anie.4090353

## 芝浦工業大学について

芝浦工業大学は、東京都江東区と埼玉県大宮にキャンパスを構える理工系大学です。工学部、システム理工学部、デザイン工学部、建築学部、大学院理工学研究科を有し、グローバル教育や産学連携の研究活動に力を入れています。2027年の創立100周年に向けて、アジア工科系大学トップ10を目指し、教育・研究・社会貢献に取り組んでいます。

[芝浦工業大学公式サイト](https://www.shibaura-it.ac.jp/)
