独立行政法人国立高等専門学校機構(高専機構)とパナソニック ホールディングス株式会社は、2025年11月5日に結んだ包括連携協定にもとづく事業について、2026年度第2四半期の活動内容を公表しました。両者はモノづくり人財教育の高度化を目指しており、「教員向けプログラム」と「学生向けプログラム」を重点領域として取り組みを具体化しています。

教員向け:奈良高専で組織開発研修を実証
2026年7月28日、パイロット校の1つである奈良高専で、企業でも活用が進んでいる組織開発研修が行われました。教員向け研修プログラムを構築するための実証の第一歩という位置づけです。教員同士の対話と、組織の課題への気づきを促すことを目的としており、所属学科などの枠を越えたグループでの対話を中心に構成されました。
参加した教員からは、教員間で対話することの重要性をあらためて認識したという声が上がり、一定の手ごたえが得られたとしています。あわせて寄せられた課題も踏まえ、研修プログラムづくりを進めていく方針です。
また、各高専とパナソニックグループの各拠点の接点づくりも広がっています。これは双方の教員と社員が相互に訪問したり意見を交わしたりすることで、自走的な連携関係を深めることを目指す取り組みです。今回新たに次の2か所で、高専の教員がパナソニックグループの拠点を訪れ、意見交換を始めました。
- 宇部高専 – 山口拠点
- 阿南高専 – 徳島拠点

学生向け:サマースクールや工場見学でキャリアを考える機会に
「COMPASS 5.0サマースクール2026」に全国17校50名
2026年9月3日、4日の2日間にわたり、パナソニックモノづくり研修所(大阪府枚方市)で「COMPASS 5.0サマースクール2026」が開かれました。COMPASS 5.0は、高専機構が進める「Society 5.0型未来技術人財」育成事業のプログラムの1つで、フィジカルAI、サイバーセキュリティ、ロボット、半導体、蓄電池、再生可能エネルギー(風力)の6分野を技術の高度化に向けた羅針盤と位置づけ、産業界や行政機関などと連携して教育のパッケージ化を進めるものです。
サマースクールは、COMPASS 5.0の対象分野を中心に、モノづくりの最新技術に関する知識やスキルを身につけることが目的です。全国から17校50名の学生が参加し、製造業における生成AI(人工知能)の活用や、リチウムイオン電池の組み立て実習などに取り組みました。講師はパナソニックグループをはじめとする7社13名(パナソニックグループを1社として計上、13名には大学教員2名を含む)が務め、講義と演習が行われました。
パナソニック ホールディングスの小川 立夫グループCTO(技術最高責任者)による基調講演のほか、企業などから参加した講師と語り合う懇談の場も設けられました。参加者からは「進路の視野を広げたい」「貴重な交流経験だった」といった趣旨の声が寄せられ、将来の進路やキャリアについて考えるプログラムになったとしています。
社員によるキャリア教育と工場見学
パナソニックグループの社員が講師となるキャリア教育も実施されました。2026年7月には奈良高専でインターンシップの事前講義を、2026年9月には岐阜高専で学生向けキャリア教育プログラムを行っています。さらに同じ2026年9月には、3校の学生がパナソニックグループの工場見学に参加しました。
- 石川高専 – 二色の浜工場
- 徳山高専 – 草津工場
- 久留米高専 – 技術研究開発本部(横浜市)

接点は14校に、認知拡大の取り組みも
2026年度第2四半期までに実施した教員向け・学生向けプログラムを通じて、14校でパナソニックグループとの接点が生まれました。外部への発信面では、「COMPASS 5.0サマースクール2026」がメディアの取材を受け、日本経済新聞、日刊工業新聞、共同通信などに掲載されています。
また、高専機構が2026年9月2日に開いた「第4回KOSEN 次世代教育カンファレンス」では、本事業のワーキンググループメンバーがパネルディスカッションに登壇しました。このカンファレンスは企業、官公庁、高専の教職員、学生が一堂に会するもので、今回は「2040年を見据えた高専のイノベーション人財育成の実装化 ~産学官の対話で90日プランを形にする~」をテーマに行われました。

今後は約1年間の成果と課題をもとに新たな展開を検討
教員向けでは、引き続き奈良高専で、2026年7月の研修で寄せられた課題を踏まえながら研修プログラムとコンテンツの構築を進めます。学生向けでは、パナソニックグループの工場見学やキャリア教育などを継続して実施していく予定です。
そのうえで、これまでの約1年間の取り組みや成果、課題をもとに、新たなものも含めた高専機構のニーズの把握と、パナソニックグループのシーズの整理を行い、事業の質の向上や新たな展開について検討を進めるとしています。パナソニックグループは「物をつくる前に人をつくる」という理念のもと、社員一人ひとりが自らの可能性を「UNLOCK」する取り組みを進めており、今回の協定ではこの考え方を教育にも応用し、学生が高専での学びを通じて自らの力を引き出し、将来社会のさまざまな場面で活躍できる力を育むことを目指しています。
出典:パナソニックグループ



