経理担当者が突然辞めたら?経営者・役員200人の初動は「社内で一時対応」が37.0%で最多

経理担当者が突然辞めたら?経営者・役員200人の初動は「社内で一時対応」が37.0%で最多

請求書の発行、入金確認、取引先への支払い、給与計算、月次決算。会社の運営に欠かせないこれらの経理業務を担う従業員が、十分な引き継ぎをしないまま急に退職したら、会社はどう動くのでしょうか。経営者・役員を対象に、こうした場面での対応方針と不安を尋ねたアンケート結果が公開されました。

調査を行ったのは、経理アウトソーシングなどのバックオフィス業務支援を手がける株式会社RSTANDARDです。2026年10月7日、全国の30~69歳の経営者・役員のうち、自社に経理業務の主担当となる従業員がいる200名を対象に、オンラインアンケート(調査サービス:Freeasy)を実施しました。十分な引き継ぎがないまま経理担当者が急に退職した場合を想定し、まず検討したい対応、不安に感じること、一時的に外部へ委託する際に重視したい条件を聞いています。

経理担当者が突然辞めたら?経営者・役員200人の初動は「社内で一時対応」が37.0%で最多

初動は「社内でつなぐ」と「契約中の専門家に相談」が中心

経理担当者が急に退職した場合にまず検討したい対応を尋ねたところ、回答は次のようになりました。

  • 社内のほかの従業員・役員で一時的に対応する:37.0%(74人)
  • 契約中の税理士・会計事務所・経理代行会社に追加対応を相談する:32.0%(64人)
  • 現時点では対応方針を決められない:11.5%(23人)
  • 後任の経理担当者の採用を始める:11.0%(22人)
  • 新たな経理代行会社・会計事務所に委託する:5.0%(10人)
  • 人材派遣会社に経理スタッフを依頼する:2.5%(5人)
  • その他:1.0%(2人)

担当者が不在でも請求や支払いといった日常業務は止められないため、当面は社内の人員で引き継いで対応することを想定する人が多いようだと、同社は分析しています。また、新しい依頼先を探す前に、すでに取引のある専門家へ相談して対応できる範囲を確かめる方法も多く選ばれました。

注1:本設問は複数選択式ですが選択肢は3つまでに制限しています。これにより、経理担当者が急に退職した際に不安に感じることをより明確に把握できるようにしています。
注1:本設問は複数選択式ですが選択肢は3つまでに制限しています。これにより、経理担当者が急に退職した際に不安に感じることをより明確に把握できるようにしています。

不安の最多は「日常の経理業務が滞ること」

特に不安に感じることを複数回答可で尋ねた結果は以下のとおりです。

  • 請求書の発行・入金確認・取引先への支払いなど、日常の経理業務が滞ること:26.5%(53人)
  • 自分やほかの従業員・役員の負担が増えること:22.5%(45人)
  • 経理処理の正確性やチェック体制を維持できなくなること:21.0%(42人)
  • 後任の採用や育成に時間がかかること:19.0%(38人)
  • 月次決算や税務申告の準備が遅れること:18.5%(37人)
  • 給与計算や従業員への給与支払いが遅れること:17.5%(35人)
  • 業務手順や必要な情報・システムの利用権限を十分に引き継げないこと:16.0%(32人)
  • 資金繰りや経営状況を把握しにくくなること:9.5%(19人)
  • 人員補充や外部委託にかかる費用が増えること:8.5%(17人)
  • 特に不安に感じることはない:25.5%(51人)
  • その他:0.0%(0人)

請求や支払いは取引先との関係にも関わるため、通常どおりの対応を続けられなくなることが大きな不安につながっているようだと同社は見ています。また、経理担当者が抜けた分の業務を社内で補う場合には、ほかの従業員や役員が通常の仕事と並行して対応する必要もあります。経理業務そのものへの影響に加え、残された人員への負担や、担当者が変わってもこれまでと同じように正確な処理を続けられるかどうかも、懸念として挙がりました。

注2:本設問は複数選択式ですが選択肢は3つまでに制限しています。これにより、一時的に外部へ委託するとしたら重視したいことをより明確に把握できるようにしています。
注2:本設問は複数選択式ですが選択肢は3つまでに制限しています。これにより、一時的に外部へ委託するとしたら重視したいことをより明確に把握できるようにしています。

外部委託で重視するのは「正確さ」と「自社の手順への対応」

経理業務を一時的に外部へ委託するとしたら特に重視したいことを、複数回答可で尋ねた結果は次のとおりです。

  • 正確な処理やチェック体制が確保されていること:21.0%(42人)
  • 自社の業務手順や会計システムに合わせて対応できること:19.0%(38人)
  • 急な依頼でも、短期間で対応を開始できること:18.0%(36人)
  • 経理業務に関する専門知識や実務経験が豊富であること:18.0%(36人)
  • 料金や追加費用が分かりやすいこと:17.5%(35人)
  • 情報管理やセキュリティ体制が整っていること:15.5%(31人)
  • 委託する業務の範囲や期間を柔軟に調整できること:14.0%(28人)
  • 訪問・リモートなど、自社の状況に合う方法で対応できること:14.0%(28人)
  • 業務を整理・マニュアル化し、後任者へ引き継いでもらえること:12.0%(24人)
  • 対応状況や進捗をこまめに共有してもらえること:10.0%(20人)
  • 一時的な外部委託は検討しない:30.0%(60人)
  • その他:0.0%(0人)

具体的な条件の中では「正確な処理やチェック体制」が最多となった一方、回答全体で最も多かったのは「一時的な外部委託は検討しない」の30.0%でした。同社はこの結果を踏まえ、すべての企業に同じ対応方法が適しているとは限らず、自社で担う業務と外部に任せる業務の範囲を状況に応じて考える必要があるとしています。

あわせて同社は、平時からの備えとして、特定の担当者しか把握していない作業や情報を共有できる形にしておくことを挙げています。定期的な支払いの期限や確認方法、利用しているシステム、必要な資料の保管場所などを整理し、万が一の際に誰がどの業務を引き受けるのか、必要に応じてどこまで外部に相談できるのかをあらかじめ確認しておくことが、業務を滞らせないための備えにつながるとしています。

株式会社RSTANDARDは、常駐型・訪問型の経理アウトソーシングや、業務マニュアルの作成と後任者への引き継ぎを含む経理体制づくりの支援、経理分野に特化した人材派遣・紹介予定派遣などを展開しています。同社の公式サイトでは、これらのサービス内容に加え、経理担当者の急な退職に対応した事例も紹介されています。

出典:株式会社RSTANDARD