
物価高の年に光った「頑張った」家電を総まとめ
株式会社晋遊舎は、11月2日発売の家電テスト専門誌『家電批評』2026年12月号で、毎年恒例の総力特集「家電オブ・ザ・イヤー 2026」を掲載しました。1年間にわたりガジェットや家電をテストしてきた同誌が、その総まとめとして数々の検証から見つけた良品を厳選し、「コスパも性能も文句なし」という今買うべき銘品150を発表しています。
2026年は物価高や円安の影響で「欲しくても買えない」という悩みが色濃い1年でした。それでも、そうした状況を覆すほどの機能や性能を備えた製品や、「このご時世に頑張った!」と言えるハイコスパな製品が数多く見つかったとしています。ここでは、受賞製品の中から一部を紹介します。

スマートフォンはエントリーから折りたたみまで3機種
スマートフォン関連では、エントリーモデル、ミドルクラス、横折りの折りたたみの3部門から受賞製品が選ばれました。なかでも2026年の「家電オブ・ザ・イヤー」に輝いたのは、Nothingのエントリーモデルです。
- スマートフォン(エントリーモデル)部門:Nothing Technology「Phone(3a) Lite」
実勢価格(SIMフリー・128GB)は3万5900円(楽天市場)/4万2800円(公式ストア)。楽天で購入すればSIMフリー版でも3万円台という価格ながら、ゲームも楽しめる基本性能の高さや独自のAI機能を備え、単に安いだけの製品ではないと評価されています。外観はNothingらしさとシンプルさのバランスが取れており、ガジェット好きにも無難さを求める人にもおすすめとのこと。「iPhoneを卒業したいのでとりあえずAndroidを試してみたい」という人にも推されています。 - スマートフォン(ミドルクラス)部門:グーグル「Pixel 10a」
実勢価格は9万2800円(128GB)~。テスト時から1万2900円値上げされたものの、アンダー10万円は死守しておりコスパは健在とされています。カメラ性能は同価格帯でトップで、シャープでクリアな画が持ち味。明るく精細感のある映像で、YouTubeなどのネット動画を中心に観るなら十分満足できる画質です。カメラ部分が出っ張らないフルフラットな背面も特徴で、今年のミドルクラスを代表する一台に位置づけられています。 - 折りたたみスマホ(横折り)部門:サムスン「Galaxy Z Fold8 Ultra」
実勢価格は29万6780円~。折りたたみの王座を守り抜き、年間ベストバイに輝きました。性能面に加え、折り目の目立たなさやヒンジ、薄さなど細部まで作り込まれた完成度の高さが見所です。満点評価の美麗なディスプレイは映画の没入感が高く、上下にアプリを配置できる、正方形に近い従来の縦長スタイルならではの使いやすさもあるとしています。

ウェアラブルとAIデバイスは新ジャンルにも注目
身につけて使うデバイスでは、画面レスのスマートバンドやカメラなしのスマートグラスに加え、今年勃興しつつある新ジャンル「AI記憶デバイス」からも受賞製品が選ばれています。
- スマートバンド(画面レス)部門:グーグル「Google Fitbit Air」
実勢価格は1万6800円。画面のないバンドの中で、記録できるアクティビティの充実度やAIコーチによる付加価値でライバルに大きな差をつけたと評価されています。重さわずか約5gでフィット感がよく、つけていることを忘れるほど。バッテリーは最長で1週間もちます。 - スマートグラス(カメラなし)部門:Even Realities「Even G2」
実勢価格は9万9800円。2026年のスマートグラスを牽引してきた製品で、評価の理由は普通のメガネ感覚で使えることです。表示は緑色の文字と記号だけで、カメラとスピーカーは非搭載のため、盗撮や音漏れの心配がなく、会議や満員電車でもメガネとして装着しやすいとしています。当初はB評価でしたが、アップデートを重ねて翻訳や会話サポートの精度が高まり、ベストバイに選ばれました。ナビや文字起こしでもRayNeoを上回ったとのこと。一方、テンプルのタッチセンサーによる操作は、長い髪がかかると反応しないことがある点が減点されています。相手の顔を見ながら会話を広げたい人に最適な一台とされています。 - AI記憶デバイス部門:franky「Mori Journaling Ai」
予定価格は2万8000円(サブスクあり)で、マグネティックウォッチバンドは6980円(別売)。常時オンにして周囲の情報を記録し続け、自動でジャーナル(日記)を生成するデバイスです。会議中に「今の発言忘れたくない」と思っても録り忘れることがありません。文字起こし精度には若干の不満が残るものの、全自動で日記が生成されていく感覚は新鮮で、「今日こんなこと話したんだ」といった新たな気づきが面白いとしています。ただし、周りの人の同意といったプライバシー面には配慮が必要です。

イヤホン、ジンバルカメラ、除湿機も受賞
オーディオではJVCケンウッドのガラス振動板イヤホン2機種が受賞したほか、カメラや生活家電の分野からも年間ベストが選出されました。
- ワイヤレスイヤホン(音質)部門:JVCケンウッド「GLASS Core Pro」
実勢価格は4万9940円。ガラス振動板を初めて採用したワイヤレスイヤホンで、「情報量が別次元」とプロが脱帽する満点評価の高解像度を発揮。音域バランスや音像定位も優秀で、「演奏者の表現を忠実に伝える」サウンドと評されています。ノイキャン等に不満は残るものの、約5万円の価格も納得の「最高の音」を楽しめる一台とされています。 - ワイヤレスイヤホン(2万円クラス)部門:JVCケンウッド「GLASS Core」
実勢価格は2万7830円。上位のProと同じくガラス振動板を採用したハイコスパモデルです。高域の伸びと透明感が特徴で解像度も高め、音域バランスもよくジャンルを問わず音楽を楽しめます。軽快な音が好みの人にピッタリで、2万円台で高音質を追求するなら文句なしにおすすめと評価されています。 - ジンバルカメラ部門:Insta360「Luna Ultra」
実勢価格は11万9800円(本体)。YouTube撮影などで定番化しているジンバルカメラは、今年スマホカメラを追うように望遠カメラを積んだ2眼に進化し、Insta360が新規参入を果たしました。同製品は“モニター・操作部をリモコンとして外せる”という斬新な仕掛けを備え、実際に試すと、出演・撮影とも自分でこなすワンオペシーンの自由度を飛躍させるグッドアイデアだったとしています。 - 衣類乾燥除湿器(適用畳数15畳以上):三菱電機「空清脱臭除湿機 美空間 MJ-PHDV24YX」
実勢価格は12万6500円。2026年は東京都心で8月末から10月にかけて37日連続降水の記録を更新するなど、梅雨以外にも雨が多く除湿機が大活躍した1年でした。同製品は、洗濯物に手で触れてしっかり乾いていると実感できるほど乾燥性能が高く、部屋の湿気もカラカラに除去します。弱点は電気代がやや高い点です。
誌面ではこのほか、加湿器や空気清浄機を徹底検証した「空調家電グランプリ2026 冬」や、期待外れだった製品をレポートした「がっかりアワード4選」も掲載。さらに詳しい比較テスト結果やベストバイに選んだ理由も誌面で紹介されています。また、消費者目線の厳しいテストの結果、編集部が“本当におすすめできる”と認めた製品には「認証」マークが付与されており、受賞企業の商品販促に活用されています。
『家電批評』は創刊15周年を迎えた、日本で唯一の家電テスト専門誌です。商業媒体には珍しく広告ページを入れないことで、メーカーの意向に左右されない本音を伝え、専門家と編集部が消費者目線で商品を徹底検証しています。2026年12月号は11月2日発売で、特別定価990円(税込)です。
出典:株式会社晋遊舎



