リサイクル困難な複合プラスチックが「資源」へ!esaがベトナムでASEAN資源循環構想を発表

リサイクル困難なプラスチックを「資源」に変える挑戦

環境事業を手がける株式会社esa(イーサ)は、2026年8月13日にベトナム・ハノイで開催された「ベトナム日本イノベーション・フォーラム」内のアクセラレーションプログラム「NIC Scale X」デモデイに登壇しました。

「NIC Scale X」は、ベトナム国家イノベーションセンター(NIC)、在ベトナム日本大使館、国連開発計画(UNDP)が共同で推進するスタートアップ支援プログラムです。esaは、日越のディープテックスタートアップ(最先端の科学技術を基盤とする企業)140社以上の中から上位10社の一つとして選ばれ、複合プラスチックのマテリアルリサイクル技術と、ベトナムを起点としたASEAN地域での資源循環構想を発表しました。

プレゼンテーション中の男性

esaの革新的な技術「esa method」とは?

プラスチックは私たちの生活に不可欠ですが、そのリサイクルには大きな課題があります。特に、複数の種類のプラスチックや他の素材が混じり合った「複合プラスチック」は、これまで再利用が難しいとされてきました。

esaは、この複合プラスチックを再資源化する独自の技術「esa method」を開発し、実用化しています。この技術により、廃プラスチックから再生プラスチックペレット「Repla®」や様々な製品を生み出すマテリアルリサイクル(廃材を原料として再利用し、新しい製品を作るリサイクルの方法)事業を展開しています。例えば、電子部品や半導体製品の搬送に使われるカバーテープなど、従来は焼却処分されることが多かった産業系のプラスチック廃材も、新たな資源として生まれ変わらせることが可能です。

現在、esaは茨城県結城市の「Yuki Circular Factory」を生産拠点として事業を進めています。

ベトナムからASEANへ広がる資源循環の未来

esaは、今後の海外展開においてベトナムを重要な地域の一つと位置付けています。ベトナムは製造業が盛んで、特に北部には電子部品や半導体関連企業が集積しているため、製造工程から多様なプラスチック廃材が発生します。しかし、これらの産業系プラスチックの中には、複合素材であるためにマテリアルリサイクルが困難で、十分に資源として活用されていないものも少なくありません。

esaは、このような廃材を現地で回収・再資源化し、再びベトナムの製造業や地域産業へと戻していくことで、新たな資源循環の仕組みを構築できる可能性があると考えています。

ベトナムを次のフロンティアとするスライド

esaが目指すのは、日本のリサイクルモデルをそのまま海外へ展開するのではなく、地域ごとの産業構造や廃棄物の状況、再生材の需要に合わせて、現地で発生したプラスチック廃材を現地で回収・再資源化し、再び地域の産業へ戻す「地域内資源循環」の仕組みを構築することです。

今回のデモデイ登壇を機に、esaはベトナムでの事業展開をさらに具体化していきます。具体的には、ベトナムの製造業から発生する複合プラスチック廃材の調査や供給元の開拓、現地企業との回収・再資源化スキームの構築、再生プラスチック「Repla®」の現地での用途開発、そして現地企業、行政、研究機関などとのパートナーシップ形成を進める予定です。将来的には、ベトナムを起点としてASEAN地域全体への事業展開、生産・リサイクル拠点の構築も検討されています。

ASEANにおける資源循環構想図

「資源安全保障」としての再生プラスチック

近年、世界情勢の変動により、プラスチック原料の安定調達は企業にとって重要な課題となっています。こうした背景から、再生プラスチックは単なる「環境配慮素材」というだけでなく、「資源安全保障(資源の安定的な供給を確保すること)」や「サプライチェーン強靭化(供給網が災害や地政学的リスクなどで途絶えないよう、柔軟性や回復力を高めること)」の観点からも、その重要性が高まっています。資源をサプライチェーンの中で循環させることで、原材料調達のリスクを低減できるのです。

プラスチックペレットの画像

esaは、複合プラスチックの再資源化技術を基盤に、企業や自治体、研究機関、そして海外のパートナーとの連携を通じて、再生材の品質向上、用途開発、導入拡大に取り組んでいます。ベトナムを起点としたASEAN地域においても、製造業と資源循環をつなぐ新しい循環型インフラの構築を推進し、持続可能な未来に貢献していくことが期待されます。

株式会社esaの代表取締役である黒川周子氏は、「廃プラスチックは単に『処理するもの』ではなく、これからの産業を支える『資源』である」とコメントしています。esaは、ベトナムで生まれた資源をベトナムの中で再び循環させる「地域に根付く資源循環の仕組み」を、現地の産業や企業とともに作り上げていくことを目指しています。

「NIC Scale X」について

「NIC Scale X」は、ベトナム国家イノベーションセンター(NIC)が主導するアクセラレーションプログラム(スタートアップ企業の成長を加速させるための支援プログラム)です。NIC、UNDP、日本政府、三菱総合研究所(MRI)、Plug and Playなどが連携し、ベトナムと日本のイノベーションエコシステムの発展、スタートアップの事業成長、企業・投資家・行政機関等との連携促進を目的としています。重点領域には、クリーンエネルギー、スマートファクトリー、産業イノベーション、IoT、サステナビリティなどが含まれます。プログラムの詳細は以下のリンクから確認できます。

NIC Scale X 公式サイト

NIC Scale X 卒業・表彰式

株式会社esa 会社概要

株式会社esaは、再利用が難しかった複合プラスチックをリサイクル可能にする独自技術「esa method」を核に、コンサルティングや研究開発に加え、再生プラスチックのペレット加工・販売、製品開発・展開を行っています。CO2排出削減とコスト効率の両立を実現し、カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーの実現に貢献しています。

esaロゴ

  • 会社名:株式会社esa

  • 設立年月:2022年3月1日

  • 住所:東京都千代田区大手町2-2-1 新大手町ビル3階「0 Club(ゼロクラブ)」

  • 代表取締役:黒川 周子

  • 事業内容:一般・産業廃棄物のリサイクルコンサルティング、プラスチック廃棄物のリサイクル、プラスチックペレットの加工、販売プラスチック製品の開発、販売

  • URL:https://esa-gl.com/