人と仕事の“相性”を予測するAI研究、レバレジーズが国際会議「RecSys 2026」併設ワークショップでポスター発表に採択

人と仕事の“相性”を予測するAI研究、レバレジーズが国際会議「RecSys 2026」併設ワークショップでポスター発表に採択

人材マッチングAIの研究が「RecSys 2026」併設ワークショップでポスター発表に採択

レバレジーズ株式会社は、人と仕事の適合性(Person-Job Fit)を予測するAIモデルに関する同社の研究が、ポスター発表に採択されたことを明らかにした。採択されたのは、2026年9月28日に米国ミネアポリスで開催された「The 20th ACM Conference on Recommender Systems(RecSys 2026)」の併設ワークショップ「RecSys in HR 2026」である。

RecSysは推薦システム分野で最も権威ある国際学会の一つで、世界中の研究者らによって毎年開催されている。20回目となるRecSys 2026の会期は2026年9月28日から10月2日までで、47か国から1,000名以上が参加した。参加者の約4分の3を企業関係者が占めており、学術研究にとどまらず産業界からも高い関心が寄せられている。

併設ワークショップの「RecSys in HR」は、人材領域における推薦システムをテーマにした研究発表の場だ。2026年で6回目の開催を迎えた。

求職者・求人・スキルなどの関係をグラフで捉える推薦モデル

人材マッチングは、求職者と企業の双方の意向が合って初めて成立する。AIを使って両者をより的確に結びつける「マッチングの高度化」が進む一方で、推薦が一部の人気の求人や求職者に偏らないようにする「マッチングの公平性」も重要な課題となっている。

今回の研究では、求職者・求人・スキルなどの関係をネットワーク(グラフ)として表現し、そこにプロフィールの文章情報を組み合わせたグラフニューラルネットワーク(GNN)ベースの推薦モデルを構築した。このモデルは、求職者が応募するかどうかと、企業側が選考で通過させるかどうかを同時に予測するもので、実際の人材プラットフォームに由来するデータなどを用いて検証が行われた。

精度向上の主な要因は「人気度」、ただし効き方は双方で異なる

GNNを導入したことで、全体の予測性能は向上した。モデルの内部表現を分析したところ、その主な要因となっていたのは、応募などの肯定的な行動がどれだけ集まっているかを示す「人気度」の情報だった。

一方で、人気度がもたらす効果は求職者側と企業側で異なっていた。求職者に求人を薦める場面では精度を高めたが、求人ごとに候補者を順位付けする場面では効果が小さく、人気度に関連する情報を取り除くと、こちらの精度が改善する場合もあったという。

マッチング精度と機会の公平性の両立を目指す

人材サービスの推薦では、応募や選考通過の可能性などを考慮して全体としてのマッチング精度を高めることに加え、「一人の求職者に対して適した求人を上位に示せるか」「一つの求人に対して適した候補者を上位に示せるか」という、求職者・企業双方の機会の公平性も考慮する必要がある。同社は今後、求職者・求人それぞれの人気度が推薦結果に与える影響を調整する手法を検討し、マッチング精度の向上と機会の公平性の両立を目指すとしている。

  • 論文名:A Spectral Analysis of Heterogeneous Graph Recommenders for Person-Job Fit
  • 著者:修 浩毅、永安 修也、樋沢 規宏(レバレジーズ株式会社)

なお、この研究は過去の応募と選考のデータを用いて推薦の精度を検証したオフライン評価であり、実サービスでの採用・入社の増加を実証したものではない。

出典:レバレジーズ株式会社