
自分の作業は速くなったが、チームの仕事は「あまり速くなっていない」
チーム向けAIエージェント「TANKA」を開発・提供するTANKA, Inc.の日本拠点であるTANKA Japan(東京都港区)は、「中小企業の生成AI業務活用実態調査」の結果を公表しました。対象は、従業員100人未満の国内中小企業に勤め、業務で生成AIを利用している会社員です。有効回答500件から、生成AIによる効率化の恩恵が個人レベルにとどまっている実態が見えてきました。
生成AIを使い始めてから自分自身の作業スピードが変わったかを尋ねたところ、「かなり速くなった」が16.6%、「やや速くなった」が47.6%でした。合わせて64.2%が速くなったと答えています。一方、チーム(部署)全体の仕事のスピードについては、速くなったとの回答は合計51.8%にとどまり、「変わらない」が38.8%を占めました。この差について直接尋ねた設問では、「AIで自分の仕事は速くなったが、チーム全体の仕事はあまり速くなっていない」と「とても感じる」人が12.4%、「やや感じる」人が47.6%で、合わせて60.0%がこう感じていました。

仕事が止まる最大の原因の7割は「人と人の間」
仕事が止まったり遅れたりするときの最大の原因を聞くと、「自分の作業そのものに時間がかかる」は21.4%でした。これに対し、待ち・探し・引き継ぎ・説明という「人と人の間」で起きる4項目は合計71.0%に上ります。その中では「他の人の返事・確認・承認待ち」が28.2%、「必要な情報や過去の経緯探し」が23.6%でした。
さらに、同僚への確認や背景の説明、社内の情報や過去の経緯探しに1日あたり「1時間以上」を使っている人は44.0%(2時間以上が7.8%、1〜2時間未満が36.2%)でした。「30分以上」まで含めると67.6%に達します。生成AIを使っていても依然として時間を取られている業務(複数回答)では、「上司や関係者の確認・承認待ち」32.0%、「引き継ぎ」23.6%、「同僚への説明・背景の共有」21.8%が上位に並びました。

「担当者が休むと止まる仕事」があると答えた人は58.6%、AIの成果を仕組みとして共有しているのは24.0%
「担当者が休む・辞めると止まってしまう仕事」があるかという問いには、「多くある」が13.0%、「いくつかある」が45.6%でした。合わせて58.6%が「ある」と答えています。その背景の一つとして、AIの成果が個人の中にとどまっている実態が見えてきます。生成AIで作った資料や、AIに入力・整理した経緯・決定事項などの情報をチームで「仕組みとして共有している」人は24.0%にとどまりました。「個人的に、たまに共有」は40.6%、「ほとんど/全く共有していない」は35.4%です。また、自分が使っている生成AIがチームの事情(誰が何を担当しているか、案件の経緯、過去に決まったこと)を「ほとんど/全く知らない」と答えた人も39.2%いました。
利用形態をみると、「会社が契約し、チームの全員が使える」は27.4%にとどまりました。一方で、「会社に明確なルールはなく、自分の判断で使っている」が35.6%、「会社では禁止されているが、使っている」が3.6%でした。合わせて39.2%が、会社の管理が及ばない形で生成AIを利用していることになります。経営者(社長)が社員の生成AI利用を「あまり/全く把握していない」と答えた人は41.4%でした。調査では、会社の管理が行き届かないまま個人単位で利用が広がっていることも、AIの成果をチームで活かしにくくしている一因と考えられるとしています。チームで生成AIを活かすうえでの壁(複数回答)は、多い順に次のとおりです。
- 会社のルール・セキュリティ上の制約:30.4%
- 使う人と使わない人の差が大きい:25.4%
- 情報が個人のPCや個人のAIの中に閉じている:22.4%
- AIがチームの背景や経緯を知らない:20.2%

「チームの経緯や担当を理解して仕事を進めるAI」を使ってみたい人は76.2% TANKAが掲げる“Agents for Team”
今後AIに最も期待することでは、「確認・引き継ぎ・情報探しなど、人と人の間の仕事を進めること」が42.0%でした。「資料作成・文章作成など、自分の作業をさらに速くすること」の41.2%をわずかに上回り、両者が拮抗しています。AIがチームの経緯や担当を理解したうえで仕事を進めてくれるなら任せたい業務(複数回答)は、次のとおりでした。
- 議事録と決定事項・宿題の整理:39.6%
- 引き継ぎ・担当者不在時の対応:28.4%
- 進捗の確認・催促:27.8%
- 顧客対応の下準備(経緯の整理、返信案):27.6%
- 社内の情報・過去の経緯探し:25.2%
「チームの経緯や担当を理解して仕事を進めてくれるAI」があれば使ってみたいかという問いには、「ぜひ使ってみたい」が17.2%、「条件が合えば使ってみたい」が59.0%でした。合わせて76.2%が前向きに回答しています。
TANKA Japanは“Agents for Team”をコンセプトに、個人ではなくチームのために働くAIエージェントを提供しています。「TANKA Link」でメール、チャット、ファイル、議事録など各ツールに分散した情報をつなぎます。そのうえでAIがプロジェクトの経緯、関係者、過去の約束や意思決定の変化を関連づけ、チームの現在の業務背景を理解します。顧客対応や進捗確認、担当者の引き継ぎといった場面では、既存の記録をもとに必要な情報、未確認事項、次のアクションの整理を支援します。セキュリティ面では、AWSのクラウド基盤上でサービスを運用しており、ISO/IEC 27001:2022の認証取得に加え、SOC 2 Type IIの監査も完了しています。顧客のデータがTANKAのAIモデルの学習・再学習・改善に使われることはないとしています。
TANKA Japan代表のウィリアム氏は、今回の調査で生成AIが個人の作業を速くする段階はすでに終わり、次の課題は「人と人の間」にあることがはっきりしたとコメントしています。返事待ちや経緯探し、同じ説明の繰り返しは、個人のツールをいくら速くしても解決しない点も指摘しました。同社は、AIによる効率化を個人からチーム全体へ広げていく方針です。同社は「Japan IT Week【秋】2026」(2026年10月21日〜23日、幕張メッセ 8ホール、小間番号A39-26)に出展し、ブースで調査の解説と製品デモを実施しています。2026年11月6日(金)12:00〜13:00には、調査結果を解説する無料オンラインセミナーを開催する予定です。なお、TANKA, Inc.は2024年に米国で創業しました。TANKAはSlack、Notion、Google Drive、Microsoft Teamsなどの既存ツールと連携し、世界15,000社以上で導入されています。製品名は日本の「短歌」に由来します。



