メソドロジックがTinesと提携、「Tines 3B」の導入支援を開始 現場のAI活用とIT部門の統制を両立

メソドロジックがTinesと提携、「Tines 3B」の導入支援を開始 現場のAI活用とIT部門の統制を両立
メソドロジックがTinesと提携、「Tines 3B」の導入支援を開始 現場のAI活用とIT部門の統制を両立

現場のAI活用とIT部門の統制をどう両立させるか

データモデリングとアーキテクチャー設計を手がける株式会社メソドロジック(本社:東京都新宿区、代表取締役:白石 章)は、Tines Technology Inc.(共同本社:アイルランド・ダブリン/米国マサチューセッツ州ボストン、共同創業者兼 CEO:エオイン・ヒンチー)とパートナーシップを締結しました。あわせて、Tinesのプラットフォーム「Tines 3B」を活用した「AIエージェント・業務自動化の基盤づくり」の支援を、日本企業向けに開始することを明らかにしています。

Tinesは、企業向けのインテリジェント・ワークフロー自動化プラットフォームを提供しているテクノロジー企業です。サイバーセキュリティ領域の自動化を中心とした「Tines Stories」で成長してきました。現在はIT運用や業務プロセス、AIエージェントの実行・統制にまで対象を広げています。「Tines 3B」は、Tinesが2026年7月28日に発表した、AIネイティブでコードファーストのプラットフォームです。企業の各チームがAIを使ってワークフローやアプリ、エージェントを作成し、IT・セキュリティ部門がその実行を統制できる仕組みになっています。

企業での生成AIの活用は、情報検索や文章生成だけにとどまらなくなっています。AIエージェントが企業データや外部システムを使って実際の業務をこなす段階に入りました。また、AIの支援によってビジネスユーザー自身がアプリを開発できるようにもなっています。こうした変化を受けて、AIを安全かつ統制された環境で本番業務に組み込むことが、これまで以上に重要になっています。メソドロジックは、ドメイン駆動設計(DDD)、クラウド、データ基盤、ソフトウェアアーキテクチャーの領域で培ってきた知見をTines 3Bと組み合わせます。そのうえで、AIエージェントの構築から実行・運用までを支援するとしています。

現場主導のAI活用で企業が直面する主な課題

  • 接続先や認証情報の管理が個人任せになる:AIエージェントがCRMやデータベース、SaaSなどへアクセスする機会は増えています。その一方で、認証情報(Credential)や権限の管理が担当者ごとに委ねられ、組織として把握できなくなっています。誰が何にどの経路でアクセスしているかを、組織として管理することが重要になっています。
  • 本番環境で使える安全な実行基盤を構築しにくい:AIには回答の生成だけでなく、承認、通知、データ更新、チケット発行といった業務の実行も求められます。そのための安全な実行基盤が必要とされています。
  • AIエージェントの野良化と可視性の欠如:各部門がAIエージェントやAI生成コードを個別に開発・利用しています。そのため、どのようなAIが、誰によって、どの業務で使われ、どのデータやシステムにアクセスし、何を実行したのかを把握・追跡することが難しくなっています。

「Build」「Run」「Monitor」の3機能で課題に応えるTines 3B

Tines 3Bは、組織内でのAIを活用した開発を後押しします。同時に、IT・セキュリティ部門がそれをエンタープライズ規模で安全に運用できるよう制御する仕組みも備えています。先に挙げた課題には、次の3つの機能で対応します。

  • Build(構築):作りたいものを自然言語で説明すると、Tines 3BがIT・セキュリティ部門の承認済みのツール・システム・データに接続し、目的のアプリケーションやエージェントを生成します。接続先は承認済みの範囲に限られるため、個人任せの接続を防げます。
  • Run(実行):認証情報の保護、隔離された実行環境、完全なログ記録によって安全に動作します。Tinesによると、各ステップは隔離された環境で実行され、処理が終わると消滅します。そのため、データや認証情報が他のステップや他のユーザーの処理に混ざらない設計になっています。作成物は企業全体へ即座に展開できます。また、自己修復機能が不整合や例外的なケースを修正し、重要な業務の継続性を担保します。
  • Monitor(監視):システム全体で動くすべてのアプリケーション、エージェント、統合、自動化を一箇所で把握・調整できます。作成物には所有者が紐づき、ログと監査証跡が残るため、誰が何を動かしているかを追跡できます。さらに、作成物ごとのトークンやインフラの消費量も把握できるため、AIにかかるコストの要因を特定できます。

構築は、Tines 3Bのウェブインターフェースに加えて、普段使っているAIコーディングアシスタント(Claude Code など)からも行えます。実行と監視は3Bに一元化でき、権限はRBAC(ロールベースのアクセス制御)で管理されます。

判断の根拠を後から辿れる「Decision Driven Architecture」

メソドロジックは、AI時代の企業システムを「Decision Driven Architecture」という考え方で設計します。AIにすべての判断を任せるのではなく、「判断の根拠を後から辿れること」を重視するアプローチです。具体的には、DDDによる業務の責任範囲の整理を土台にします。そのうえで、統合された「Data」を「Context」として意味づけし、「Rules」で判断基準を明確にしてから、根拠とともに「Decision」を構造化します。

この「Decision」にもとづいて「AI Agent」が業務を実行する「Action」を担うのがTines 3Bです。組織が承認した接続先の範囲で、ログを残しながら安全に実行します。これにより、AIエージェントの柔軟な推論と、企業に求められる説明可能性、変更可能性、監査可能性、セキュリティの両立を図ります。メソドロジックは、まず現状の可視化から始め、段階的に重要な業務へ統制を効かせていくため、次のサービスの提供を開始します。

  • Tines 3B導入・活用アセスメント
  • AI活用状況の可視化と統制ルールの設計
  • 意思決定を起点としたアーキテクチャー設計
  • 導入支援と定着・内製化支援

Tines APJ パートナーシップ責任者のフェリシティ・バロウズ氏は、日本での事業拡大にあたってメソドロジックと提携できることを歓迎しています。同氏は、メソドロジックについて、データ、AI、クラウドの各プラットフォームにわたる深い専門性と、顧客の最も複雑なビジネス課題の解決に注力する姿勢を兼ね備えた理想的なパートナーだと評価しました。そのうえで、日本の組織がテクノロジーエコシステムをつなぎ、重要なワークフローを自動化し、AIを安全に活用できるよう共に支援していくとコメントしています。

メソドロジック代表取締役の白石 章氏は、誰もがAIでアプリケーションを作れるようになった今、「どのデータを利用し、どのルールに基づいて意思決定(Decision)を行い、その結果をどのシステムでどのように実行するか」を企業のアーキテクチャーとして設計することが重要だと述べています。また、Tines 3Bについては、現場の自由なAIエージェント構築を止めることなく、AIを安全かつ統制された環境で実行するための重要な基盤になるとの考えを示しました。同社は、データから意思決定、AIエージェントによる業務の実行までを「Decision Driven Architecture」として一貫して設計し、日本企業のAI活用を本番業務での成果につなげていくとしています。

出典:株式会社メソドロジック