株式会社情報戦略テクノロジーが、2026年9月に新設した社長直轄組織「AICT部」の狙いと、今後のAI・ビジネスモデル変革シナリオを語る特別対談記事を公式noteで公開しました。タイトルは「【特別対談 about AI #1】AIを『配る』時代は終わった――人間にしかできない価値を極限まで尖らせる、情報戦略テクノロジーの新・逆転シナリオ」です。
対談に登場するのは、代表取締役社長の高井淳氏と、AICT部 AI Officerの藤本雅俊氏の2名です。世間で広がっている「生成AIツールの全社員一律配布」というアプローチに潜む構造的な課題を指摘しています。そのうえで、数年後にAIがコモディティ化する時代を見据え、人間にしかできない強み(ヒューマニティ)を極限まで尖らせてシステム開発業界の常識を覆すという、同社の成長戦略が明かされています。

「一律配布」は罠――AIの差別化が消えた後の主戦場とは
対談ではまず、全社員にAIを均等に配ることが、管理コストの増大や過剰な制限による現場の機能不全を招く「罠」であると指摘しています。そのうえで、単なるツール配布ではなく、組織の戦力を劇的に変革する戦略拠点として社長直轄の「AICT部」を立ち上げた経緯が語られています。
さらに、AIの急速な進化によって、数年以内に「AIを使っていること」自体による優位性は消滅すると予測。対談の見出しでは、その期間を「3〜5年」としています。コモディティ化が進んだ後に勝敗を分けるのは、AIには代替できない「顧客との強固な信頼関係」と「泥臭い人間力」であり、これが同社最大の経営資源であるとしています。
現場は作らず「丸投げ」、使い倒してフィードバック
同社の方針は「ヒューマニティに武器を授ける」というものです。たとえばコミュニケーションに秀でた営業メンバーに無理にプロンプト入力を求めるのではなく、顧客と向き合う才能を発揮できるよう、AICT部が専用の強力な武器となるAIエージェントを設計・提供するという育成・組織方針が示されています。
役割分担についても明確です。対談では、思考特性に基づく次のような分担のあり方が解説されています。
- 現場はツール開発を抱え込まず、困りごとをAICT部に“丸投げ”する
- AICT部はそれを受けて、ゼロからの「改革」を推進する
- 現場は完成した武器を使い倒し、フィードバックを返す
対談ではこれを、「改革志向タイプ」と「実務・改善タイプ」による、創る側と使う側のプロフェッショナルな共創として位置づけています。
価格戦略と12月末までの短期決戦
開発現場については、従来の開発工数をトップエンジニアとAIエージェントによって劇的に圧縮し、生まれた余力をもとに戦略的な価格競争力を展開する構想を語っています。エンジニアを「上流の課題解決者」へとシフトさせながら、受託開発市場の勢力図を覆す青写真が描かれています。
スピード面では、現場に「劇的な変化」を体感させるため、12月末をデッドラインとした短期決戦で具体的な活用基盤と成功事例を構築するとしています。対談の中で高井氏は「この2〜3年を本気で駆け抜ければ、業界の序列を完全に覆すことができる」「会社はすでに変わり始めているんだという手応えを、社員全員に届けたい。AICT部はそのための最強の先鋒部隊です」と述べています。
同社は今後、AICT部を中心に既存業務のAX(AIトランスフォーメーション)を進め、年内を目標に現場が実感できる成果と基盤を確立する方針です。公式noteなどを通じて、実践事例や開発現場の変革プロセスを順次発信していくとしています。
出典:IST



