株式会社はてなは、オブザーバビリティプラットフォーム「Mackerel」の「ログ機能」について、2026年11月1日から正式版の提供を始めると発表しました。これによりMackerelでは、オブザーバビリティの標準であるOpenTelemetryに準拠したメトリック、トレース、ログの3つのシグナルが正式に揃います。3つのシグナルが揃ったMackerelは、問題の発見から原因を探るまでの調査と、チームでの知見の蓄積・共有に活用できます。
「熟練者の知見を、チームの力に」を掲げたログ機能
ログ機能の開発コンセプトは「熟練者の知見を、チームの力に」です。障害対応の場面で扱うログに着目して開発されました。2026年7月にベータ版の提供が始まり、その後はフィードバックをもとに、ログ件数の時間分布表示などの集計機能の追加や操作性の改善が重ねられてきました。その結果、今回の正式化に至っています。
開発の背景には、ログの扱いに関してMackerelが考える次のような課題があります。
- ログを使いこなせる人が、一部の熟練者に偏ってしまう
- どのログのどこをどう見るかが暗黙知のままで、言葉や文章にならない
- ログの調べ方が個人にとどまり、チームで同じようになぞれない
ログ機能では、こうした課題を解決するため、ログを見る力をチーム全体に行き渡らせる仕組みを提供するとしています。
クエリなしで検索でき、検索条件や履歴をチームで共有
Webコンソールでサービス単位の横断検索
送信されたログはMackerelのWebコンソールに集約されます。本番環境に直接ログインしなくても、サービス単位で横断的に検索できます。クエリを書かなくても、キーワード、6段階のログレベル、属性を組み合わせて検索できます。JSON形式の構造化ログについては、画面上の値をクリックするだけで絞り込みや除外ができます。
保存した検索条件とチーム検索履歴
たどり着いた検索条件はメモを添えて保存でき、チーム内で共有したり呼び出したりできます。検索条件を保存しなかった場合でも、チームメンバーが行った検索はチーム検索履歴として自動的に残ります。そのため、経験のあるメンバーが使った条件を、次の調査の出発点にできます。
トレースとの連携とAIエージェントによる調査
「Mackerel APM」のトレースと関連付けると、トレースから関連するログへ、ログから対応するトレースへと相互にたどれます。メトリックで異常に気づき、トレースで処理の流れを追い、ログで詳細を確認するという一連の調査を、Mackerelの中で進められます。さらに、AIエージェントとMackerelのMCP(Model Context Protocol)サーバーを接続すれば、ログからの原因調査や分析をAIに任せることも可能です。
ベータ版ユーザーは設定変更なしで移行、今後はアラート連携も予定
ベータ版を利用中のユーザーは、設定を変更せずにそのまま正式版を利用できます。各種機能や料金体系の詳細は「Mackerelブログ」で案内されています。また、2026年11月25日には、ログ機能の正式リリースを記念したイベントも予定されています。
今後は、ログに特定の文言が含まれていた場合にアラートを発報するルールの設定や、アラート画面から関連するログを参照できる機能を順次展開していく予定です。Mackerelは、より複雑な問題やシステムの変化に対応するため、オブザーバビリティ領域の開発を推進するとしています。技術面ではOpenTelemetryを基盤として対応環境を拡充しながら、導入しやすくチームに浸透しやすい「Mackerelらしい」オブザーバビリティ体験の実現を目指すとしています。
Mackerelは、オンプレミスやマルチクラウドなどさまざまな環境に対応した、オブザーバビリティにチームで取り組むためのプラットフォームです。各種クラウドサービスと連携するインフラ監視機能に加えて、アプリケーションの状態を把握する統合的なオブザーバビリティ機能も備えています。
出典:株式会社はてな



