アドソル日進株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 篠﨑俊明)は、国立研究開発法人 防災科学技術研究所(防災科研)が実施する災害情報の配信実証支援業務を受注しました。防災科研が開発・運用する「SIP4D」や「SIP4D-Sens」などを使い、時間の経過とともに変わる地理空間データを、軽く、速く配信・可視化するための技術実証を行います。
この実証の目的は、災害発生直後から刻々と変わる情報を関係機関がすばやく共有し、状況の把握や意思決定に役立てられる災害情報配信基盤の実現に貢献することです。アドソル日進は、20年以上にわたって培ってきたGIS技術と豊富な実績を活かし、技術的な実現性と課題を明らかにすることを目指します。
災害時の地図共有で課題になる「データの重さ」
防災科研は、研究成果を社会実装につなげる情報流通基盤として、基盤的防災情報流通ネットワーク「SIP4D」、マルチセンシングデータ常時解析・可視化・共有システム「SIP4D-Sens」、災害動態意思決定支援システム「SIP4D-DDS」などを開発・運用しています。これらを使い、国・都道府県・指定公共機関など複数の災害対応機関から集めた情報を地図上にまとめて表示する「共通状況図」など、状況認識の統一や、災害対応における意思決定の迅速化などの研究が進められています。
災害時に地図を使って情報をすばやく共有するには、気象データや被害推定情報、各種センサーデータなど、更新され続ける大量の地理空間データを迅速に届ける必要があります。ただし、こうした時系列の地理空間データは更新頻度が高く、データ量も大きいのが特徴です。スピードを優先して加工しないままWeb上で配信すると、表示速度や操作性が落ちたり、通信回線や端末への負荷が増えたりする恐れがあります。
「ベクトルタイル化」で配信データの軽量化を探る
今回の実証では、SIP4D-Sensなどが生成・取得する時系列地理空間データを対象に、アドソル日進が約20年にわたり蓄積してきたGIS(地理情報システム)の知見と技術を投入します。「ベクトルタイル化」による配信データの軽量化などについて、技術的な実現性と課題を明らかにすることが狙いです。
ベクトルタイル化とは、数値化された地理データ(ベクターデータ)を、インターネットなどで配信しやすいように格子状の細かい領域(タイル)に分割・変換する技術です。従来の画像データ(ラスタータイル)と比べてデータ量が小さく、通信の高速化が可能とされています。実証で掲げられている主な目標は次のとおりです。
- 大容量の時系列地理空間データを効率的に取得・閲覧できること
- 複数形式のデータを時間軸に沿って可視化できること
- Windows、Android、iOS等の主要ブラウザで安定的に利用できること
- 変換時間、配信速度、応答性能、画質などを比較評価できること
- データ特性に応じた最適な配信方式を整理できること(など)
プロジェクトの概要
- 業務名:SIP4D-Sens等災害情報プロダクトのベクトルタイル配信技術実証支援業務
- 発注元:国立研究開発法人 防災科学技術研究所
- 期間:2026年7月24日~2026年12月25日
実証の舞台となる防災科研のシステム群
SIP4Dは、災害対応にあたるさまざまな機関が持つ情報を相互に共有することで、各機関の状況認識をそろえ、効率的な災害対応を実現するための情報流通基盤です。防災科研の研究基盤として、また内外の防災研究成果の流通基盤として運用・開発されています。SIP4D-Sensは、防災科研が試験運用している、衛星や地上センサーなど多様なデータを常時解析・可視化して共有する災害情報システムです。
SIP4D-DDSは、デジタルツインで災害時の状況を再現・解析し、意思決定を支えるシステムです。SIP4D上で共有される災害動態データをリアルタイムで解析する災害動態解析(Dynamic Disaster-data Synthesis)機能を備えています。
アドソル日進のGISソリューション
アドソル日進は約20年にわたり、GISを活用した各種ITシステムの構築、導入・活用コンサルティング、商圏分析ソリューション「DOCOYA(ドコヤ)」などの独自ソリューションの提供をワンストップで手がけています。GISシステムの開発から保守、運用支援までの一貫対応に加え、自社開発のGISソリューションやArcGIS、Mapboxなど各種GISプラットフォームの導入・活用支援も行っています。また、まちづくりやレジリエンスに不可欠なデジタルツインや都市OS、AI・IoTを融合させた次世代スマートシティ向けのサービスも提供しています。
出典:アドソル日進株式会社



