国土交通DPFの実証調査で生まれた再開発エリア向けAIアプリ
株式会社JDSC(本社:東京都文京区、代表取締役:加藤 エルテス 聡志/佐藤 飛鳥)は、「再開発エリア AI 定性評価・将来予測アプリ」の実証成果を公開しました。このアプリは、国土交通DPFのデータと再開発情報をもとに、AIが再開発エリアを定性評価し、将来を予測するものです。実証成果は、国土交通省の国土交通データプラットフォームのウェブサイトにある利活用アプリ一覧に掲載されています。JDSCは、国土交通省が進める「国土交通データプラットフォーム(国土交通DPF)の利活用促進に向けた実証調査(第2期)」に、タイプB(データ利用者)として2026年2月から参画しています。
この実証調査は、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期の課題「スマートインフラマネジメントシステムの構築」と連携しています。国土交通データプラットフォームを活用したエコシステムの社会実験を通じて、インフラ分野でのデータ利活用の高度化と、新たな価値の創出を目指しています。
散らばった再開発情報を、LLMとRAGで1本のレポートに
都市開発の分野では、再開発計画の情報が自治体や事業者ごとに別々に公開されています。そのため、各エリアが将来どのような影響を受けるのかを横断的に把握することが難しいのが現状です。行政・投資家・住民は将来価値を判断する共通の根拠を持てず、情報収集と分析に多くの時間を費やしています。
今回のアプリは、国土交通DPFの都市QOLデータや国土数値情報と、Web上に散らばる再開発計画情報を、大規模言語モデル(LLM)と検索拡張生成(RAG)で統合します。指定したエリアの「現在の住みやすさ」と、周辺の再開発がもたらす将来の変化について、AIが根拠を添えたレポートを自動で生成します。実証では、東京都の港区・品川区・大田区の3エリアを対象にレポートを自動生成しました。
実証の概要
- 事業名:国土交通データプラットフォームの利活用促進に向けた実証調査(第2期)タイプB(データ利用者)
- 実施者:株式会社JDSC
- 対象エリア:東京都港区高輪一丁目、東京都品川区大井一丁目、東京都大田区西蒲田四丁目
- 評価の観点:就労・広域アクセス・商業・医療・住環境・安全の6つのQOLカテゴリ
- 主な利用データ:都市QOLデータ(都市QOL都道府県、都市QOL都市圏)、国土数値情報(学校、医療機関、都市公園、集客施設、文化施設、鉄道、道路)、全国道路・街路交通情勢調査一般交通量調査(道路交通センサス)(平成27年度道路交通センサス、令和3年度道路交通センサス)
- 主な技術:LLM、RAG、MCP(Model Context Protocol)、Web検索・OCR
3つの主な機能
- 再開発情報の自動収集・整理:自治体の都市計画告示、デベロッパーのニュースリリース、不動産関連ニュースなどから再開発計画を集めます。事業名の表記ゆれを名寄せし、メッシュコードを付けて構造化します。影響範囲は、事業の種類や規模に応じて0〜7マスの4段階で設定します。
- 現在の住みやすさAI診断:都市QOLデータと国土数値情報をもとに、エリアの現状を6つの観点で評価します。「なぜその評価になったのか」も、AIが自然な日本語で説明します。
- 将来価値の統合評価レポート:進行中・計画中の再開発が、6つの観点でQOLにどう影響するかを分析します。現状評価と将来予測を統合し、懸念される課題や提言までを1本のレポートにまとめます。
行政・投資家・住民、それぞれの立場での活用を想定
このアプリが目指すのは、立場の異なる利用者が専門知識なしに、国土交通DPFのデータ資産を「暮らしに直結する情報」として活用できることです。想定されている活用例は次のとおりです。
- 行政職員:担当エリアだけでなく、周辺地域を含めた再開発の波及効果を把握する
- 投資家:再開発による資産価値の将来変化を評価する
- 住民:自宅周辺の再開発による利便性の向上や、潜在的なリスクを把握する
現在は3エリアを対象にサンプルレポートを作成し、国土交通DPF実証調査(第2期・タイプB)としてPoCを進めています。今後は、MLIT DATA PLATFORM MCP Serverとの連携も検討しています。自然言語での対話を通じて都市QOLデータを参照し、指定エリアの現況スコアとその根拠を取得できる仕組みへの拡張を想定しています。JDSCは、この実証を通じてAIとデータサイエンスの知見を生かし、インフラ分野のデータ利活用の高度化と、持続可能な社会インフラの実現に貢献していくとしています。
レポートの詳細は、国土交通データプラットフォームの利活用アプリページで公開されています。なお、アプリは実証段階のため、WebアプリやAPIとしての一般提供は行っていません。また、レポートは都市QOLデータ(大日本ダイヤコンサルタント株式会社作成、2020年度時点)とWeb公開情報に基づくAIによる定性評価であり、将来を保証するものではないとしています。
出典:株式会社JDSC



