東京証券取引所グロース市場に上場する株式会社イオレ(本社:東京都港区、代表取締役社長 兼 CEO:瀧野 諭吾)は、戦略的パートナーであるデジタルダイナミック株式会社が進める分散型AIデータセンター構築プロジェクトへの参画を発表しました。このプロジェクトでは、普通高圧2MW級のAIデータセンターを基本モデルとしています。2030年を目途に全国300拠点、総受電容量600MW規模のAI計算基盤を分散して配置する計画です。イオレは、全国に分散するAI計算基盤と連携します。これにより、地域や用途、顧客ニーズに合わせてAI計算資源を柔軟に提供できる体制を整え、AI計算力提供とネオクラウド事業化を一段と加速させるとしています。
GPUの「置き場所」がAIインフラ拡大のボトルネックに
生成AIの社会実装が進む中、高性能GPUを用いたAI計算資源への需要が拡大しています。こうした需要には、大規模言語モデルの学習に加えて、企業や生活者が日常的に利用するAIサービスの推論処理などが含まれます。
ただし、AIインフラの供給を増やすには、GPUサーバーを確保するだけでは足りません。高密度なGPUサーバーを安定して動かすには、十分な電力容量に加えて、冷却やネットワーク、運用体制などを一体で備えたデータセンター環境が必要です。そのため、GPUサーバーの調達と並行して、こうした環境をすばやく設置・稼働できるデータセンター容量を確保することが、重要な課題の一つになっています。
この課題に対応するため、デジタルダイナミックは2026年8月に本プロジェクトを始動しました。既存の用地や電力インフラなどを活用し、地域ごとに計算基盤を展開する計画です。GPUサーバーの「設置・稼働場所」の確保というボトルネックを緩和するとともに、地域・用途・顧客ごとに異なるAI計算需要へ機動的に対応できる供給基盤を目指しています。
地域共創型で進める普通高圧2MWモデル
プロジェクトでは、普通高圧2MW級のAIデータセンターを全国展開の基本モデルとしています。運営には、地域の有力企業、地域金融機関、地方自治体などと連携する「地域共創型」を採用しました。地域の事業者が事業主体となり、デジタルダイナミックが本部機能を担います。デジタルダイナミックは、事業計画の策定、データセンターの企画・建設、GPUサーバー等の調達、AIクラスタ構築、運用・保守、計算資源のサービス化までを一体的に支援します。詳細は、デジタルダイナミックが2026年8月18日に公表しています。
プロジェクトで実現を目指す内容として、次の項目が挙げられています。
- 東京・大阪など大都市圏に集中するAI計算基盤の地域分散
- 災害・通信障害等の有事に備えたAIインフラのレジリエンス向上
- AI推論時代に対応した、利用地域に近い計算環境の整備
- 地方における新たなデジタル産業・雇用・設備投資機会の創出
- 日本全国におけるAI社会実装の加速
GPU販売から「計算力のサービス化」へ イオレが描くネオクラウド
イオレはこれまで、デジタルダイナミックとの協業を通じて、GPUサーバーの調達・販売を起点にAIデータセンター事業を拡大してきました。販売の中心は「NVIDIA L40S」や「NVIDIA RTX PRO 6000 Blackwell Server Edition」などのGPUサーバーです。現在、両社はGPUサーバーの販売にとどまらず、ネオクラウド事業への展開を進めています。ネオクラウド事業とは、GPU・データセンター・電力・冷却・ネットワーク・運用基盤を組み合わせ、顧客が必要とするAI計算資源をサービスとして提供する事業です。
イオレは、デジタルダイナミックとの連携を拡大し、計算資源を利用目的や契約形態に応じて柔軟に提供するAI計算力提供事業を2026年秋から順次始めると発表していました。2026年9月には、AI開発・推論用途を対象としたAI計算力提供事業を本格的に始動しています。今回のプロジェクト参画については、ネオクラウド事業の実現を強力に推進する手段の一つと位置づけています。
全国各地へのAIデータセンターの分散配置が進むことで、イオレは個々のデータセンターを単独の設備として扱わない方針です。複数地域に配置されたGPU計算資源を束ね、顧客ニーズに応じて柔軟に提供する分散型の計算基盤として活用することを目指します。具体的には、以下の領域を一体的に展開する計画です。
- GPUサーバーの調達・販売
- AIデータセンターへのGPU配備
- AI計算力の販売・サービス化
- 複数拠点の計算資源を活用したネオクラウド化
これにより、GPUサーバーの販売収益に加え、AI計算力の提供による継続的な収益機会の拡大を図るとしています。
今後の展開
イオレは今後も、デジタルダイナミックをはじめとするパートナーとの協業を通じて、事業領域を広げていく方針です。対象は、GPUサーバーの調達・販売からAIデータセンター開発、AI計算力提供までです。全国に整備されるAIデータセンターやGPU計算資源との連携を強化し、地域やデータセンターごとに分散したAI計算資源を一体的に活用できる事業基盤の構築を進めることで、ネオクラウド事業の実現を目指します。さらに、これらの取り組みを通じて、日本のAI社会実装を支えるインフラ基盤の構築を推進するとしています。
イオレは2001年4月25日設立で、2026年9月30日時点で資本金は32億3,253万円、従業員数は81名です。事業内容は、GPUサーバー販売やAIデータセンター開発・開発支援・投資、ネオクラウド事業を含むAIインフラストラクチャー事業です。このほか、HR Tech、Ad Tech、次世代AIメディアなどのAIUI事業や、暗号資産の保有・運用・決済サービス等の金融基盤を提供するオンチェーン金融事業も展開しています。
出典:株式会社イオレ



