国立大学法人徳島大学は令和8年10月30日、徳島県美波町の実際の町並みを再現した3Dマップ上で、津波が浸水していく過程や水の流れを直感的に確認できるプログラムを新たに開発したと発表しました。国土交通省の都市空間情報デジタル基盤構築支援事業(PLATEAU補助制度)と、同大学で開発された高精度・高速の津波シミュレータを組み合わせた取り組みです。
PLATEAUのユースケースとして大学と町が共同開発
徳島大学と美波町は、平成25年7月1日付で連携協定を結んでいます。この協定に基づき、両者は美波町で進められている国土交通省の「都市空間情報デジタル基盤構築支援事業」(PLATEAU補助制度)のユースケース製作として、防災や観光に使えるアプリやプログラムの開発に共同で取り組んでいます。
今回のプログラムは、大学院社会産業理工学研究部の馬場俊孝教授が開発した高精度・高速津波シミュレータ「JAGURS」を用いて、同研究部の光原弘幸教授の研究室が開発しました。
2Dハザードマップでは伝えにくかった「津波の動き」を3Dで表現
安全に避難するためには、各地点に津波が到達する時間を正確に予測するだけでなく、流れの方向や強さといった津波の動きを把握することが極めて重要とされています。しかし、従来の2Dハザードマップでは、こうした情報を直感的かつ分かりやすく示すことが難しいという課題がありました。
新しいプログラムでは、美波町地域の実際の構造物を再現した3Dマップ上で解析を行います。これにより、次の2つのメリットを実現したとしています。
- 津波到達予測の精度向上:構造物が津波の流れに与える影響を解析に取り込むことで、より実態に近い津波到達時間や挙動を予測できるようになった
- 水流の可視化:津波の流れの方向や強さを、微細なドットや流線として3Dマップに重ねて表示し、津波の動きを直感的に把握できるようにした
3Dマップデータがない地域にも展開へ
徳島県内の広い地域での体制構築を目指す
美波町では、PLATEAU補助制度による3Dマップデータを使い、構造物の影響を加味した高精度な津波シミュレーションの可視化を実現しています。一方で、このプログラム自体は、そうした3Dマップデータがなくても、津波の動きを視認性の高い形で可視化できるといいます。徳島大学は今後、関心のある自治体との協業を進め、徳島県内の広い地域で津波予測と可視化を行える体制の構築を目指すとしています。
J-PEAKSの支援を受けて研究・開発を継続予定
美波町との取り組みについては、今年度から、徳島大学が令和6年度に採択された「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」の支援を受けて、さらに研究・開発を進める予定です。
また、これまで美波町の小学校で実施してきたタブレットを用いた避難訓練などとも連携し、防災や観光を通じた美波町の地域づくりを加速していくとしています。
出典:国立大学法人徳島大学



