参画の背景と目指すもの
AI技術が社会に深く浸透する現代において、既存の枠にとらわれない発想と高い技術力を持つ若手人材の育成は、日本のソフトウェア産業全体にとって非常に重要です。このプロジェクトは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「未踏事業」の理念を福岡の地で実現しようとするものです。
ブレインパッドは、創業以来培ってきたデータ/AI活用の専門知識を、次世代のクリエイターの挑戦に活かしたいという強い想いから、今回のゴールドスポンサーとしての参画を決定しました。
この参画を通じて、ブレインパッドは以下の目標を掲げています。
- 先端技術領域からの課題提案: マルチモーダルVLM(画像や動画とテキストなど、複数の種類の情報を組み合わせて理解できるAIモデル)や衛星画像・地理空間データといった最先端の技術領域から、2つのSolve課題を提案します。
- プロトタイプ開発への伴走: 採択されたクリエイターに対して、アイデアを「動くプロトタイプ」として形にするまで、メンタリングや技術・サービス設計の面から深く伴走し、支援します。
- 継続的な貢献: このプロジェクトを一過性の支援ではなく、才能ある人材の発掘とクリエイター育成への継続的な貢献の第一歩と位置づけます。
提示された2つの革新的な開発課題
1. マルチモーダルVLMと1人称視点で、人の体験をAIネイティブに変えるサービス
この課題は、スマートフォンやウェアラブルカメラなどから得られる、まるで自分が体験しているかのような1人称視点の映像・音声・位置情報・センサー情報を、マルチモーダルVLM(複数の情報を同時に理解できるAI)で解析し、人の体験をより便利に、楽しく、豊かにするサービスの開発を目指します。旅行、学習、スポーツ、料理など、様々なテーマで「これがあったら世界が面白くなる」と思えるAIネイティブなサービス(最初からAIの活用を前提に設計されたサービス)のプロトタイプ開発に挑みます。
何がすごいのか・今までと何が違うのか
従来のAIがテキストや画像といった単一のデータ形式を扱うことが多かったのに対し、マルチモーダルVLMは、映像、音声、テキスト、位置情報といった複数の情報を同時に理解し、それらを組み合わせてより深い洞察を得ることができます。これにより、まるでAIが人の視点や感覚を共有しているかのような、よりパーソナルで没入感のある体験を提供できる可能性を秘めています。例えば、旅行中に撮影した映像から、AIが自動的に見どころを抽出し、その場所の歴史や文化を音声で解説してくれるといった未来が考えられます。
この課題の詳細は、以下のページで確認できます。
マルチモーダルVLMと1人称視点で、人の体験をAIネイティブに変えるサービス
2. 衛星画像と地理空間データを活用した、自分だけの地図を提案するサービス
この課題では、「眺めのいい海岸沿いの道路」や「森の中にポツンと建つ一軒家」といった自然な言葉での問いかけから、AIが衛星画像や地理空間データ(土地の利用状況、人口分布、交通インフラなど、場所に関するあらゆる情報)を解析し、その人だけの目的に合った場所を提案する地図サービスの開発を目指します。国土地理院やJAXA、Copernicus/Sentinelなどが公開するオープンデータと、LLM(大規模言語モデル)やマルチモーダルエンベディング(異なる種類のデータを意味的に比較できる共通のベクトルに変換する技術)などのAI技術を組み合わせ、提案の根拠まで説明できるインタラクティブな地図体験のプロトタイプ開発に挑戦します。
何がすごいのか・今までと何が違うのか
これまでの地図サービスは、特定のキーワードや住所で場所を検索するのが一般的でした。しかし、このサービスが実現すれば、私たちは曖昧なイメージや感情的な言葉で場所を探索できるようになります。AIが膨大な地理空間データを解析し、まるでパーソナルなコンシェルジュのように、私たちの潜在的なニーズに合った場所を提案してくれるのです。例えば、「静かで景色の良い場所でキャンプがしたい」といった要望に対し、AIが最適な場所を複数提示し、それぞれの場所の環境やアクセス情報を詳細に教えてくれる、といった未来が期待されます。
この課題の詳細は、以下のページで確認できます。
衛星画像と地理空間データを活用した、自分だけの地図を提案するサービス
プロジェクトの概要

ブレインパッド エグゼクティブフェロー 山崎 清仁氏のコメント

ブレインパッドのエグゼクティブフェローである山崎 清仁氏は、「AIが社会のあらゆる場面に広がる今、本当に難しく、まだ誰も答えを持っていない領域にこそ、若い才能が挑む価値があります。今回ブレインパッドが提案したマルチモーダルVLMと衛星画像・地理空間データの活用は、まさにその最前線です。応募される皆さんには、技術の使い方を覚えるのではなく、技術で何を実現したいかを自由に描いてほしいです。ブレインパッドは、20年以上データとAIに向き合ってきた知見を活かして、その挑戦に伴走します。福岡から、世界を面白くする才能が生まれることを、心から楽しみにしています。」と述べています。
参考情報
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AKATSUKIプロジェクト: 経済産業省が2023年度から実施する「地方の若手人材発掘育成支援事業費補助金」の通称で、未踏事業の理念を地方に展開し、各地域の若手人材の発掘・育成プログラムを支援する事業です。
公式サイト: https://mitouteki.jp/ -
Solve課題: 「福岡未踏的人材発掘・育成プロジェクト」の協賛企業が実際の現場で抱えている「まだAIでも解けていない課題」を指します。
詳細: https://note.com/wildriver/n/n7d3952fc1e44 -
未踏事業: 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する、突出したIT人材の発掘・育成を目的とした事業です。
公式サイト: https://www.ipa.go.jp/jinzai/mitou/index.html
ブレインパッドは、データとAIの活用を通じて企業の経営改善を支援するプロフェッショナルサービス、プロダクトサービスを提供しており、2004年の創業以来、幅広い業種で1,400社を超える支援実績があります。今回のプロジェクトへの参画は、未来を担うクリエイターの育成と、日本のソフトウェア産業の発展に大きく貢献する一歩となるでしょう。
株式会社ブレインパッドについて: https://www.brainpad.co.jp/



