再生医療の未来を拓く新拠点「羽田PDC」稼働開始!創薬シーズ実用化を加速するCDMO機能とは?
2026年8月3日、再生医療関連事業を手掛けるセルリソーシズ株式会社が、新たな開発・製造拠点「羽田Process Development Center(羽田PDC)」を稼働開始しました。この新施設は、再生医療分野における画期的な創薬シーズ(新しい薬の元となる、研究段階の有望な候補物質や技術)が、実際に患者さんの元へ届くまでの道のりを強力に支援することを目指しています。
再生医療の実用化を阻む壁と、羽田PDCの役割
再生医療は、損傷した組織や臓器を細胞や組織を用いて修復・再生する、未来の医療として大きな期待が寄せられています。しかし、アカデミア(大学などの研究機関)やベンチャー企業から生まれる有望な研究成果が、実際に製品として実用化されるまでには、いくつもの高い壁が存在します。
具体的には、細胞の製造方法や品質評価方法の確立、さらには国が定める厳しい規制(薬事対応)への対応など、専門的な知識と経験が不可欠です。これらの課題を研究開発の早い段階から解決していくことが、再生医療の普及には欠かせません。
羽田PDCは、まさにこの課題を解決するために設立されました。医薬品の開発から製造までを専門に請け負う「CDMO(Contract Development and Manufacturing Organization)」として、創薬シーズの発見から商用化までの全プロセスを支援する体制を強化します。
アルフレッサグループが推進する、細胞原材料の提供から医療機関への配送までを一貫して行う「再生医療トータルサプライチェーンサービス(TSCS)」の一環として、羽田PDCは開発・製造の中核を担い、再生医療の産業化に貢献していきます。
羽田PDCが提供する包括的な支援機能
羽田PDCは、再生医療製品の開発・製造に必要な多岐にわたるサービスを提供します。その主な支援機能は以下の通りです。
-
プロセス開発:自動化技術も活用し、細胞の分離、培養、回収といった製造工程の開発や確立を支援します。製品の品質を保ちながら、効率的かつ安定的に製造するための方法を確立します。また、輸配送条件も考慮した最適なプロセスを設計することで、製品が安全に届けられるよう配慮します。
-
品質検査:細胞加工物(人または動物の細胞に培養などの加工を施したもの)や再生医療等製品の品質を評価するための検査方法を構築し、製品の規格設定や品質を維持するための安定性評価までを支援します。
-
治験薬製造:医薬品等の製造管理および品質管理の基準である「GMP(Good Manufacturing Practice)」に準拠した環境で、臨床試験(治験)に必要な薬を製造します。
-
薬事承認に向けた支援:研究段階から、開発計画の策定、医薬品医療機器総合機構(PMDA)への相談、薬事戦略の立案まで、薬事承認を得るためのプロセスを一貫して支援します。
これらの支援を通じて、アカデミアやベンチャー企業が持つ有望な技術が、安全かつ効率的に製品化されるよう、包括的にサポートします。
羽田空港に隣接する立地の優位性と施設の詳細
羽田PDCは、羽田空港に隣接する大規模複合施設「羽田イノベーションシティ」内に位置しています。この立地は、国内外の細胞原材料の受け入れから製品の輸配送までの時間を大幅に短縮できるという大きなメリットをもたらします。これにより、グローバル市場への展開を目指す顧客への開発支援にも対応可能となります。
施設の概要は以下の通りです。

-
名称: 羽田 Process Development Center
-
場所: 東京都大田区羽田空港1丁目1-4 羽田イノベーションシティゾーン K4階、5階
-
稼働日: 2026年8月3日
-
建物概要: プロセス開発エリア、検査・保管等エリア、オフィスを備え、合計面積は1,018㎡。プロセス開発から品質検査、治験薬製造までを一貫して行える施設構成です。
-
特徴:
-
多様な製造工程の自動化を実現するため、細胞の分離、培養、回収など、工程ごとに様々な自動化装置を導入しています。
-
製造条件の最適化や技術開発を含むプロセス開発サービスを提供し、治験薬製造も受託します。
-
羽田空港に近い立地を活かし、国内外の細胞原材料の入荷から製品の輸配送に要する時間の短縮を図ります。
-
細胞加工物や再生医療等製品などの品質評価に必要な各種検査に加え、品質検査の受託にも対応します。
-
施設内部の様子
羽田PDCの内部は、最先端の研究開発と製造を支える清潔で機能的な空間が広がっています。




今後の展望
羽田PDCは本日稼働を開始しましたが、今後、PQ(Performance Qualification:設備が実際の製造条件下で承認された性能を発揮することを確認する適格性評価)およびPV(Process Validation:製造プロセスが一貫して品質基準を満たすことを、科学的・文書的に検証する活動)を進め、2026年度内のCDMOサービス提供開始を目指しています。これにより、研究段階にある再生医療のシーズが、より早く、より確実に実用化される未来が期待されます。
セルリソーシズ株式会社は、羽田PDCを通じて創薬シーズの実用化と社会実装を促進し、再生医療の産業化に大きく貢献していくことでしょう。
詳細については、以下の資料もご参照ください。



