「空飛ぶクルマ」実現へ、法政大学・日本航空学園・MASCが三者連携協定を締結 – 未来を担う人材育成と共同研究を開始

連携が拓く、実践的な人材育成モデル

この連携の最大のポイントは、研究、教育、そして実証の3つの要素を組み合わせた、実践的な人材育成モデルの構築を目指す点です。

法政大学はアーバンエアモビリティ(都市航空交通)の研究を、日本航空学園は長年の航空教育で培ったノウハウを、そしてMASCは空飛ぶクルマの社会実装に向けた実証を進めています。これらの強みが結集することで、机上の学びだけでなく、実際に「空飛ぶクルマ」に触れ、その技術を深く理解できる機会が生まれます。

実際に、MASCが所有する「空飛ぶクルマ」の実機が日本航空学園山梨キャンパスに移設され、学生たちが最新の技術に触れられる環境が整備されました。将来的には、この取り組みが地域における次世代モビリティ産業の担い手を育成し、日本の航空宇宙産業や、空を新たな経済圏とする「低空域経済圏」の発展に貢献すると期待されています。

この取り組みには、日本航空大学校トータルモビリティー工学科、公益財団法人日本航空教育協会、HIEN Aero Technologies株式会社、株式会社SkyDrive、テトラ・アビエーション株式会社といった団体・企業も協力・協賛しています。

三者連携協定調印式の様子

「空飛ぶクルマ」とは何か?

連携協定の中心にある「次世代空中モビリティ(AAM:Advanced Air Mobility)」とは、一般に「空飛ぶクルマ」として知られる新しい交通手段のことです。「アーバンエアモビリティ(UAM)」とも呼ばれ、都市部での移動手段としての活用が期待されています。

これらに使われるのは「電動垂直離着陸機(eVTOL:electric Vertical Take-Off and Landing)」という、ヘリコプターのように垂直に離着陸でき、電動で動く航空機です。世界中で開発が進められており、自動操縦や、必要な時に呼んで利用できる「オンデマンド運航」、そして環境への負荷が少ない「低環境負荷」といった特徴を持っています。

これらの技術が組み合わさることで、人々の移動手段や物流が大きく変わり、新たな経済活動が生まれる「低空経済圏」が形成されると見られています。

MASCが所有するeVTOL(空飛ぶクルマ)実機

連携を支える各機関の専門性

  • 法政大学大学院アーバンエアモビリティ研究所: 2018年設立のこの研究所は、アーバンエアモビリティを核とした次世代航空輸送の研究・開発を専門としています。産学官連携を通じて、空飛ぶクルマの社会実装に向けた研究とともに、次世代航空分野を担う人材育成にも力を入れています。

  • 学校法人日本航空学園: 1932年からの長い歴史を持つ学校法人で、航空従事者の養成を柱に、専門学校、高等学校、中学校を運営しています。航空教育における豊富な実績が、未来のパイロットや整備士を育てる上で重要な役割を果たします。

  • 一般社団法人MASC: 2017年設立のMASCは、岡山県倉敷市水島地区を拠点に、航空・宇宙分野の先端技術を活用した産業集積を目指す団体です。空飛ぶクルマやドローンなど、次世代モビリティの社会実装を瀬戸内から全国へと広げる活動を推進しています。

未来への期待

今回の三者連携協定は、単なる研究協力に留まらず、空飛ぶクルマが日常の一部となる未来を見据えた、包括的な人材育成と産業発展の基盤を築くものです。このような取り組みが加速することで、日本の空のモビリティは大きく進化し、私たちの生活や社会に新たな価値をもたらすことが期待されます。

法政大学大学院アーバンエアモビリティ研究所の活動については、以下のリンクから詳細を確認できます。