立命館大学、未来を担う高度理系人材育成へ 文部科学省の成長分野転換基金に採択

生命科学部の新展開で社会課題解決に貢献

立命館大学は本事業を通じて、生命科学部を中心に教育・研究体制を一層強化し、環境・エネルギー、バイオテクノロジー、医療・健康などの成長分野において、社会課題の解決を担う高度理系人材の育成を推進します。

採択にあたり、大学が掲げたテーマは「人の健康と持続可能な世界・社会の構築、“Well-being”(肉体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する概念)を実現する、新たな化学・生命科学教育への転換」です。気候変動やエネルギー問題、食料問題、超高齢社会への対応など、世界規模で深刻化する社会課題に対し、生命科学部の教育・研究を強化し、総合的な知識を備えた高度理系人材の育成を目指します。

2028年度からの教育・研究体制強化計画

具体的な計画として、2028年度より、生命科学部の応用化学科、生命情報学科、生命医科学科の入学定員を合計65人増員する構想です。さらに、応用化学科を「先端・応用化学科(仮称)」へ、生物工学科を「応用生命科学科(仮称)」へ発展的に改編し、教育・研究領域を強化します。

強化される主な領域は以下の通りです。

  • GX(グリーントランスフォーメーション): 化石燃料中心の産業構造や社会システムをクリーンエネルギー中心へと転換し、経済社会システム全体を変革する取り組み。

  • カーボンニュートラル: 温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させ、実質的な排出量をゼロにすること。

  • 食料・環境問題

  • AI×バイオ: 人工知能(AI)を生物学や生命科学の研究・応用に応用する分野。

  • 次世代医療: ゲノム医療、再生医療、精密医療など、従来の医療では困難だった病気の治療や予防を目指す新しい医療技術。

これらの計画は現在構想中であり、内容は予定であり、今後変更となる場合があります。

生命科学部のこれまでの実績と未来への展望

立命館大学生命科学部は、2008年の開設以来「人類の幸福や自然と調和した持続可能で豊かな社会の実現への貢献」を理念として、化学・生命科学分野における教育・研究を推進してきました。応用化学科、生物工学科、生命情報学科、生命医科学科の4学科を擁し、生命科学と情報科学の融合を基盤に、創薬・医療科学、バイオものづくり、環境・エネルギー分野など幅広い領域で人材育成と研究を展開しています。

特に生命情報学科では、生命科学と情報科学を融合した教育・研究を推進し、AI創薬(AIを活用して新しい薬の候補物質を見つけたり、開発期間を短縮したりする技術)、ゲノム科学(生物の遺伝情報全体を解析し、生命現象や病気の原因を解明する学問)、デジタルツイン(物理空間にあるモノや現象を、そっくりそのままサイバー空間に再現し、シミュレーションや分析を行う技術)など、バイオDX分野(生命科学の知見とデジタル技術を融合させ、研究開発や産業応用を加速させるデジタルトランスフォーメーション)を先導しています。また、生命医科学科では、医療技術評価(HTA)(新しい医療技術や医薬品が、その費用に見合う効果や価値があるかを多角的に評価する手法)や臨床疫学(臨床現場での疾患の発生状況や原因、治療効果などを統計学的に分析し、より良い医療の実践に役立てる学問)など、先進的な研究に取り組んでいます。

さらに、滋賀県を舞台に自治体や企業との産学連携を推進するとともに、インド工科大学ハイデラバード校との教育・研究連携など、生命科学分野における国際共同研究や学生交流を通じ、グローバルに活躍する理系人材の育成も積極的に推進しています。

仲谷善雄 立命館大学学長は、「本事業を契機に、生命科学分野を中心とした理系教育・研究をさらに強化し、『社会共生価値を創出する次世代研究大学』として、持続可能な社会とWell-beingの実現に貢献してまいります」とコメントしています。

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