革新的な小型SAR衛星「QPS-SAR」とは
QPS研究所が開発した「QPS-SAR」衛星は、従来の大型SAR衛星の常識を覆す革新的な技術を搭載しています。
SAR(合成開口レーダー)とは、電波を使って地表の画像を生成するレーダー技術です。この技術の最大の特長は、雲や噴煙を透過して観測できる点と、昼夜を問わず地球を観測できる点にあります。これにより、悪天候時や夜間でも地上の様子を詳細に把握することが可能です。
QPS研究所は、収納性が高く軽量でありながら、大型の展開式アンテナ(特許取得)を開発しました。このアンテナから強力な電波を発することで、高精細な画像取得を実現しています。その結果、「QPS-SAR」は、従来のSAR衛星と比較して、およそ20分の1の質量、100分の1のコストで開発され、民間SAR衛星としては世界トップレベルの46cmという高い分解能(画像をどれだけ細かく識別できるかの指標)での画像取得を可能にしています。
未来を拓く衛星コンステレーション計画
QPS研究所は、この小型SAR衛星を多数打ち上げることで、地球観測の準リアルタイム化を目指しています。
2028年5月末までに24機、そして2030年にはさらに多くの機数を投入し、衛星コンステレーション(複数の人工衛星が連携して地球全体を高頻度で観測するシステム)を構築する計画です。これにより、平均10分間隔という高頻度での観測データ提供サービスが実現する見込みです。
このシステムが稼働すれば、災害発生時の状況把握、インフラ監視、農業支援、安全保障など、多岐にわたる分野でリアルタイムに近い情報が活用できるようになり、私たちの社会に大きな変革をもたらすことが期待されます。

「スサノオ-Ⅱ」打ち上げの詳細
QPS-SAR18号機「スサノオ-Ⅱ」は、米国Rocket Lab社のElectronロケットによって打ち上げられます。この打ち上げは、QPS研究所の専用ミッションとして実施される予定です。
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打上げロケット: ロケット・ラボ社 Electron
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打上げウィンドウ: 2026年8月後半以降
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投入予定軌道: 中傾斜軌道、高度575km
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打上げ射場: ニュージーランド・マヒア半島 Rocket Lab Launch Complex 1
Electronロケットのミッションネームは毎回設定されており、今回は「スサノオ-Ⅱ」の愛称にちなんで「The Lightning God Defends(嵐を統べる神が防衛する)」と名付けられました。ミッションパッチには、スサノオを象徴する力強い稲妻が描かれ、夜空に輝く8つの星は、これまでにElectronによって打ち上げられたQPS-SAR衛星の数を示しています。

ミッションの詳細については、Rocket Lab社のウェブサイトで確認できます。
The Lightning God Defends ミッション詳細
Rocket Lab社は2006年に設立され、これまでに200機以上の衛星を軌道に投入している実績を持つロケット開発会社です。
衛星の愛称「スサノオ-Ⅱ」に込められた意味
QPS-SARプロジェクトでは、日本神話の神様の名前を衛星の愛称として採用しています。18号機は、9号機「スサノオ-Ⅰ」と同じ軌道面に投入されることから、「スサノオ-Ⅱ(スサノオ・ツー)」と名付けられました。
スサノオは、強い正義感を持ち、勇敢さと知恵を併せ持つ神様として知られています。ミッションマークには、スサノオを象徴する「雷・稲妻」がモチーフとして用いられており、英知を駆使して雲の先の地上を見守るという思いが込められています。

ミッションマークは、QPS研究所のカンパニーカラーであるブルーを基調とし、雷と観測対象となる港や街が描かれています。また、衛星の底部には通算の衛星数が、マークの中には同じ軌道面の先行機が示されています。
QPS研究所について
QPS研究所は2005年に福岡で創業された宇宙開発企業です。「Q-shu Pioneers of Space」の頭文字を取った社名には、九州から日本の、そして世界の宇宙産業の発展に貢献するという思いが込められています。
九州大学での小型人工衛星開発技術を基盤とし、宇宙開発のパイオニアである名誉教授陣と若手技術者・実業家が協力して技術開発を進めています。また、北部九州を中心に全国25社以上のパートナー企業が、その事業を力強く支えています。
宇宙技術を伝承し育成するQPS研究所の取り組みは、日本の宇宙産業の未来を担う重要な役割を果たしています。

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まとめ
QPS研究所の小型SAR衛星「スサノオ-Ⅱ」の打ち上げは、地球観測技術の新たな地平を切り開くものです。小型・軽量・低コストで高精細な観測を可能にする「QPS-SAR」の技術と、それを多数展開するコンステレーション計画は、災害対策から経済活動まで、私たちの生活に深く貢献する未来を築くでしょう。2026年8月後半以降の打ち上げに、大きな期待が寄せられています。



