脱炭素の次なる一手「熱エネルギー」に注目!世界最大級の新エネルギー総合展「スマートエネルギー WEEK【秋】」開催

産業の脱炭素を加速!「熱エネルギー」に特化した新展示会が初登場

2026年9月9日(水)から11日(金)までの3日間、幕張メッセにて世界最大級の新エネルギー総合展「第26回 スマートエネルギー WEEK【秋】」が開催されます。本展示会は、2050年のカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させ、実質的な排出量をゼロにすること)実現に向け、日本のエネルギー政策が大きく転換する中で、企業が直面する脱炭素化の課題に対し、具体的な解決策を提示する場となるでしょう。

なぜ今、「熱エネルギー」が重要なのか?

今回の展示会の最大の目玉は、初開催となる「[国際] 熱エネルギー展」です。これまで、脱炭素化の議論は「電力」に焦点が当てられることが多かったですが、実は産業分野のエネルギー消費の約6割を「熱」が占めています。

産業分野の最終エネルギー消費の内訳を示すグラフ。熱エネルギーが60%を占める。

真のカーボンニュートラルを実現するためには、この「熱エネルギー」の脱炭素化が不可欠です。本展示会では、熱を「作る・管理する・活用する」ための最新技術が集結。電気から熱への転換を促すヒートポンプ(少ない電力で効率的に熱を移動させる装置)技術や、燃焼時にCO2を排出しない次世代の水素ボイラーなどが展示され、各産業のニーズに合わせた最適な熱ソリューションを実機やデモで体験できる見込みです。

未来を拓く、先進的なエネルギー技術

「スマートエネルギー WEEK【秋】」は、年3回開催される中でも、特に先進的で未来志向の技術が多く出展される点が特徴です。今回は、以下のような革新的な技術が注目を集めています。

究極のクリーンエネルギー「核融合」

世界中で開発競争が激化している「核融合」は、太陽のエネルギー源と同じ原理で、地球上で実現できれば、ほぼ無限でクリーンなエネルギー源となる可能性があります(現在は研究段階)。本展示会では、核融合を支える構成要素や部品、そして日本発のエンジニアリング企業による最先端技術が紹介されます。

例えば、京都フュージョニアリング株式会社は、核融合炉内でプラズマを加熱する「ジャイロトロンシステム」や、発生した熱を利用する「フュージョン熱サイクルシステム」といった、核融合プラントを支える技術を紹介します。

核融合研究に使用されるとみられる複雑な配管とケーブルを備えた大型装置

日本の海を活かす「浮体式洋上風力発電」

四方を海に囲まれた日本において、再生可能エネルギーとして大きな期待が寄せられているのが「浮体式洋上風力発電」です。これは、海底に基礎を固定せず、浮体構造物の上に風車を設置する方式で、水深の深い海域でも設置が可能です。

Japan Wind Farm Construction株式会社は、1,300t吊の大型クレーンを備え、最大水深60mまで対応可能な自己昇降式作業台船(SEP:Self-Elevating Platform。脚を海底に着床させ、船体を持ち上げて安定した状態で作業を行う特殊な船)を運用し、15MW級超の大型風車建設に対応する技術を紹介します。日本の洋上風力市場の本格拡大をインフラと施工面から力強く支える取り組みが披露されるでしょう。

建設中の洋上風力発電所を描いたイラスト。クレーンを搭載したプラットフォームの隣に巨大な風力タービンがそびえ立つ。

CO2を回収・有効活用する「CCUS」

「CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)」は、二酸化炭素(CO2)を排出源から回収し、有効活用したり貯留したりする技術です。本展示会では、ノーベル化学賞技術を応用した新型CO2回収装置(MOF-PSA)が初公開されます。これは、CO2に対する選択性が高いMOF(金属有機構造体)を吸着剤として搭載した圧力変動吸着法(PSA)による装置で、排ガス中の水分除去工程を簡略化できるため、設備の省スペース化・省エネ化が期待されます。回収されたCO2は、化学品原料やドライアイス、炭酸ガスとしての利用が想定されており、神戸製鋼所、長瀬産業、ナガセテクノエンジニアリングが共同で出展します。

KOBELCOのロゴが入ったコンテナ型の産業設備。内部には2つの大きな金属製タンクと配管が設置されている。

さらに、AIの普及で急増するデータセンターの電力・排熱課題を解決する最新ソリューションなども展示される予定です。

国際会議との連携と政府要人の参加

会期中には、世界各国の閣僚やリーダーが集う「水素閣僚会議」が開催され、本展示会と強力に連携します。特別企画である「水素・アンモニア国際官民シンポジウム」はセミナー形式で一般公開され、国際的な水素社会の実装に向けた動きを直接聞く貴重な機会となるでしょう。

「Hydrogen Energy Ministerial Meeting H₂EM 2026 水素閣僚会議 2026」のロゴマーク

また、初日の開幕を飾るテープカットには、経済産業省の幹部をはじめとする政府関係者や業界トップ約40名が登壇予定です。これは、激動の社会情勢の中、国を挙げたエネルギー戦略の現在地を象徴する華やかな幕開けとなり、エネルギー業界全体の注目を集めることでしょう。

多くの参加者が見守る中、関係者がテープカットを行い、イベントの幕開けを祝う様子

開催概要

「第26回 スマートエネルギー WEEK【秋】」は、各分野の最新製品や最先端技術が一堂に集まり、情報収集から比較検討、具体的な商談までを一気通貫で行える場です。特別講演をはじめとした多数のセミナーも同時開催され(受講無料・事前申込制)、エネルギー業界の最新動向や課題解決に向けた取り組みについて解説が行われます。

2026年秋に開催される「SMART ENERGY WEEK」と「サステナブル経営 WEEK」の会場案内図と展示カテゴリーアイコン

エネルギーと環境に関する10種類のソリューションや技術アイコンが並ぶ

  • 展示会名: 第26回 スマートエネルギー WEEK【秋】

    • 第9回 サステナブル経営WEEK【秋】

    • 第1回 [国際]熱エネルギー展【秋】

  • 会期: 2026年9月9日(水)~11日(金) 10:00~17:00

  • 会場: 幕張メッセ

  • 主催: RX Japan合同会社

  • 出展社数: 550社(予定)

  • 来場者数: 45,000名(見込み)

  • 入場: 無料(事前の来場登録が必要)

  • 公式Web: https://www.wsew.jp/autumn/ja-jp.html

本展示会は、エネルギー政策の転換や企業の脱炭素化の重要性が高まる中、エネルギー供給・需要の現場で何が課題となり、どのような解決策が求められているのかを可視化できる貴重な機会となるでしょう。電力・ガス事業者から自治体、メーカーの実務責任者まで幅広い来場者が集い、エネルギーを取り巻く実務課題の変化や最新ソリューションへの関心を肌で感じられる3日間となるはずです。