「文化を越えた信頼の設計」から生まれたiipuda
Kiip Corporationの代表である朴建洙氏は、ワシントン大学でHuman Centered Design & Engineering(HCDE)を専攻しました。HCDEとは、ユーザーのニーズや行動を深く理解し、それに基づいて製品やシステムを設計する「人間中心設計と工学」の学問分野です。彼はこの学びを通じて、「文化や言語の違いを超えて、ユーザーに信頼を提供できるサービスとは何か」という問いに向き合ってきました。
朴代表は、医療ツーリズムにおいて最も重要なのは価格ではなく、信頼と安全性であると強調します。iipudaは、厳格な審査を通過した医療機関のみを提携先とし、テクノロジーの力で優れた医療機関と外国人患者の間の距離を縮めることに注力しています。この問題意識こそが、iipuda誕生の原点となりました。
UX・医療・テクノロジーの専門家が集結
iipudaの大きな強みは、その創業メンバーにあります。朴建洙代表がグローバルなUX(User Experience:ユーザーが製品やサービスを通じて得られる体験全般)と事業全体を統括。共同創業者で薬剤師出身の李昭政氏が医療分野の専門知識を、そして清華大学でオートメーション工学を専攻し、LG電子で研究員を務めた金叡燦CTOが技術開発全般を担っています。
医療ツーリズムが人々の健康に直結する分野だからこそ、サービスの設計段階からヘルスケア専門家の視点は不可欠でした。さらに、世界トップレベルの工科大学で学んだCTOの技術力が加わることで、医療、UX、テクノロジーという3つの要素がバランスよく融合したプラットフォームが実現したと語られています。
Kiip Corporationは、提携医療機関の数を増やすことよりも、信頼性と安全性を重視したキュレーション(情報を収集・整理し、特定のテーマや基準に基づいて価値のあるものを選び出すこと)とAIを活用したマッチングシステムを、iipudaの中核的な競争力と位置づけています。創業初年度には、多くの医療ツーリズム事業者が患者獲得に苦戦する中で、iipudaは1億ウォンを超える取引額を達成しました。

AIと「ミシュランガイドのようなキュレーション」で最適な医療を
iipudaの中核をなすのは、AIベースの医療機関・患者マッチングシステムです。これは単に医療機関の一覧を表示するだけでなく、患者の言語、症状、予算、希望条件を総合的に分析し、一人ひとりに最適な医療機関を提案するものです。医療ツーリズムにおける最大の課題である情報の非対称性を、テクノロジーによって解決しようという実用的な取り組みです。
さらに、iipudaは厳選した医療機関のみを掲載する、いわば「ミシュランガイドのようなキュレーション」を採用しています。提携医療機関の数を増やすことよりも、医師の経歴や医療設備の水準、外国人患者への対応実績などを厳格に審査し、その基準を満たした医療機関のみがiipudaに掲載される仕組みとなっています。

この戦略は既に海外患者の獲得につながっており、iipudaは現在、北米市場で利用者を増やしています。今後は日本・台湾市場を中心にマーケティングを本格展開する予定です。
朴代表は、日本と台湾は韓国医療やK-Beautyへの関心が高く、地理的なアクセスにも優れていることから、非常に重要な市場と位置づけていると述べています。iipudaは、慣れない異国の地で医療機関選びに不安を抱える外国人患者が、安心してスムーズに韓国の医療サービスを受けられるよう支える「医療ツーリズムのインフラ」となることを目指しています。
医療ツーリズム業界が価格競争から、信頼と体験価値を重視する時代へと移り変わる中、iipudaが目指す方向性は、未来の医療ツーリズムのあり方を示すものとなるでしょう。
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