岡山大学が「第10回大学トップマネジメント研修エクステンション」を開催:研究大学への変革と未来を語る

大学経営の未来を議論する「第10回大学トップマネジメント研修エクステンション」

2026年8月13日、国立大学法人岡山大学において、TUMの会主催の「第10回大学トップマネジメント研修エクステンション~各大学の事例から学ぶ~」が開催されました。この研修は、大学経営の質の向上を目指す研修修了生らによる組織であるTUMの会(大学トップマネジメント研修エクステンション)が主催し、内閣府関係者や全国の大学理事、副学長ら約20人が来学。岡山大学からは那須保友学長をはじめとする約40人が参加し、大学の未来に向けた活発な議論が交わされました。

第10回大学トップマネジメント研修エクステンション

研究大学への変革を掲げた基調講演と医療改革の現状

研修初日は、岡山大学鹿田キャンパスのJunko Fukutake Hall(J-Hall)を会場に、内閣府の上山隆大本府参与、TUMの会会長の大竹尚登理事長(東京科学大学)、幹事の尾上孝雄理事(大阪大学)らが集いました。

那須保友学長は「研究大学に向けた大学法人経営改革」と題した基調講演を行い、研究力強化やイノベーション創出に向けた岡山大学の取り組みを紹介しました。具体的には、教員中心ではない大学法人経営の実現を目指し、事務職員や技術職員の高度な専門職への登用・育成、そして高等先鋭研究院システムの設置や「国立大学法人岡山大学研究大学宣言」によるイノベーション創出強化などが語られました。

研究大学に向けた大学法人経営改革の講演

続いて、前田嘉信理事(医療担当)・岡山大学病院長が「岡山大学病院の経営改革」について講演。その後の意見交換では、文部科学省が推進する「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」による研究基盤の構築状況や、高度な研究機器を共同で利用できる「コアファシリティ」の活用体制、病院改革の具体的な実情など、深いテーマにまで踏み込んだ議論が行われました。

意見交換の後は、岡山大学病院の総合周産期母子医療センター(NICU:新生児集中治療室)やIVRセンター(Interventional Radiology:画像診断装置を用いた低侵襲治療)を視察。IVR-CT室では、放射線科医師から画像ガイド下で行う凍結療法についての説明を受け、先進的な医療技術への理解を深める機会となりました。

医療技術開発人材育成に関するセミナーと施設見学

イノベーション創出と地域貢献への取り組み

研修2日目は、津島キャンパスの共創イノベーションラボ(KIBINOVE:きびのべ)が会場となりました。阿部匡伸理事(DX・GX担当)・上席副学長からは「木材・林業・木造建築に関する教育・研究拠点構想」についての講演が行われ、岡山県が日本一の木造CLTパネル(直交集成板:木材を繊維方向が直交するように何層にも接着した厚いパネル)製造量を誇る地域であることを踏まえ、木質建築や森林保全活用の教育研究拠点としての役割が説明されました。

また、研究・イノベーション共創機構の畑中耕治主任URA(University Research Administrator:研究者が研究に専念できるよう、研究資金の獲得支援や研究プロジェクトの管理などを行う専門職)からは、「Heリサイクルから研究拠点形成まで〜戦略物資と人的ネットワークでめざす研究力・産業力の向上〜」と題した講演があり、経済安全保障にも関わるヘリウムリサイクルの取り組みや、異分野の研究者らが連携して拠点形成を目指す取り組みが紹介され、参加者間の意見交換が行われました。

会議やセミナーに参加する人々の様子

大学トップマネジメント人材育成の座談会

研修の最後には、内閣府大学支援フォーラムPEAKS事務局主催による「大学トップマネジメント人材育成研修座談会」がオンラインで開催されました。この座談会には、東北大学の青木孝文理事・副学長、東京科学大学の大竹理事長、岡山大学の那須学長がパネリストとして参加し、群馬大学の花屋実理事・副学長がファシリテーションを担当しました。

大学運営やマネジメント人材に求められる資質、トップマネジメント人材育成研修の意義と活用法、そして日本の大学全体で考えるべき課題などについて、活発な議論が展開されました。

パネルディスカッションの様子

地域と地球の未来を共創する岡山大学の挑戦

岡山大学は、今後も「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」を積極的に活用し、技術職員の高度化や研究機器の共用化(コアファシリティ)を推進していくと述べています。これにより、新たな研究やイノベーションを創出し、社会変革を実現する研究大学として、地域と地球の未来を共創する役割を担っていくでしょう。

開かれた地域中核・特色ある研究大学として、岡山大学の今後の絶え間ない挑戦とその変革に注目が集まります。

岡山大学のJ-PEAKS事業概要図

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