呼吸器外科医の技術を革新!肺動脈の脆弱性を再現した新世代の模擬臓器『Feel Organ 肺動脈モデル』が登場

呼吸器外科手術のトレーニングを革新する新製品

精密部品製造を主軸とする株式会社アピールが、福岡大学筑紫病院 副院長 呼吸器・乳腺外科教授の早稲田龍一氏、および地方独立行政法人青森県産業技術センターとの共同開発により、画期的な模擬臓器「Feel Organ 肺動脈モデル(WKA-Fe1)」を発売しました。

血管の分岐を模した医療トレーニング用のモデル

この新製品は、肺切除術において極めて重要な「肺動脈操作」の習得に特化しています。肺動脈の繊細な構造や、血管を覆う「血管鞘(けっかんしょう)」と呼ばれる膜の構造を再現しているだけでなく、もし血管を損傷してしまった場合には、実際に近い「疑似的な出血」まで再現できるという、実践的なトレーニングを可能にする新コンセプトの模擬臓器です。開胸手術だけでなく、体への負担が少ない「胸腔鏡手術(きょうくうきょうしゅじゅつ)」や「ロボット支援手術」といった様々な手術アプローチに対応し、若手外科医や研修医の技術向上を強力にサポートします。

開発の背景:なぜ今、新しい模擬臓器が必要なのか

近年、患者さんの体への負担が少ない「低侵襲手術(ていしんしゅうしゅじゅつ)」が急速に普及しています。これにより、手術の安全性や品質をさらに高めることが求められるようになりました。そのため、実際の患者さんへの手術を行う前に、模擬的な環境で手技や技能を習得する「off-the-jobトレーニング」の重要性が増しています。

現在では、献体(解剖実習などに提供された遺体)を用いた「Cadaver Surgical Training(CST)」やデジタルシミュレーションなど、より実践に近い教育手法が発展しています。しかし、これらは実施場所や高額なコスト、人的負担、そして倫理面など、様々な制約があるため、誰もが繰り返し活用できる環境とは言えませんでした。また、従来の人工的な模擬臓器は「いかに本物に近づけるか」という再現性が主な開発目標でしたが、組織の特性を完全に再現することは非常に困難でした。

そこで、開発チームは手術教育の原点である「模擬臓器」に改めて着目。「何を学ぶべきか」という教育的な視点を重視し、熟練の外科医が特に重要視する感覚や、手術におけるリスクを意図的に強調した設計を実現しました。これにより、人工物だからこそできる、手技習得に最適なトレーニング環境が提供されます。さらに、繰り返し使用できる人工モデルであるため、指導者・修練者双方の時間的・人的負担やコスト、倫理的な課題にも配慮し、持続可能な外科手術教育の実現に貢献することを目指しています。

「Feel Organ 肺動脈モデル」の8つの特徴

本製品は、肺動脈操作の習得に特化した以下の8つの特徴を備えています。

  1. 右肺動脈を模した形態:本幹と、角度や太さが異なる分枝(枝分かれした部分)を忠実に再現しています。
  2. 血管と血管鞘の2層構造を再現:血管を包む血管鞘の剥離操作(はくりそうさ、組織をはがす手技)のトレーニングが可能です。
  3. 肺動脈の脆弱性を再現:血管を損傷すると疑似的な出血が再現されるため、実践的なトラブルシューティングのトレーニングが可能です。
  4. 人工モデルのため衛生的:ほぼ無臭で衛生的に繰り返し使用できます。
  5. 主要な肺動脈操作に対応:剥離、確保、ステープラー操作(医療用ホチキス)、結紮(けっさつ、糸で縛る)、中枢遮断(ちゅうすうしゃだん、根元を一時的に止める)、吻合(ふんごう、血管同士をつなぐ)など、幅広い手技のトレーニングが可能です。
  6. 通電性でモノポーラ・バイポーラが使用可能:電気メスなどで使用される「モノポーラ」や「バイポーラ」といった電極も使用できるため、よりリアルな手術環境を再現できます(出力の調整が必要)。
  7. 多様な手術アプローチに対応:開胸手術、胸腔鏡手術、ロボット支援手術のいずれのトレーニングにも活用できます。
  8. 専用台座もオプションで用意:モデルを自由な角度に調整できる専用台座も提供されます。

医療従事者が青い手袋とマスクを着用し、医療用トレーニングモデルに赤い液体を注入している様子

医療トレーニング用の血管モデル。赤い動脈のような構造が黄色い組織の上に配置され、一部には縫合の跡が見られる。

※本製品は医療従事者向けのトレーニング・教育用モデルであり、医療機器には該当しません。
※特許第6685042号・特許第7812520号を取得済みです。

開発者のコメント

白衣を着用し、眼鏡をかけた日本人男性のポートレート

福岡大学筑紫病院の早稲田龍一教授は、この製品について「これまでにない画期的かつ非常に有用な手術シミュレーターに出来たと思っています。様々なレベルの呼吸器外科医の手術修練にお役立て頂けると幸いです。」とコメントしています。

製品概要

製品名 肺動脈モデル(WKA-Fe1)
シリーズ名 Feel Organ Series (Feature-enhanced artificial organ)
用途 肺動脈操作の手技習得を目的とした医療従事者向けトレーニングファントム
対応術式 開胸・胸腔鏡・ロボット支援手術
販売開始時期 2025年1月より販売
価格 お問い合わせください
特許 特許第6685042号・特許第7812520号
製品URL https://feelorgan.appeal-net.co.jp/
Instagram https://www.instagram.com/feelorgan_official/
Youtube https://www.youtube.com/@APL営業グループ-x3h

会社情報

社名 株式会社アピール
代表者 代表取締役 今井 隆太
所在地 〒036-0162 青森県平川市館山上亀岡26
TEL 0172-44-3458
FAX 0172-44-8297
Email sales@apns.jp
URL https://www.appeal-net.co.jp
事業内容 1975年5月設立。電気機械器具および各種精密機械器具の製造・販売を主軸に、省力化装置・特殊加工装置の設計・製造・販売も手がける。近年は3Dプリンタ販売・造形サービスおよび医療従事者向けトレーニングファントムの開発・販売にも事業領域を拡大。品質マネジメントシステムISO9001認証取得。 ※登録活動範囲:電子機器搭載コネクタ、カメラユニットの製造