距離と身体の壁を越える!テクノロジーが拓く新しいスポーツの形「2026 バイオジェンカップ リモートスポーツ大会」

テクノロジーでスポーツの新たな扉を開く「2026 バイオジェンカップ リモートスポーツ大会」

身体的な制約や地理的な距離によってスポーツへの参加が困難だった人々が、テクノロジーの力でその壁を乗り越え、共にスポーツを楽しむ「2026 バイオジェンカップ リモートスポーツ大会」が開催されています。この大会は、遠隔操作型分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」や、オンラインで操作するボッチャマシンを活用し、自宅や病室などからでも競技に参加できる新しい形のスポーツイベントです。

熱戦が繰り広げられたOriHimeサッカー決勝大会

2026年7月18日、Jリーグ・清水エスパルスのホームスタジアムである「IAIスタジアム日本平」にて、本大会の種目の一つであるOriHimeサッカーの決勝大会が開催されました。この大会では、OriHimeを乗せたモーター付きカート「OriHime Cart(オリヒメカート)」を遠隔地から操作し、フィールド上のサッカーボールを動かして得点を競います。

SS静岡とリモート参加の選手たちがOriHimeサッカーを通じて交流している様子(1)

予選を勝ち抜いた4チームが岩手県、神奈川県、広島県など全国各地からリモートで参加し、IAIスタジアム日本平に設置されたOriHime Cartを操作しました。決勝戦では「TNY Titans(ティニータイタンズ)」が見事優勝を飾りました。

試合後には、エスパルスサッカースクールジュニアユースチーム静岡(SS静岡)の選手たちとリモート選手たちによる交流試合も行われ、リアルとリモートの選手がOriHimeサッカーを通じて熱い交流を見せました。

OriHimeサッカー

SS静岡の選手たちからは「視点がいつもより低いところで難しかったけれど、楽しかった!」「ワールドカップよりも熱い試合ができた」といった感想が聞かれました。また、リモート参加の選手たちも「いつもより広いコートでゴールが小さく見えたが、点を決められて嬉しかった」「屋外の風をロボット越しでも感じて操作性の違いがあったが、楽しかった」と、普段とは異なる環境でのプレーを満喫した様子でした。

決勝大会に出場したリモート参加の選手たち

保護者や支援学校の先生からも、「大会という形があると意欲が違う」「笑顔でプレーする姿が見られ、悔し涙を流すほど良い経験になった」との声が寄せられ、この大会が参加者にとってかけがえのない経験となっていることが伺えます。

7月18日(土)に開催された決勝大会のようす(3)

10月にはオンラインボッチャ決勝大会も開催予定

本大会のもう一つの種目であるオンラインボッチャ競技の決勝大会は、2026年10月10日(土)と10月11日(日)に、株式会社CAC Holdingsが所有する「CACボッチャコート」にて開催される予定です。このコートは国際大会と同様の仕様で作られており、高品質な環境で競技が行われます。

株式会社CAC Holdingsの本社1階にある、CACボッチャコート。壁面には天井カメラと連携し、ゲームの盤面を映し出す大型モニターも備える(2)

誰もが参加できるスポーツの実現

この大会で採用されている競技は、遠隔操作技術を駆使することで、身体の動かしにくさや移動の困難さを抱える人々でも、自宅などから競技に参加できるという画期的なものです。

OriHimeサッカー

「OriHime」は、株式会社オリィ研究所が開発した遠隔操作型分身ロボットです。高さ約23cmの本体にカメラ、マイク、スピーカーが搭載されており、インターネットを通じてPCやタブレットから遠隔操作が可能です。OriHimeサッカーでは、このOriHimeをモーターで動く「OriHime Cart」に乗せ、体当たりでサッカーボールを押し進め、相手ゴールに入れることで勝敗を決めます。

OriHime

OriHimeサッカー

オンラインボッチャ

「オンラインボッチャ」は、ボッチャ競技(パラリンピックの正式種目)を遠隔で楽しむためのシステムです。競技会場に設置されたボッチャマシン(従来のボッチャで使われるランプという滑り台のような道具に遠隔操縦装置が付いたもの)を、インターネット経由で操作します。出場者は、マシンや会場に設置された俯瞰カメラの映像をオンラインで確認しながら、手元のパソコンやタブレットからワンクリックでボールのスピードや角度を調整し、投球します。これにより、重度身体障害のある子供でも自宅から競技に参加することが可能になります。

左はオンラインボッチャで使用するマシン。出場者たちは遠隔でマシンを操作し大会に挑む(1)

テクノロジーがもたらす未来のスポーツ体験

この大会は、バイオジェン・ジャパン株式会社、株式会社オリィ研究所、一般社団法人オンラインボッチャ協会、株式会社CAC Holdings、株式会社エスパルスの協力のもと運営されています。

バイオジェン・ジャパンは、難病に対する治療薬の製薬を通じて「不可能を可能にする」ことを目指しており、このリモートスポーツ大会もその一環として、難病と共に生きる人々が「やりたいことに挑戦する」ことの重要性を強調しています。病気と向き合う力を育む上で、スポーツへの挑戦が大きな励みになると考えているようです。

株式会社オリィ研究所の所長である吉藤オリィ氏のコメントからは、「みんなで一緒にできるスポーツ」への強い思いが伝わってきます。10年前に亡くなった親友の「寝たきりの人はスポーツができない」という言葉が、OriHimeを使ったスポーツ開発の原点となっているとのこと。今回のスタジアムでの大会は、まさにその長年の夢が実を結んだ形であり、参加者にとって一生の思い出となることが期待されます。

清水エスパルスのホームスタジアムで、リモートスポーツという新たな挑戦の舞台が提供されたことは、Jリーグクラブが地域社会、そして未来のスポーツのあり方に貢献する素晴らしい事例と言えるでしょう。この取り組みは、単なるスポーツイベントに留まらず、テクノロジーが人々の生活を豊かにし、社会参加の機会を広げる可能性を示しています。

今後、このようなリモートスポーツがさらに進化し、誰もが自分らしく挑戦できる、より活気に満ちた社会の実現に貢献していくことでしょう。誰もがスポーツを通じて仲間とつながり、感動を分かち合える未来が、もうすぐそこに来ているのかもしれません。

詳細情報は、以下のリンクから確認できます。