信頼される二大リソースの統合で何が変わるのか
これまで、ガスクロマトグラフィー質量分析(GC-MS分析:混合物から個々の成分を分離し、それぞれの成分の質量スペクトルを測定することで、どんな物質が含まれているかを特定する手法)を行う多くの研究室では、「Wiley Registry(WR)」と「NIST EI Mass Spectral Library(NIST EI)」という二つのデータベースが、分析ワークフローを支える基盤として利用されてきました。
今回のWR/NIST 2026のリリースにより、これらの信頼性の高いリソースが一つに統合され、この分野で最も包括的なデータベースの一つとして提供されます。これにより、研究者は未知の化合物をより正確に、そして迅速に特定できるようになります。
飛躍的に拡充されたデータ量
2026年版では、両ライブラリーに数万件の化合物データが新たに追加され、コレクションが大幅に拡充されました。その結果、物質の同定に用いられる化学物質固有の「シグネチャー(特徴)」である電子イオン化(EI)マススペクトル(物質に電子をぶつけてイオン化し、そのイオンの質量を測ることで得られる、物質固有の「指紋」のようなデータ)の収録数は、合計で120万件以上となりました。
この膨大なデータ量と統合されたリソースは、医薬品開発、環境汚染物質の検出、そして犯罪捜査における法科学分野など、化学物質の特定が不可欠なあらゆる分野において、研究開発の効率化と信頼性向上に大きく貢献することが期待されます。Wileyのスペクトルデータベース・ソリューションは、世界各国の主要なラボで既に広く信頼されており、研究者が重要な局面で確信を持って意思決定することを支援するというWileyのミッションを体現しています。
WileyのSenior Vice President兼Chief AI & Data Analytics OfficerであるArmughan Rafat氏は、今回のリリースについて、「科学者が質量分析計でサンプルを測定する際、その結果の質を左右するのは、分析の基盤となるリファレンスデータの質です。Wiley RegistryとNIST Libraryをひとつのリソースに統合することで、未知化合物をより迅速かつ確信を持って同定するために必要な、データの網羅性と品質、そして検証済みデータによる信頼性を提供します」と述べています。
WR/NIST 2026は、主要な分析装置メーカーで広く使用されている各種フォーマットに対応しており、実際のGC-MSワークフローにおける信頼性の高い分析を支援します。
スペクトルデータベースとは
スペクトルデータベースとは、赤外分光法(IR)、質量分析(MS)、核磁気共鳴(NMR)、ラマン分光法などの分析手法によって得られた、物質固有の「分子フィンガープリント(指紋)」が収録されたデータベースです。実測スペクトルを検証済みのリファレンスデータと比較することで、研究者は幅広い用途において未知化合物を正確に同定することができます。
詳細情報
WR/NIST 2026の詳細については、以下のリンクから確認できます。
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