未来を支える先進材料「CMC」とは?
「CMC(Ceramic Matrix Composites:セラミックス基複合材料)」は、陶器のように硬くて熱に強い「セラミックス」を、金属のように粘り強く、壊れにくくするために「繊維」で強化した新しい種類の材料です。従来のセラミックスの弱点であった「脆さ」を克服し、金属よりも軽量でありながら、非常に高い耐熱性と強度を兼ね備えている点が「すごい」ポイントです。
特に、炭素とケイ素からなる非常に熱に強い「炭化ケイ素(SiC)繊維」を強化材として用いた「SiC/SiC複合材料」は、その優れた特性から大きな注目を集めています。これは、次世代の航空機エンジンにおいて、より効率的な燃焼を可能にし、結果としてCO2排出量を削減する「将来どう役立つのか」という具体的な貢献が期待されています。
航空機エンジン実用化に向けた共同評価
この共同研究では、クレハが開発を進めるSiC繊維を用いて、航空機エンジンなどの高温構造部材への適用を見据えたSiC/SiC複合材料の評価を行います。具体的には、材料がどれくらいの力に耐えられるか(力学特性)や、高温で酸化する環境下でどれだけ長く性能を維持できるか(耐久性)といった実用性を評価し、クレハがこの材料を事業化するための技術基盤を強化します。
さらに、この共同研究から得られる知見は、高温に耐える高性能な材料が求められる多様な市場、例えば発電用ガスタービンや自動車部品といった分野への展開可能性を探る上でも活用される予定です。
世界をリードする研究拠点と独自技術
東京工科大学CMCセンターは、2017年に設立された、CMCに関する研究開発を行う世界有数の拠点です。航空、宇宙、発電、自動車など幅広い産業分野でのCMC適用を見据え、材料の製造技術、評価技術、信頼性評価に関する深い知見を有しています。国内外の多くの企業や機関との共同研究を進めており、2024年からは航空機エンジン世界大手である米国プラット・アンド・ホイットニー(P&W)との共同研究も実施しています。

一方、株式会社クレハは、新規事業としてSiC繊維の開発を推進しており、独自の製造プロセスによって高品質でありながら価格競争力のある製品の両立を目指しています。
この共同研究は、まだ研究段階ですが、高性能な航空機エンジンやエネルギー効率の高い発電システムの実現に向けて、重要な一歩となるでしょう。軽くて丈夫、そして熱に強い新素材が、私たちの暮らしや地球環境に貢献する未来を想像させます。
東京工科大学CMCセンターに関する詳細情報は、以下のURLからご覧いただけます。



