月面開発の鍵を握る「レゴリス」活用技術の最前線
近年、再び月への関心が高まり、将来的な月面での長期滞在や基地建設に向けた具体的な動きが進んでいます。しかし、地球から全ての資材を運ぶのは非常にコストがかかります。そこで注目されているのが、月面に豊富に存在する「レゴリス」(月の砂やチリ)を現地で加工・利用する「ISRU(In Situ Resource Utilization:現地資源利用)」技術です。
2026年9月29日、株式会社AndTechは、このレゴリスを活用した月面基地上での材料開発に焦点を当てたオンラインセミナーを開催します。このセミナーでは、レゴリスの第一人者である3名の講師が登壇し、レゴリスの特性から、実際に建材や蓄熱材として利用するための画期的な技術まで、最新の研究動向を解説します。

月の砂の「顔」を知る:レゴリス粉体の特徴と水資源調査
セミナーの第1部では、大阪大学の山中千博氏が、レゴリス粉体そのものの特徴と分析技術について解説します。月の砂は地球の砂とは異なり、その独特な性質を理解することが、あらゆる利用技術の出発点となります。また、地球上で月の砂を模擬する「レゴリスシミュラント」の研究や、月面での水資源調査の重要性についても詳しく紹介される予定です。
月面基地の壁になるか?「レゴリス樹脂ブロック」
第2部では、株式会社レゾナックの清水陽平氏が、「月面レゴリス樹脂ブロック」という画期的な材料について講演します。これは、レゴリスに少量の熱硬化性樹脂(加熱すると硬化し、再加熱しても溶けない特殊なプラスチック)を混ぜて成形した多孔質のブロックです。
このレゴリス樹脂ブロックは、元のレゴリスに比べて熱伝導率(熱の伝わりやすさ)が約100倍も向上することが分かっています。この特性により、月面の厳しい夜間(2週間以上続き、温度が-170℃以下になることもあります)を乗り切るための蓄熱材として非常に有用です。さらに、月面居住施設の構造材としても活用できる強度と耐久性を持つことが研究で示されており、地球からの資材輸送を大幅に削減できる可能性を秘めています。これらの技術は現在研究開発段階にあり、将来の月面活動に大きく貢献することが期待されています。
レーザーで月面に「もの」を作る:3Dプリンター技術
そして第3部では、公益財団法人レーザー技術総合研究所の藤田雅之氏が、レーザー加熱3Dプリンターを用いた月面建設材料の作製について解説します。月面での建設には、地球とは異なる低重力・真空といった特殊な環境が大きな課題となります。藤田氏の研究では、レゴリスの模擬材を使ってレーザー加熱3Dプリンターで立体物を作製し、建設材料としての評価や製造技術の検証が進められています。
産業用3Dプリンターを使った造形物の実証や、真空環境での積層実験、さらには数値シミュレーションによる月面製造プロセスの検討を通じて、地上で培われた先端レーザー加工技術が月面でも利用できる可能性を追求しています。この技術が実用化されれば、月面で必要なものをその場で「プリント」できるようになり、月面インフラ構築のスピードと自由度が飛躍的に向上するでしょう。
セミナー概要
このセミナーは、月面開発の最前線を担う研究者たちの知見に触れる貴重な機会です。月面での材料開発、ISRU技術、そして3Dプリンターによる月面建設に興味がある方は、ぜひご参加ください。
テーマ:レゴリス(月の砂)を用いた月面基地上での材料開発とその課題・宇宙での評価
開催日時:2026年9月29日(火) 13:00-16:35
形式:WEB配信(Zoom)
参加費:60,500円(税込)
詳細およびお申し込みは、以下のAndTechウェブサイトをご確認ください。
株式会社AndTechについて
AndTechは、化学、素材、エレクトロニクス、自動車、エネルギー、医療機器、食品包装、建材など、幅広い分野のR&D(研究開発)を支援する情報提供サービスを展開しています。技術講習会・セミナーをはじめ、講師派遣、出版、コンサルタント派遣など、多岐にわたるサービスを通じて、クライアントの新規事業領域・市場進出をサポートしています。

より詳しい情報はAndTechのウェブサイトをご覧ください。
AndTech 公式サイト



