軸流モーター市場、2032年には約25倍に急拡大予測
市場調査会社QYResearchの調査によると、世界における軸流モーター市場は、今後目覚ましい成長を遂げる見込みです。
2025年の世界市場売上高は6億6,900万米ドルでしたが、2032年にはなんと172億9,500万米ドルにまで成長すると予測されています。これは、わずか7年間で市場規模が約25倍になる計算であり、2026年から2032年までの年平均成長率(CAGR)は54.61%という驚異的な数値です。
この成長は、電動化技術の進化と、高効率・小型化へのニーズの高まりが背景にあると考えられます。ただし、技術開発の速度や量産化の進展、市場の需要変化といった不確実性も考慮に入れる必要があります。

中国市場が世界の成長を牽引
地域別の市場動向を見ると、特に中国市場が軸流モーター産業の成長を力強く牽引していることがわかります。
2025年における中国市場規模は1億4,400万米ドルで、世界市場全体の約21%を占めています。今後、中国では電気自動車(EV)産業、新エネルギー商用車、ロボット産業への大規模な投資が拡大し、2032年には77億8,400万米ドルにまで成長し、世界シェアの約45%を占めるまでに上昇すると予測されています。中国では、電動化政策、高性能モーター技術開発、サプライチェーン強化が軸流モーター普及の主要要因となっています。また、政府の政策として高品質発展や新質生産力の育成、デジタル化・グリーン低炭素化の推進が掲げられており、高効率な駆動技術である軸流モーターへの需要がさらに高まることが期待されます。
競争激化と技術革新を続ける主要メーカー
世界の軸流モーター市場では、技術開発力と量産能力を持つ企業間の競争が激化しています。主要メーカーとして、YASA、PanGu Power、Omni Powertrain Technologies、Naxatra Labs、Phi-Power、Turntide Technologies、Magnax、EMRAX、Evolito、EFLOW、Xiaoxiang Electric(Tung Moo Technology)、Wolong Electric Drive、Beyond Motors、Yikun Power(Jiangsu Leili)、WEBER-HYDRAULIK(Miba)、Yingci New Energyなどが挙げられます。
現在、世界の上位5社の軸流モーター関連企業が、世界市場全体の約85%のシェアを占めています。特にYASAをはじめとする先進企業は、より高い回転力(高トルク密度化)、軽量化、そして熱を効率的に逃がす冷却性能の向上を中心に技術開発を進めています。一方、中国企業も電気自動車(EV)向けの軸流モーターの量産化やコスト削減技術に注力しており、グローバル市場での競争力を高めています。
用途に応じた多様な製品タイプ
軸流モーターは、その構造や用途に応じて様々なタイプに分類されます。
構造タイプでは、主に以下の2種類があります。
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Dual Rotor Single Stator(双ローター・単ステーター型): 2つの回転する部分(ローター)が、1つの固定された部分(ステーター)を挟む構造です。高い回転力を生み出しやすいため、電気自動車(EV)の駆動用途で特に注目されています。
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Single Rotor Dual Stator(単ローター・双ステーター型): 1つの回転する部分(ローター)が、2つの固定された部分(ステーター)に挟まれる構造です。設計の自由度が高く、熱を効率よく逃がす(熱管理)点で優位性を持つことがあります。
電圧別では、低電圧、中電圧、高電圧の軸流モーターに分類され、用途に応じた電圧設計が進んでいます。特に高出力の電気自動車(EV)や商用車向けには、高電圧システムの需要拡大が期待されています。
冷却方式では、空冷、液冷、油冷といった種類があり、高い性能が求められる用途では、効率的に熱を放散できる液冷や油冷方式の採用が増加しています。
未来を動かす軸流モーターの応用分野
軸流モーターの主な応用分野は、多岐にわたります。
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新エネルギー商用車・乗用車: 電気自動車(EV)分野では、軸流モーターの高い出力密度と小型設計が、車両の軽量化や航続距離の延長に貢献します。これは、より遠くまで走れる、環境に優しい車へと進化させる鍵となります。
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低空飛行モビリティ: ドローンや空飛ぶ車といった低空飛行モビリティでは、軽量かつ高効率な駆動システムが不可欠です。軸流モーターは、これらの次世代モビリティの実現に向けた重要な技術として期待されています。
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具身型・産業用ロボット: 人間のように物理的な体を持つ具身型ロボットや、工場で活躍する産業用ロボットでは、限られたスペースで大きな回転力(トルク)を発生させられる軸流モーターが、次世代のアクチュエーター(動きを生み出す部品)技術として注目を集めています。
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その他産業分野: 上記以外にも、様々な産業分野での応用が広がると見込まれています。
今後の展望と課題
軸流モーター市場の今後の成長には、量産技術の確立、製造コストの低減、熱管理技術のさらなる向上、そして新しい材料の開発が主要な課題となります。これらの課題を克服することで、軸流モーターはより多くの製品に搭載され、普及が加速するでしょう。
電気自動車(EV)の普及、スマートモビリティの発展、ロボット産業の成長といった大きな流れを背景に、軸流モーターは次世代の電動化社会を支える重要な技術として、今後も市場を拡大し続けると考えられます。この技術の進化が、私たちの未来にどのような影響をもたらすのか、その動向から目が離せません。
本記事は、QYResearchが発行したレポート「軸流モーター―グローバル市場シェアとランキング、全体の売上と需要予測、2026~2032」に基づいています。
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https://www.qyresearch.co.jp/reports/1831479/axial-flux-motor
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