AI時代のキャリアと防衛戦略を議論!「東大メシ」に各業界のトップランナーが集結

当日の様子:AI時代の二つの重要テーマ

当日は、株式会社2WINS代表の小川椋徹氏がモデレーターを務め、「新時代の採用」と「情報のディフェンス」という二つのテーマでパネルディスカッションが行われました。

東大メシの対談風景

トーク①:新時代の採用

AI(人工知能)の急速な発展がキャリア形成や組織づくりにどのような変化をもたらすかについて議論が交わされました。登壇者からは、キャリアを事前に綿密に計画するよりも、目の前の課題に全力で取り組み、「コンフォートゾーン」(慣れ親しんだ安心できる領域)の外に出続けることが、結果として満足度の高いキャリアにつながるという見解が示されました。

また、AIエージェント(AIが自律的にタスクを実行するソフトウェアやシステム)の普及により、特定の専門領域に特化した人材だけでなく、ビジネスプロセス全体を統合的に理解できる人材の価値が高まっているとの意見も出ました。学生のうちに身につけるべきこととしては、多くの友人関係を築き「一次情報」(独自の調査や体験によって直接得られた情報)に触れる機会を増やすことや、失敗や挫折を経験することの重要性が強調されました。

議論する登壇者たち

登壇ゲスト:キャリアと成長を語るプロフェッショナル

  • 野村 逸紀氏(nCino株式会社 代表取締役社長)
    nCino株式会社 代表取締役社長 野村逸紀氏
    慶應義塾大学卒業後、富士通でキャリアをスタート。EMC・Dell EMCで外資系IT企業の営業・マネジメントを経験し、2020年にnCino日本法人を立ち上げました。3年連続3倍成長を達成し、2025年には全国14行への導入と250名規模のJapan Summit開催を実現。nCinoは、世界2,700以上の金融機関に導入されるクラウド型銀行業務統合プラットフォームを提供するNASDAQ上場企業で、融資・口座開設・顧客管理を一つの基盤で実現し、金融機関の収益拡大・業務効率化・リスク低減を支援しています。

  • 卜部 鉄平氏(Superteam Japan 共同代表&CTO)
    Superteam Japan 共同代表&CTO 卜部鉄平氏
    カカクコム、IBM、シグマクシスで新規事業開発を中心としたプロジェクトマネージャーとして活躍。2023年にはSolanaを基盤としたブロックチェーンゲームをリリースし、現在はSuperteam Japanの共同代表&CTOとして、日本企業による「トークン化プロジェクト」(現実世界の資産や権利などをブロックチェーン上のデジタル資産として表現すること)やWeb3(ブロックチェーン技術を基盤とした次世代のインターネット)領域での新規事業創出を支援し、日本におけるSolanaエコシステム(ブロックチェーンプラットフォーム「Solana」上で構築される様々なプロジェクトや技術の総称)の発展を推進しています。

  • 池野 広一氏(株式会社ビズリーチ コンサルティング事業部 事業部長)
    株式会社ビズリーチ コンサルティング事業部 事業部長 池野広一氏
    2010年に株式会社ビズリーチに入社。法人営業部門の立ち上げ後、若手人材採用サービスの立ち上げに参画し事業を牽引しました。その後、新規事業室で大手企業向けマッチングサービス立ち上げに従事。2019年にはヘッドハンター向け事業部長に就任し、売上100億円から150億円への増加を実現。現在はコンサルティング事業の事業責任者を務めています。

トーク②:情報のディフェンス

防衛分野におけるAI活用のあり方について議論が展開されました。安全に関わる意思決定には人間の関与が不可欠である一方、その意思決定の速度が「完全自律型AI」(人間の介入なしに、自ら判断し行動できる人工知能)に劣るリスクが指摘されました。このバランスをどう取るかが、各国共通の「倫理的課題」(道徳や規範に関わる問題)となっているとの見解が示されました。

倫理を重視する姿勢と、速度や優位性を重視する姿勢とでは、国や企業ごとにAI活用の方針に差が生じているといった対比も紹介されました。AIを悪用した犯罪の広がりが想定される中で、AIの自律性を損なわない範囲で現実世界への介入を抑制する仕組みづくりが、今後のAI活用における重要な論点であるとの意見で締めくくられました。

パネルディスカッションの様子

登壇ゲスト:防衛とテクノロジーの専門家

  • 宇梶 慧氏(サーブ・テクノロジーズ・ジャパン株式会社 代表取締役社長)
    サーブ・テクノロジーズ・ジャパン株式会社 代表取締役社長 宇梶慧氏
    慶應義塾大学法学部卒業後、住商エアロシステムで航空・防衛分野のキャリアをスタート。デロイト トーマツ コンサルティングで防衛省向けの戦略立案・調達改革支援を担当し、BAE Systemsで日本の防衛産業における戦略的パートナーシップ構築・事業開発を推進しました。2022年にはドローンスタートアップのLiberaware株式会社で執行役員兼GMに就任し、2年連続150%成長と東証上場を実現。2024年にSaabに入社し、2025年より日本法人の代表取締役社長に就任。Saabはスウェーデン発の防衛・エアロスペース大手で、世界60以上の国で事業を展開。「人々と社会の安全を守る」というミッションのもと、航空宇宙・艦艇システム・対無人機システムなど幅広い防衛ソリューションを日本市場に展開しています。

パネルディスカッション モデレーター:小川 椋徹氏

株式会社2WINSの代表取締役CEOである小川椋徹氏は、東京大学大学院情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻(修士卒)出身です。「GCI2023」では優秀修了生に選抜され、シンガポール視察に参加。東大生のAI・Web3コミュニティ「本郷web3バレー」のFounderとして国内最大規模の学生ハッカソンを主催するほか、産官学をつなぐ学生主体のAI・Web3プラットフォーム「学生web3連合」を運営する一般社団法人学生web3連合の代表理事を務めるなど、地域・国境を超えたコミュニティ形成にも注力しています。2022年2月に東大発AIスタートアップ「2WINS」を創業しました。

東大メシについて

「東大メシ」は、2021年10月より一般社団法人日本ベンチャーカンファレンスが運営する「Tokyo Venture Conference」と共同で開催されている、現役東大生と経営者の交流会です。これまでに累計約50回以上開催され、延べ約500名の学生が参加しています。起業やベンチャー、経営に関心のある東大生が、各業界で活躍するトップランナーとフランクに交流できる場を提供しています。

東大メシに関する詳細はこちらから確認できます。

今後の東大メシについて

次回の「東大メシ」は、2026年8月28日(金)19:00~21:00に、東京都文京区本郷の「Design Place α(アルファ)2F Incu-Space」で開催予定です。大学生が対象で、参加申し込みは以下のリンクから可能です。

申し込みはこちら

株式会社2WINSについて

株式会社2WINSは、東京大学が位置する本郷を拠点とする東大発AIスタートアップです。東京大学大学院やインド工科大学などの出身研究者を中心に、国内最先端の言語系AI・画像系AI・データサイエンスを強みとして、パートナー企業の経営課題に深く踏み込む本質的なソリューションを提供しています。単なるAIベンダーではなく、現場と経営の両観点を取り入れた課題設定から要件定義、「PoC」(新しいアイデアや技術が実現可能であるかを検証するための試作や実証)、研究開発・実装、運用まで一貫して伴走するAIパートナーとして、企業の成長を加速させています。2025年3月には東京大学「松尾研発スタートアップ®」に認定されました。

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