スペースデータ、三菱重工出身の制御工学専門家を技術管理室長に迎え、安全保障の先端技術開発を強化

スペースデータ、新設の技術管理室に制御工学の第一人者が就任

株式会社スペースデータは、2026年8月28日付で、安全保障事業本部内に新たに設置した「技術管理室」の室長に神谷誠氏が就任したことを発表しました。神谷氏は、三菱重工グループでの高度制御・自動化技術開発や、世界最大のミサイル製造企業である米レイセオン社との共同研究プロジェクトリーダーとしての経験を持つ、制御工学の専門家です。

神谷誠氏が技術管理室長に就任

現代の防衛技術が直面する課題とデジタルエンジニアリングの重要性

近年、飛翔体(ミサイルや航空機など空を飛ぶもの)の高速化、機動化、そして無人化が急速に進んでいます。これにより、防衛技術の競争軸は、個々の機体の性能だけでなく、「探知・追尾・予測・判断・制御」といった一連のシステムをいかに統合し、高い信頼性で運用できるかへと移行しています。

しかし、極超音速飛翔体(音速の5倍以上の速さで飛ぶ物体)や無人機といった最新技術の開発・試験は、その複雑さとコストが飛躍的に増大しています。これまでの実機テストに頼る開発手法では、時間と費用がかかりすぎるという課題がありました。

そこで注目されているのが、シミュレーション、デジタルツイン、AI、そして実試験データを融合した「デジタルエンジニアリング」です。デジタルツイン(現実の世界にあるものをコンピュータの中にそっくりそのまま再現し、シミュレーションや分析を行う技術)を活用することで、設計・検証・意思決定のプロセスを高速化し、開発効率を大幅に向上させることが可能になります。特に極超音速機や無人機などの分野では、このデジタルエンジニアリングの能力が、今後の競争力を左右する源泉となりつつあります。

スペースデータが目指す「空間知能」と技術管理室の役割

スペースデータは、「宇宙の民主化」を使命とし、宇宙を含むあらゆる空間を情報化し、AIに物理(現実世界の法則)を学ばせることで、機械が自律的に動けるようにする「空間知能」の技術に取り組んでいます。この技術基盤を、平時と有事の両方で活用する「デュアルユース」(軍事と民間の両方の用途に使える技術や製品)を事業の軸としています。

一方で、国家安全保障上、特に機微な(取り扱いに注意が必要な)技術については、一般の研究開発とは明確に区別して厳格に管理する必要があると考えています。この考えに基づき、先端防衛技術の研究開発と情報管理を専門に担う「技術管理室」が新設されました。

神谷誠氏は、この技術管理室の室長として、日本のものづくりの現場と米国の最先端防衛研究の双方で培った経験を活かし、先端技術の研究開発と、それを支える厳格なデジタルエンジニアリングおよび技術管理基盤の構築を統括します。

神谷誠氏のプロフィール写真

神谷氏は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)での人工衛星の姿勢制御研究を起点に、無人機やミサイルの最先端制御工学(機械やシステムを思い通りに動かすための技術)を追求してきました。米アリゾナ大学大学院では小型自律無人機研究室のリーダーを務め、米レイセオン社との共同研究では、最新制御技術「ハイブリッド制御理論」のミサイル制御への応用を研究するなど、そのキャリアは多岐にわたります。帰国後は三菱重工グループで高度制御・自動化技術の開発を推進し、筑波大学准教授としても活躍しました。

神谷氏は就任に際し、「安全保障領域の技術は、成果を大きく語ることよりも、正しく扱うことが何より重要です。技術管理室では、厳格な情報管理と最先端の研究開発を両立させ、国家から信頼される技術管理体制を築いてまいります」とコメントしています。

未来へ向けて:国のレジリエンスを支える技術開発

技術管理室は、安全保障分野における先端技術の研究開発と情報管理を専門的に行い、開発した技術の中から汎用性の高いものを抽出し、蓄積・再利用する役割も担います。

スペースデータは、この技術管理室を起点として、国家安全保障に関わる技術を責任ある形で研究・管理する体制を確立し、防災・防衛にまたがる事業展開を加速していきます。宇宙とデジタル技術の融合により、国のレジリエンス(危機からの回復力・強靭性)を支える企業として、政府・関係機関から信頼されるパートナーであり続けることを目指しています。

より詳しい情報は、以下のスペースデータ公式サイトで確認できます。