「膜分離法」とは?CO₂を効率的に捕まえる仕組み
今回の協業で中心となるのは「膜分離法」という技術です。これは、混合ガスの中から特定の成分だけを、まるでコーヒーフィルターがコーヒー豆を分離するように、特殊な「膜」を通して選び出す方法です。CO₂分離回収における膜分離法は、装置をコンパクトにでき、CO₂の分離・回収にかかるエネルギーを少なくできる可能性があるため、注目されています。
DNPとJCCLの技術が融合する「すごさ」
DNPとJCCLの協業の「すごい」ポイントは、それぞれの強みを組み合わせることで、より高性能で実用的なCO₂分離回収装置の開発を目指している点にあります。
JCCLは、CO₂だけを選択的に透過させる(通す)特殊な材料を開発しています。この材料をDNPが持つ「精密塗工技術」(非常に薄く、均一な膜を塗る高度な技術)によって分離膜として形成し、さらにモジュール化(複数の膜を組み合わせて一つのユニットにする)します。DNPの評価・解析技術で性能を最適化し、生産設備の設計・製造技術も活用することで、工場ごとに異なる燃焼系ガスの特性に合わせたCO₂分離回収装置の開発を進めます。

これにより、低コストかつ高効率なCO₂分離回収装置の社会実装、つまり研究段階だけでなく、実際に社会で使えるようにすることを目指しています。

未来への展望:DNPグループから社会全体へ
DNPは、自社の「DNPグループ環境ビジョン2050」に基づき、事業活動に伴う温室効果ガス(GHG)排出量の実質ゼロを目指しており、このCO₂分離回収技術をDNPグループの工場でも活用していく予定です。自社での実証を通じて得られた技術や運用の知見は、今後の開発や装置の外部提供へとつながる重要なステップとなります。
両社は、2028年度までにCO₂分離回収装置の実証機を開発し、その後、装置を大型化してDNPグループの製造拠点への導入を目指しています。将来的には、CO₂分離回収装置の提供にとどまらず、回収したCO₂を資源としてさまざまな製品や燃料に活用する「カーボンリサイクル」事業の創出も視野に入れ、循環型社会の実現を目指します。
この取り組みは、単なる技術開発に留まらず、CO₂を価値ある資源へと転換することで、持続可能な社会の実現に大きく貢献する可能性を秘めています。
関連情報
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大日本印刷とJCCL CO₂分離回収事業で協業を開始
https://www.dnp.co.jp/news/detail/20177276_1587.html



