台湾E&Rが±0.5μmの超精密レーザー技術を発表:AIと高速通信を加速する次世代半導体製造の鍵

データ転送の未来を変える:±0.5μmの超精密レーザー穴あけ

E&Rが開発した高精度ファイバーアレイユニット(FAU)レーザー加工ソリューションは、次世代の高速光通信やCPOの実現に不可欠です。FAUとは、光ファイバーを非常に精密に並べた部品のことで、CPOは、CPUなどの半導体チップと光部品を一つのパッケージに統合する技術を指します。これにより、チップ間のデータ伝送速度を飛躍的に向上させ、消費電力を大幅に削減できます。

この技術の最大の特徴は、±0.5マイクロメートル(μm)という驚異的な穴あけ精度です。1マイクロメートルは1ミリメートルの1000分の1。髪の毛の太さが約70〜100マイクロメートルであることを考えると、この精度がいかに微細であるかがわかります。E&Rは、5軸レーザー制御、高精度位置決め、微細加工技術を組み合わせることで、この精度を実現しました。これにより、3.2 Tbps、6.4 Tbps、さらには12.8 Tbps(テラビット毎秒。1テラビットは1兆ビットのデータ転送速度を示す単位)という超高速のデータ転送帯域幅に対応する2D FAU構成が可能になります。この技術は、AIの学習や推論、ビッグデータの処理など、膨大なデータを瞬時にやり取りする必要がある分野で、その真価を発揮することでしょう。

SEMICON Taiwan 2026

次世代半導体の鍵を握る:ガラス基板加工技術

AIやHPC(高性能計算)の進化は、半導体パッケージングの高密度化を強く要求しており、その中でガラス基板がますます注目されています。ガラスは、従来の有機基板に比べて信号の損失が少なく、熱による膨張も少ないため、高速で安定した動作が求められる次世代半導体にとって理想的な材料です。

E&Rは、ガラスコア基板やガラス貫通ビア(TGV)—ガラスを貫通する電気配線のこと—向けのレーザーソリューションを提供し、高精度かつ安定した加工を実現しています。さらに、半導体製造プロセスにおける仮固定用キャリアとして使われるガラスキャリアのデボンディング(仮固定された基板を剥がすプロセス)、表面洗浄、デスカム(加工後に残る不要な高分子残留物の除去)といった後処理プロセスも提供しています。大判ガラスパネルの高精度切断や、先進パッケージングで用いられるABF(Ajinomoto Build-up Film)溝加工にも対応しており、レーザー技術とプラズマ技術を組み合わせることで、材料加工から加工後の表面処理まで、包括的なソリューションを提供しています。

多様な材料に対応する:ハイブリッドプラズマ技術

E&Rは、精密なレーザー加工技術に加え、プラズマ技術も核としています。同社のPHB-600Aレーザー加工システムは、大判ガラスパネルや精密レーザー加工に特化しており、先進パッケージングが求める高い精度と安定した性能を実現します。

さらに、R-300Rハイブリッドプラズマシステムは、マイクロ波(MW)電源と高周波(RF)電源を個別に制御できる画期的なシステムです。これにより、異なる材料や用途に応じてプラズマプロセスを柔軟に調整でき、半導体製造、先進パッケージング、次世代材料向けに、低ダメージでの表面活性化、洗浄、デスカム、デスミア(スルーホールなどの穴の内壁に付着した樹脂の汚れを除去するプロセス)、シリコン深掘りエッチングといった幅広い処理を可能にします。

これらの技術は、半導体の性能向上だけでなく、製造プロセスの効率化と品質向上にも大きく貢献するものです。

未来を創造するE&Rの取り組み

E&Rは、「精密レーザー技術×プラズマ技術×プロセス統合」という独自のプラットフォームを掲げ、半導体製造、先進パッケージング、光通信、ガラス加工、精密微細加工といった多岐にわたる分野で、高精度な装置と統合ソリューションを提供しています。研究開発段階の検証から量産規模での展開まで、顧客のニーズに応える体制を整えているとのことです。

これらの技術が実用化され、広く普及することで、私たちの生活を支えるデジタルインフラはさらに進化し、AIによる新たなサービスや、より高速な通信環境が実現する未来がきっと訪れるでしょう。

SEMICON Taiwan 2026 出展情報

  • 開催日:2026年9月2日~4日

  • 会場:台北南港展示センター1号館4階

  • ブース:M1048

  • ウェブサイト:https://en.enr.com.tw/