日本を代表する製造業20社が連携!「製造AIXアベンジャーズ™」が始動、純国産AIで切削加工の完全自動化へ

日本製造業の未来を拓く「製造AIXアベンジャーズ™」が始動

日本が誇る製造技術の新たな地平を切り開くべく、アルム株式会社(本社:石川県金沢市)を中心に、日本の主要製造業約20社が連携する大型プロジェクト「製造AIXアベンジャーズ™」が発足しました。この取り組みは、純国産のフィジカルAIを搭載した完全自動切削加工機「TTMC」シリーズの共同開発を通じて、製造業の完全自動化とグローバル市場での競争力強化を目指すものです。

製造 AIX アベンジャーズ 株式会社 ARUM

熟練の技をAIが継承:製造業の常識を変える「TTMC Brain」

このプロジェクトの核となるのは、アルム株式会社が開発するAI制御システム「TTMC Brain」です。

「TTMC Brain」は、アルム独自の3D認識エンジン「ARUMCAD」を搭載しており、3次元CADデータ交換のための標準ファイル形式であるSTEPデータを入力するだけで、以下の工程を0.1秒単位で自動生成することを目指しています。

  • 加工工程設計:製品を作るための手順や方法を計画

  • NCプログラム生成:数値制御(Numerical Control)の略で、工作機械を自動で動かすための指令が記述されたプログラム

  • 素材選択

  • 工具選定

  • 工具段取り

  • ロボットモーション生成:ロボットの動き(動作)を指示するプログラム

  • ロボット制御プログラム生成

これまでは熟練技術者の経験と知識に頼っていた工程設計から加工準備までの作業をAIが実行することで、大幅な効率化と人手不足の解消に貢献することが期待されます。さらに、「製造AIXアベンジャーズ™」に参画する各社から提供される製造データや加工ノウハウを継続的に学習することで、「TTMC Brain」は産業横断的に進化し続ける製造AIプラットフォームへと成長していくでしょう。

完全自動化を目指す切削加工機「TTMC Type-M」と「TTMC Type-L」

プロジェクトでは、「TTMC Brain」を共通プラットフォームとして、ニデックマシンツール株式会社製の門型五軸加工機をベースにした「TTMC Type-M」と、5軸制御立型複合加工機をベースにした「TTMC Type-L」の2機種を共同開発します。

TTMC Type-Mの主な特徴

  • 5軸5面加工対応:5つの方向から加工できるため、複雑な形状の部品も効率的に製造可能

  • 加工サイズ:□500mmクラス

  • 対応部品:ミドルクラス(約1トンサイズ)部品

  • 完全自動加工:TTMC Brainによる制御

  • 鋳造部品への対応:溶かした金属を型に流し込んで作った部品も加工可能

  • 自由クランピングへの対応(開発予定):加工する部品を固定する方法で、形状に合わせた特別な固定具が不要になる技術

TTMC Type-Lの主な特徴

  • 5軸5面加工対応

  • 加工サイズ:Φ1200×H480mmクラス

  • 対応部品:ミドルクラス(約1トンサイズ)部品

  • 完全自動加工:TTMC Brainによる制御

  • 旋削加工、鋳造部品への対応:材料を回転させながら工具を当てて削る加工方法である旋削加工にも対応

  • 自由クランピングへの対応(開発予定)

これらの機械は、大型で複雑な形状の部品を高精度に、そして人手を極力介することなく加工することを目指しています。

幅広い産業分野への貢献とグローバル展開

「製造AIXアベンジャーズ™」は、自動車、半導体製造装置、建設機械、宇宙・航空、防衛、工作機械、エネルギーなど、幅広い産業分野の大型部品加工を対象としています。

プロジェクトには、アルム株式会社の他に、京セラ株式会社、株式会社神戸製鋼所、ニデックマシンツール株式会社、日本マイクロソフト株式会社といった日本を代表する企業が参画しています。さらに、Sojitz Infrastructure Vietnam Company LimitedとLong Duc 3 Industrial Park Joint Stock Companyがアルム株式会社の東南アジア進出を支援するなど、その影響は国内外に及びます。

日本マイクロソフト株式会社の執行役員/常務/最高技術責任者である野嵜 弘倫氏は、「日本のものづくりの強みとAIが融合した新たなグローバルスタンダードが生まれることを期待しています」とコメントしており、本プロジェクトが世界市場に与える影響の大きさがうかがえます。

アルム株式会社は、このプロジェクトを通じてTTMC Brainの高度化を進めるとともに、TTMCシリーズをグローバル市場へ展開し、日本発の製造AIプラットフォームとして世界のものづくりに貢献していく予定です。米国、韓国、欧州への順次展開も計画されており、日本の技術が世界の製造業を牽引する未来が期待されます。

この壮大な挑戦は、2026年10月1日から2030年9月30日までの期間で実施されます。日本の製造業が直面する労働力不足や技能伝承といった課題に対し、AIと共同開発という形で挑む「製造AIXアベンジャーズ™」の動向に注目です。