ロケット開発を支える精密な保管環境
スペースワンは、キヤノン電子株式会社、清水建設株式会社、株式会社IHIエアロスペース、株式会社日本政策投資銀行の4社が2018年に設立した企業です。2021年には和歌山県串本町にロケット打ち上げ拠点「スペースポート紀伊」を完工しており、今回、ロケットの精密な関連部品を保管するための倉庫として「フレックスハウスC&W」が採用されました。
ロケット部品は、温度や湿度といった環境条件に非常に敏感なものが多く、その品質を維持するためには厳格な管理が求められます。従来のテント倉庫(膜材で覆われた軽量な倉庫)では、庫内の温度を一定に保つことが難しいという課題がありました。しかし、「フレックスハウスC&W」は、この課題を解決する画期的な技術を搭載しています。
「フレックスハウスC&W」の革新的な特徴
「フレックスハウスC&W」は、「クール(冷やす)&ウォーム(温める)」の機能を持つテント倉庫です。この温度管理は、二重膜システム(2枚の膜材の間に空気層を設けて断熱性を高める仕組み)と高性能な空調機を組み合わせることで実現されています。
さらに、外側の屋根には「酸化チタン光触媒膜材」を、内側には断熱素材を採用しています。この「酸化チタン光触媒膜材」は、太陽の光(紫外線)が当たると表面の有機汚れを分解し、雨水で洗い流されることで、白い外観を長期にわたって保つ高い防汚性能を持っています。また、75%以上という高い日射反射率により、倉庫内の温度上昇を効果的に抑制し、保温・保冷効果を向上させています。
この独自の膜構造建築技術「フレックスハウス」は、一般的な建築物と比べて軽量であるため、短工期・低コストでの建設が可能です。また、建設時の環境負荷を軽減するなど、高い環境性能も兼ね備えています。
宇宙産業への積極的な貢献
太陽工業は、2024年3月にスペースワン株式会社へ出資するなど、宇宙産業への参入を積極的に進めています。今回の部品庫の受注もその一環であり、地上での射場(ロケット打ち上げ施設)周辺の施設建設支援や、将来的には宇宙空間での膜技術の活用などを通じて、宇宙関連ビジネスを拡大していく計画です。
スペースワン 部品庫 概要
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所在地: 和歌山県東牟婁郡串本町
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施主: スペースワン株式会社
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設計・施工: 太陽工業株式会社
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膜構造規模: W15m×L17m×H5m
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棟数: 2棟
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製品名: フレックスハウスC&W
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用途: 倉庫
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完工: 2026年3月
膜構造建築のパイオニア、太陽工業
太陽工業株式会社は、創業100年を超える大型膜面構造物(膜材を主な構造材として利用した建築物)のリーディングカンパニーです。1970年の日本万国博覧会で世界初の空気膜構造を実現し、東京ドームの膜屋根やロンドンのミレニアム・ドームなど、数々の世界的なプロジェクトに携わってきました。2025年の大阪・関西万博でも多くのパビリオンを手がけるなど、経済性、施工性、透光性、デザイン性に優れた膜構造技術を核に、建築、土木、物流、防災、環境分野へと事業を展開し、社会の安全・安心を支えています。
関連情報
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太陽工業株式会社: https://www.taiyokogyo.co.jp/
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2024年3月29日プレスリリース「小型ロケット打ち上げのスペースワンへ出資」: https://www.taiyokogyo.co.jp/news/55111/



