豪雨・停電から企業を守る!防災週間で考える、電力確保と脱炭素の最前線技術【スマートエネルギーWEEK】

迫りくる災害リスクと企業防災の重要性

近年、日本では台風や局地的な豪雨による停電や浸水被害が相次ぎ、企業の事業継続(BCP:Business Continuity Plan、災害や事故などの緊急事態が発生した場合に、事業を中断させない、または中断しても早期に復旧させるための計画)を脅かすリスクが増大しています。私たちの生活を支える社会インフラの多くは、安定した電力供給の上に成り立っているため、電力の確保は企業にとって喫緊の課題となっています。

このような背景から、防災週間(8月30日~9月5日)や2026年11月に予定されている「防災庁発足」を控え、企業防災への関心は一層高まっています。再生可能エネルギーや産業用蓄電池は、単なる環境対策としてだけでなく、有事の際に事業を止めないための「経営インフラ」として再評価されているのです。

2026年9月9日(水)から11日(金)までの3日間、幕張メッセでは「第26回 スマートエネルギー WEEK【秋】」「第9回 サステナブル経営WEEK【秋】」が開催されます。この展示会では、企業のエネルギーレジリエンス(回復力)を強化する最新の蓄電池、AI防災システムなど、次世代の社会インフラを支える技術が一堂に会します。

次世代の電力確保を支える革新的な蓄電池技術

災害時だけでなく、日々の電力コスト削減にも貢献する最新の蓄電池が多数登場します。

1. 太陽光パネル不要で電気代を削減するスマート蓄電池

日本初の買電システムを搭載した次世代スマート蓄電池は、太陽光パネルがなくても電気代を最大48%削減できるとされています。特許取得のEMS(Energy Management System、電力の使用状況を最適化するシステム)が電力市場価格を自動で見極め、電気料金が安い時間帯に充電し、高い時間帯に使う「市場連動型」で電気コストを最適化します。さらに、災害時に重要となる72時間の電力供給にも対応しており、もしもの時にも安心です。

VOLTAの蓄電池

2. 国内初の消防認定を取得した常用・非常時兼用蓄電池

平常時は太陽光発電の余剰電力を活用したり、ピークカット(電力消費量の多い時間帯に電力使用量を抑えること)で電気料金削減に貢献し、停電時には非常用電源として施設の稼働を支えるリチウムイオン蓄電池が、国内で初めて消防認定を取得しました。福祉施設、スーパー、医療・宿泊・公共施設など、幅広い場所で企業防災と経済性を両立する新しい非常用電源として期待されています。

屋上に設置された蓄電池設備

3. 住宅用ハイブリッド蓄電システムで日々の安心と節約を

新製品の住宅用単相3線式ハイブリッド蓄電システムは、太陽光発電と蓄電池を組み合わせることで、日々の電気代削減と災害時の安心を両立します。発電・蓄電・消費を効率的に制御するハイブリッド型で、自家消費率向上や電力の有効活用を実現。寒冷地や積雪地域でも利用できるヒーター(加熱機能)も搭載しており、全国各地での設置が可能です。

住宅用単相3線式ハイブリッド蓄電システム ReafCoreX

4. 高い耐水性能と業界初の自動消火機能を備えた長寿命蓄電池

ライフスタイルに合わせて蓄電容量を7kWhから最大21kWhまで拡張できる高効率・長寿命の蓄電池システムも登場します。このシステムは、AI機能で発電量や消費電力を予測し、充放電スケジュールを自動生成して最適な運転を実施します。さらに、水位40cm・72時間の試験をクリアした高い耐水性能や、業界初の自動消火機能を備えており、停電や災害時の安心に大きく貢献します。

XSOLのハイブリッド蓄電システム

AIが予測し、被害を最小化する防災・危機管理

災害発生時の迅速な対応と被害の最小化には、正確な情報と予測が不可欠です。AI技術がその強力なサポートとなります。

1. 発生から1分で危機を可視化・被害を予測するAIサービス

AIリアルタイム防災・危機管理サービス「Spectee Pro」は、SNS、気象、道路/河川カメラなどのデータから、世界中の危機情報をリアルタイムに収集・可視化・予測します。位置情報を特定する特許技術とAI、そして専門チームによる24時間365日のチェックにより、発生から1分以内に信頼性の高い情報を通知。国内外の民間企業だけでなく、8割以上の都道府県庁を含む官公庁で導入されており、迅速な初動対応と意思決定を支援します。

AIリアルタイム防災・危機管理サービス Spectee Proのダッシュボード

2. AIで局地的豪雨による浸水リスクを先読み

リアルタイム降雨データとAI解析を活用し、局地的豪雨による浸水リスクを事前に予測するプラットフォームも注目されています。センサー、クラウド監視、GIS(地理情報システム)可視化、警報通知を統合することで、迅速な防災対応と設備保護を実現。発電所や変電所、工場、自治体などの重要インフラの早期対応を支援し、被害の拡大を防ぎます。

ニューヨーク・ブルックリンの都市部を示す衛星画像地図

EVが「動く蓄電池」に!電力インフラを支援する新発想

電気自動車(EV)は、単なる移動手段に留まらず、災害時の電力供給源としてもその価値を高めています。

1. リユースEVを活用した災害時の電力供給と脱炭素の両立

リユースEVの導入により、新車EVに比べてコストを抑えながら運輸部門の脱炭素化を実現します。さらに、これらのEVは一般家庭の約5日分/台の電力を供給できるため、災害時には「動く蓄電池」としてレジリエンス強化(災害対策)に貢献します。車載バッテリーの蓄電池活用やリサイクルを通じて、地域社会への貢献も期待されています。

エネルギー循環型社会の概念図

2. 「太陽光×蓄電池×EMS」で再生可能エネルギーを最大限活用

独自の制御とAI技術で作り上げられたエネルギーマネジメントシステム(EMS)は、発電・充電・放電を賢くコントロールし、再生可能エネルギーの比率を大幅に高めます。最適なタイミングで蓄電池の充電・放電を制御することで電気料金を削減するだけでなく、太陽光発電と蓄電池の組み合わせにより、災害時のエネルギー源として企業の事業活動計画にも貢献します。

オムロンフィールドエンジニアリングのSmart-EMSクラウド

3. 蓄電池の状態を見える化し、災害時でも「止めない電力」を実現

計測・通信・収納を一体化した統合型の蓄電ソリューションは、電圧・電流・温度のリアルタイム監視に加え、SOC(State Of Charge、充電率)を搭載し、EMSとの連携による高度なエネルギー制御を実現します。設置環境への配慮も施されており、災害や系統停電時にも重要設備への給電を継続し、「止めない電力」を提供します。

複数のバッテリーまたは電源モジュールが収納されたラックシステム

未来を創る技術が結集する展示会

今回ご紹介した技術は、2026年9月9日(水)~11日(金)に幕張メッセで開催される「第26回 スマートエネルギー WEEK【秋】」「第9回 サステナブル経営WEEK【秋】」で実際に目にすることができます。550社が出展し、45,000名の来場が見込まれるこの展示会は、GX(グリーントランスフォーメーション)を加速させる新エネルギーの総合展として、未来の社会インフラを支える最先端技術に触れる貴重な機会となるでしょう。

入場は無料ですが、事前の来場登録が必要です。

詳細はこちらの公式ウェブサイトをご覧ください。

2026年秋開催のSMART ENERGY WEEKとサステナブル経営 WEEKの会場案内図