なぜ今、高性能バッテリーが必要なのか?
近年、自然災害の激甚化、インフラの老朽化、労働力不足といった社会課題が深刻化しています。これに加え、国際情勢の変化に伴う安全保障上の要請も高まる中、防災・災害対応、重要インフラ保全、安全保障など、幅広い分野で無人機(ドローン)の活用拡大が期待されています。
無人機を安定して運用し、その性能を最大限に引き出すためには、本体だけでなく、搭載される重要構成部品の安定的な調達・生産基盤が不可欠です。中でもバッテリーは、無人機の飛行時間、航続距離、搭載可能重量といった性能に直接影響を与える、まさに「心臓部」と言える重要な部品です。
また、航空・宇宙・防衛分野では、軍事目的と民間目的の両方に利用できる「デュアルユース(軍民両用)技術」の重要性が増しており、無人機の重要構成部品についても国内での安定的な供給体制を築くことが喫緊の課題となっています。
各社の強みが結集する提携
今回の提携では、各社の持つ独自の強みが組み合わされます。
株式会社Liberaware
Liberawareは、屋内・狭小空間、暗所、GPSが届かない環境といった特殊な場所に対応する国産ドローンの研究開発から生産、現場での導入・運用、保守・メンテナンス、データ取得・解析までを一貫して手掛けてきました。これにより、無人機の開発だけでなく、実際の現場で継続的に運用するための「社会実装力」を培っています。
株式会社HINOTATE
HINOTATEは、Liberawareが培った技術と社会実装力を基盤として、2026年8月に設立されたLiberawareの子会社です。防災・災害対応、重要インフラ保全、安全保障といった領域で活用できる国産デュアルユース無人機プラットフォームの構築を推進しています。
NEO Battery Materials Korea Co., Ltd.(NBMK)
NBMKは、カナダに本社を置くNEO Battery Materials Ltd.の韓国子会社です。韓国に本社と生産拠点を持ち、シリコン負極材料をはじめとする次世代バッテリー技術を基盤に、ドローンやロボティクス用途を含む高性能バッテリーの開発・生産体制を拡大しています。NBMKが開発するシリコンアノード技術を活用したドローン用バッテリーは、自社試験において、従来の商用ドローン用バッテリーと比較して、容量が50%超、エネルギー密度(バッテリーが単位体積または単位質量あたりに蓄えられるエネルギーの量)が約40%向上することを確認しており、その高い性能が注目されています。
この提携は、LiberawareとHINOTATEの無人機開発・社会実装に関する知見と、NBMKのバッテリー材料・電極・セル・パック・BMS(バッテリーマネジメントシステム:バッテリーの状態を監視・制御し、安全性や性能を最適化するシステム)に関する技術および生産基盤を組み合わせることで、国産無人機プラットフォームを支える重要構成部品の国内生産と安定供給体制の構築を目指すものです。
提携の具体的な検討内容と未来への展望
今回の意向書(LOI)は、正式な契約に先立ち、基本的な合意内容や今後の交渉の方針を示す文書です。NBMKが韓国で持つバッテリーの開発・生産基盤と、LiberawareおよびHINOTATEが日本で持つ無人機の開発・社会実装基盤を連携させ、日本国内におけるドローン用高性能バッテリーの生産・供給体制の構築および共同事業化の可能性を検討することを目的としています。
具体的な投資額、生産量、購入量、技術ライセンス、事業開始時期などは、今後の事業性評価と協議を経て、別途契約で定められる予定です。現在、関係三社は主に以下の事項について協議・検討を進めています。
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日本国内における生産施設、設備、用地および生産能力
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電極材料、セル構成部品、BMS、ケース等の調達・供給体制
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セル組立、バッテリーパック生産、検査および品質管理体制
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日本国内における部材の調達およびサプライチェーン構築
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技術支援、人材育成および品質認証取得に向けた協力
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共同事業会社その他の事業運営体制および投資方法
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Liberawareをはじめとする国内外の無人機メーカー等への供給体制
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将来的な主要材料・部品の日本国内での生産・供給の可能性
LiberawareとHINOTATEは、本提携を通じて、無人機の性能と安定運用を支えるバッテリーについて、国内における生産・供給体制の構築を検討するとともに、機体とバッテリーを一体で最適化する開発体制の構築を目指しています。
今後は、市場形成や需要動向、日本国内における生産体制、政府・地方公共団体による支援制度などを踏まえながら、まずはNBMKの韓国・金堤(Gimje)における生産基盤を活用した供給を進めるでしょう。そして、事業性が確認された場合には、電極その他の主要材料・部品を含め、日本国内で生産・供給する可能性についても関係三社で協議・検討していくことになります。
この提携は、Liberawareグループが成長戦略として推進する「国産無人機プラットフォーム」構築の重要な一歩です。無人機の重要構成部品であるバッテリーの国内生産・供給体制を確立することで、機体、主要構成部品、生産、運用といった各領域における国内基盤を順次強化し、国産無人機の安定的な開発・生産・供給体制の構築を目指します。
関連情報
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株式会社Liberaware
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株式会社HINOTATE
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NEO Battery Materials Korea Co., Ltd.


