KenshoとClassiqが台湾で量子ソフトウェア普及を加速:次世代コンピューティングで産業革新へ

量子コンピューティングとは?

「量子コンピューティング」とは、量子力学の原理を利用して、従来のコンピューターでは解決が難しい複雑な問題を高速で処理できる次世代の計算技術です。この技術の活用には、その能力を最大限に引き出すための専用ソフトウェアが不可欠です。

Classiqの量子開発プラットフォームの革新性

Classiqの「量子開発プラットフォーム」は、量子コンピューターを動かすための「量子ソフトウェア」を効率的に開発できるツールです。このプラットフォームの大きな特長は、高レベルな機能モデルから、実際に選択した量子ハードウェアで実行可能な「最適化された量子回路」を自動で生成する点にあります。「量子回路」とは、量子コンピューターが計算を行うための指示書のようなものです。

これにより、専門家でなくても量子アルゴリズム(量子コンピューターで特定の計算問題を解く手順)を迅速に開発できるようになります。さらに、このプラットフォームは「ハードウェア方式に依存しない」ため、特定の量子コンピューターに縛られることなく、さまざまな種類の量子ハードウェアやクラウド環境で柔軟に量子アプリケーションを開発・実行できるのが大きな強みです。

Kenshoが台湾市場で果たす役割

Kenshoは、台湾で培ってきた強固な顧客ネットワークを活かし、政府機関、研究機関、企業へのClassiqプラットフォームの導入を支援します。また、現地でのサポートやトレーニングも提供し、台湾における量子コンピューティングの利用環境を整備します。両社は将来的に、量子アプリケーションに関する共同研究開発(R&D)の可能性も検討しています。

Kensho会長のFu-Hsin Hsiao氏は、「台湾では量子ハードウェアの利用環境が整いつつありますが、実用的なアプリケーションを開発するにはソフトウェア基盤が不可欠です。Classiqは、この基盤を提供することで、お客様が量子技術の評価から実際のアプリケーション開発へと進むための一貫した支援を可能にします」と述べています。

具体的な応用分野と未来

今回の提携では、初期段階として化学・材料分野の企業、防衛関連組織、そしてシミュレーションや最適化といった複雑な課題に量子コンピューティングの活用を検討する企業・組織を主な対象とします。

「シミュレーション」は、現実の現象をコンピューター上で再現する技術で、新素材の開発や複雑な化学反応の解析に役立ちます。「最適化」は、ある目的を達成するための最適な選択肢を見つけ出す技術で、物流ルートの効率化や金融ポートフォリオの最適化などに応用されます。これらの分野で量子コンピューティングが活用されることで、これまで不可能だった発見や効率化が実現し、産業界に新たな価値をもたらすことが期待されます。

Classiq共同創業者兼CEOのNir Minerbi氏は、「台湾は、世界をリードする半導体産業と高度な研究開発力を兼ね備えています。Kenshoの深い知見と経験を通じて、お客様がさまざまな環境で活用できる量子ソフトウェアの開発を支援していきます」と、提携への期待を語っています。

SEMICON Taiwan 2026での紹介

両社は、2026年に開催されるSEMICON Taiwan 2026において、このパートナーシップについて紹介します。会場ではClassiqが量子開発プラットフォームのデモンストレーションを実施し、Kenshoは台湾の企業や関係機関との商談・交流機会を創出する予定です。

  • 会場:台北南港展覧館 1館 1階(Nangang Exhibition Center, Hall 1)

  • ブース番号:K2483

Kenshoについて

1986年設立のKenshoは、長年にわたり海外メーカーのFA(ファクトリーオートメーション)機器や先端半導体製造装置などの販売・導入支援を通じて、台湾の先端技術産業の発展に貢献してきました。近年では量子技術分野にも事業を拡大し、海外の量子テクノロジー企業と台湾の研究機関、大学、産業界との連携を積極的に推進しています。2026年3月には、台湾経済部と資訊工業策進会との共同で「Q2T Taiwan Quantum Computing Forum」を開催するなど、台湾における「量子エコシステム」(量子技術を社会に普及させるための仕組み全体)の発展を推進する重要な役割を担っています。

Classiqについて

Classiqは、企業や研究者による量子コンピューティングの活用を支援する、業界をリードする量子コンピューティングソフトウェア企業です。Classiqプラットフォームは、量子ハードウェアに関する高度な専門知識がなくても、アルゴリズムを迅速に開発し、コストとパフォーマンスを最適化しながら、量子アプリケーションの開発を進めることを可能にします。Fast Companyの「Next Big Thing in Tech 2025」を受賞するなど、量子ソフトウェア分野を牽引し、量子コンピューティングの実用化に向けたアプリケーション開発を推進しています。

詳細については、以下のリンクをご覧ください。