フィジカルAIとは何か?従来のロボットとの決定的な違い
近年、「フィジカルAI」という言葉を耳にする機会が増えていますが、従来のAIやロボットと何が違うのでしょうか。
これまでのAIは、主に画面の中だけで情報を処理し「考える」役割を担っていました。一方、従来の産業用ロボットは、あらかじめ決められた位置にある、決められた形のものに対して、教え込まれた通りの動きを「くり返す」ことが得意でした。そのため、部品の位置や形が少しでも変わると作業を停止してしまうという課題があり、多品種少量生産や不定形なものを扱う現場では導入が難しいとされていました。
これに対しフィジカルAIは、「身体」を持ち、カメラやセンサーで現実世界の状況を「見て」、その場で状況を「考え」、そして自ら動きを合わせて「動く」という点で大きく異なります。これにより、バラバラに積まれた部品や、初めて見る対象物に対しても、自律的に対応することが可能になります。さらに、特別な学習や専門知識を持つ人材が不要で現場に導入できる点も、大きな特徴です。
今回の「ファクトリーイノベーション Week[秋]」では、このようなフィジカルAI関連技術約57製品を含む、人手不足対策に資する約150製品(8月20日時点)が一堂に会します。
注目の出展製品:現場が変わる具体的なソリューション
1. バラ積みでも止まらない ― つかむ・積む
従来のロボットが苦手としていた、ランダムに積まれた(バラ積み)部品のピッキングや、パレットに積まれた荷物を降ろす(デパレタイジング)作業が、フィジカルAIによって大きく進化しています。
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バラ積みピッキングロボット「Thinker Model A」(株式会社 Thinker)

ロボットハンドと画像解析技術を組み合わせることで、透明な素材や、柔軟・脆弱な部品、たわみやすいトレー上の部品など、これまでのロボットでは対応が難しかったバラ積み部品を素早くピッキングし、自動化を促進します。 -
AIデパレタイジングロボット(京セラ 株式会社)

誰でも簡単に物流自動化を実現できるロボットです。専用の学習が不要な段ボール認識AIビジョンを搭載しており、導入しやすい価格帯も魅力です。省人化と作業効率化を強力に支援するこの手軽さを、ブースで体感できます。 -
協働運搬ロボット「サウザー」シリーズ(株式会社 Doog)

人間と同じ空間で安全に作業できる(協働)車輪型の搬送ロボットです。サウザーEシリーズは高いカスタマイズ性を持ち、自動追従機能、ライントレース機能、メモリトレース機能をボタン一つで切り替え可能です。自動追従では、ビーコンなどの目印なしで簡単に追従対象を設定できます。
2. 熟練の目を再現する ― 見る・検る
AIは、人間の熟練者が持つ「見る」能力や「検査する」能力を再現し、さらにそれを超える精度で現場をサポートします。
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AI表面検査システム(株式会社 ヒバラコーポレーション)

AIの知能とロボットの精度が融合した、表面自動検査システムが初披露されます。熟練者の目でも見逃しがちな微細なキズをAIが検知し、検査員による品質のバラつきを解消します。これにより、人はより付加価値の高い業務に集中できるようになります。 -
AI動作解析システム(株式会社 inSane)

スマートグラスと認識AIを組み合わせ、現場作業効率化のソリューションを開発するスタートアップです。視界情報をAIが吸い上げ、必要な事前情報を提示することで、優れた作業ガイドと意思決定支援を実現します。
3. 危険を先読みする ― 守る
AIは、工場や物流現場における危険を未然に防ぎ、作業員の安全を守るための「見守る」役割も担います。
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危険行動パトロールAIシステム(NEXTOPT)

現場に設置するだけで、危険行動を自動検知し、注意喚起、録画を行います。カメラが24時間365日現場を見守り、危険行動をした作業者には音とパトライトで即座にアラートを発し、安全行動を促します。 -
天井クレーン作業安全支援システム(株式会社 オプトル)

独自のAI画像認識とステレオカメラによる3次元計測技術を活用し、作業員や吊荷の位置をリアルタイムで把握します。吊荷と作業員の接近を自動で検知し、危険な状態になる前に警報を発することで、接触・挟まれ事故の未然防止を支援します。
4. 支える ― 人の身体・技能を拡張する
AIやロボットは、人の身体能力や技能を拡張し、より安全で効率的な作業を可能にします。
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アシストスーツ「BELT POWER X」(マザーサンユタカ技研 株式会社)

腕・腰の動きをサポートし、作業時の身体負担軽減を目的としたアシストスーツです。最大保持力30kgfのアシスト機構を備え、重量物の保持作業をサポートします。電力不要のため充電の必要がなく、現場ですぐに使用できます。 -
AIロボット向け模倣学習キット(ugo 株式会社)

VLAモデル(視覚言語行動モデル)構築に必要な構成を揃えた、国産のフィジカルAI研究開発パッケージです。「ugo Pro R&Dモデル」というデュアルアーム型ヒューマノイドロボットと、直感的なテレオペレーション(遠隔操作)を実現する「バイラテラルコントローラ」により、高品質な模倣学習データ(人間の動きをロボットが真似て学習するためのデータ)の収集を可能にします。 -
VR塗装シミュレータ(株式会社 ヒバラコーポレーション)

深刻化する技術伝承の課題を解決するため導入された、仮想現実(VR)空間で塗装作業を練習できるシミュレータです。実際に塗装工場で活用され、「訓練期間の半減(6ヶ月→3ヶ月)」「外国人材の即戦力化」といった劇的な導入効果が実証されています。
特別企画:フィジカルAI オープンセミナー
会期中には、予約不要で参加できるフィジカルAIオープンセミナーも開催されます。AIが「身体」を持ち、現実空間で動くロボットや、その「頭脳」となるAI/ソフトウェア、現実世界を認識するためのセンシング技術など、多岐にわたるテーマを聴講できます。

9月9日(水)の初日には、以下のセミナーが予定されています。
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11:00 ~11:30:ロボット開発の最前線から見るフィジカルAI社会実装の鍵とは/ugo株式会社
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14:00 ~14:30:Physical AI時代のヒューマノイド模倣学習最前線/株式会社HELTEC
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15:00 ~15:30:産業現場を変える四足ロボットの活用最前線/DEEPRobotics
10日(木)、11日(金)にも同様にセミナーが開催される予定です。
開催概要
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展示会名:ファクトリーイノベーション Week[秋]-製造業の課題解決展-
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会期:2026年9月9日(水)~11日(金)
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会場:幕張メッセ
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主催:RX Japan合同会社
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構成展:スマート工場 EXPO/ロボデックス/製造業カーボンニュートラル展/製造業 人手不足対策 EXPO/工場 安全・環境改善 EXPO
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公式HP:
フィジカルAIは、これまで自動化が困難だった現場に新たな可能性をもたらし、人手不足の解消と生産性向上に大きく貢献することが期待されます。この展示会は、その最前線を体験し、未来の製造・物流現場を想像する絶好の機会となるでしょう。



