宇宙の未来を拓く新素材!出光興産が米国にCIGS太陽電池開発ラボを開設
宇宙空間での活動が活発化する中、衛星などのエネルギー源となる太陽電池の進化は不可欠です。そんな中、出光興産株式会社は、米国に同社初となる宇宙用CIGS太陽電池の開発ラボを開設しました。このラボは、カリフォルニア大学サンタバーバラ校が運営する産学官連携型イノベーション拠点「OASIS」内に設置され、宇宙産業の最前線である米国市場との連携を強化し、次世代技術の事業化を加速させる拠点となります。

CIGS太陽電池とは?宇宙で「何がすごいのか」
CIGS(シーアイジーエス)とは、銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、セレン(Se)という4つの元素からなる化合物半導体です。このCIGSを使った太陽電池が、なぜ宇宙分野で注目されているのでしょうか。
従来の宇宙用太陽電池には、以下のような課題がありました。
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放射線による劣化: 宇宙空間は強い放射線に満ちており、これが太陽電池の性能を低下させ、寿命を縮める原因となります。
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高コスト・レアメタルの多用: 製造コストが高く、希少な金属(レアメタル)を多く使用するため、生産量に限りがありました。
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製造時間の長さ: 製造工程が複雑で時間がかかるため、大量生産が難しいという側面もありました。
これに対し、出光興産が開発を進める宇宙用CIGS太陽電池は、これらの課題を解決する可能性を秘めています。
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高い放射線耐性: 強い放射線にさらされても劣化しにくく、長寿命が期待できます。
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レアメタル使用量の抑制: 希少な金属の使用を抑えることで、資源の制約を受けにくくなります。
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高い生産能力と価格競争力: 同社独自の製造技術を活用することで、大量生産が可能になり、コストも抑えられると期待されています。
これにより、衛星の運用コスト削減や、より多くの衛星が宇宙で活躍するための基盤となることが期待されます。
なぜ米国に開発ラボを開設するのか
米国は、宇宙産業における主要なプレイヤーや、多くの衛星メーカーが拠点を構える、まさに宇宙ビジネスの中心地です。この重要な市場において、顧客との密接な連携は、次世代技術の事業化を成功させる上で欠かせません。OASISは、宇宙関連企業が集まる地域に位置しており、顧客や宇宙関連企業との技術的な対話を進めやすい理想的な立地です。
このラボでは、主に以下の機能が担われます。
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顧客および宇宙関連企業との技術協議
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市場ニーズの把握と日本の研究開発拠点へのフィードバック
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試作・評価および信頼性実証
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技術解析および顧客課題に応じた技術提案
現地で直接顧客の声を聞き、そのニーズに合わせて試作・評価を迅速に行うことで、開発サイクルを短縮し、より実用的な製品開発へと繋げます。
事業化に向けたロードマップと未来
出光興産は、宇宙用CIGS太陽電池の早期事業化を目指し、米国での開発ラボ開設に加えて、日本国内でも具体的な取り組みを進めています。具体的には、2027年をめどに量産技術を開発するためのベンチプラント(量産ラインを想定した小規模な設備)の立ち上げを計画しています。その後、市場の状況や技術開発の進展を見ながら、本格的な量産設備の導入も検討される予定です。

このCIGS太陽電池は、同社の中期経営計画(2026-2030年度)で掲げられている電化・電動化/ICT融合領域における「マテリアル・ソリューション」の一環として、宇宙産業への貢献を目指すものです。持続的な宇宙利用を支えるエネルギーデバイスとして、宇宙産業のさらなる発展に貢献することが期待されます。



