JDSCとダイフク、物流の「完全無人化」へ前進!AIがロボットを自律制御、未知の作業も97%成功

AIがロボットを「自律制御」するフィジカルAI技術

JDSCとダイフクは、物流現場の「完全無人化」を目指し、AIエージェントがロボットを自律的に制御する「フィジカルAI技術」の共同検証を行いました。フィジカルAIとは、現実世界でロボットなどが自律的に状況を判断し、行動するためのAI技術のことです。

この取り組みの最も注目すべき点は、AIエージェント(AIが自律的に目標を設定し、行動を計画・実行するシステム)が、人間からの自然言語(私たちが日常使う言葉)による指示や、周囲の状況を理解し、ロボットの動作を自ら計画・実行できる点にあります。これまでのシステムが、事前に登録された対象や動作に限定されていたのに対し、この新技術は「学習していない商品や仕分け先」といった未知の状況にも対応できることを目指しています。

DAIFUKUとJDSCのロゴ

この画期的な検証は、アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社(AWSジャパン)が実施する「フィジカルAI開発支援プログラム by AWSジャパン」の採択プロジェクトとして進められました。JDSCが持つAI・データサイエンスの知見と、ダイフクが長年培ってきたマテリアルハンドリング(物流や生産現場で、モノの移動、保管、管理を行うこと)に関する豊富な知見・製品・ソリューションが融合することで、実現に至っています。

人の言葉がロボットに伝わる仕組み

今回の取り組みでは、物流工程の中でも人手の介在が残りやすいピッキング(商品を取り出す作業)や仕分け作業が対象となりました。作業者が「棚Aの3段目に品を2個補充して!」や「棚Bの倒れた品を並べ直して!」といった自然言語で指示すると、AIエージェントがその指示内容と周囲の状況を総合的に判断します。

AIエージェントは、指示された作業をロボットが実行できるような具体的なステップ(例:補充対象を認識、品を把持、棚の隙間に入れる)に分解し、現場の状況や安全性を確認しながらロボットを自律的に制御します。これにより、事前登録されていない新しい作業にも柔軟に対応できるようになります。

AIエージェントとロボットによる作業指示と実行の流れ

この開発は、AWSのフィジカルAI専門チームによる技術支援のもと、Amazon SageMaker(AWSが提供する機械学習モデルの開発、学習、デプロイを支援するサービス)をはじめとするAWSのサービス群を活用し、約4ヶ月という短期間で開発基盤の構築から評価までが実現されました。

未知の作業でも成功率97%を達成

検証では、物流における仕分けタスクをシミュレーション環境で実施しました。その結果、学習していない商品と仕分け先の組み合わせで100回試行したところ、97回で適切な仕分けに成功したと報告されています。これは、現場の変化に柔軟に対応できるフィジカルAIシステムの実現に向けた大きな一歩と言えるでしょう。

検証結果:仕分けタスクの成功率

この高い成功率は、将来的に実際の物流現場でこの技術が導入された際に、システムの立ち上げ期間の短縮や、品目変更への対応力向上につながることが期待されます。

物流の未来を切り拓く展望

JDSCは今後、ダイフクとの共同開発をさらに進め、シミュレーション環境で得られた成果を実際の物流・生産現場へとつなげていく計画です。フィジカルAIによって、装置が自ら作業を組み立てて実行できる仕組みを実装し、物流オペレーション全体の高度化を目指します。これは、物流・製造をはじめとする日本の基幹産業の変革に大きく貢献する可能性を秘めています。

この技術が実用化されれば、私たちの生活を支える物流システムはさらにスマートで効率的になり、人手不足という社会課題の解決にもつながるでしょう。ロボットが人の言葉を理解し、自律的に動く未来が、着実に近づいています。

株式会社ダイフクについて

ダイフクは1937年設立以来、マテリアルハンドリング(モノの移動、保管、管理)の分野で物流や生産現場の合理化を追求してきました。現在、世界24の国と地域に生産・販売拠点を持ち、グローバルに事業を展開しています。

株式会社JDSCについて

JDSCは、AIエージェントとデータサイエンスを核に、日本の基幹産業の変革を進めるテクノロジーカンパニーです。製造・物流・インフラ・公共などの現場で、DX(デジタルトランスフォーメーション)やAX(AIトランスフォーメーション)による意思決定の高度化から、フィジカルAIによる現実世界の最適化・自律化までを実現し、社会課題の解決に貢献しています。