ブルーインパルスが国産SAFで空へ!廃食用油が未来を拓く「Fry to Fly Project」の挑戦

国産SAFがブルーインパルスの展示飛行を支える

2026年9月19日、愛知県名古屋市上空で予定されている航空自衛隊ブルーインパルス(※1)の展示飛行に、日揮ホールディングス株式会社(以下、日揮HD)グループが製造する国産SAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)が供給されることが発表されました。

青と白の4機のジェット機が編隊を組んで飛行している様子

この国産SAFは、日揮グループのSAF製造事業会社である合同会社SAFFAIRE SKY ENERGYが製造したもので、共同事業者であるコスモエネルギーグループを通じて供給されます。工場から海上出荷され、中部国際空港を経由してブルーインパルスへ届けられるこの燃料は、日本の航空分野における脱炭素化への具体的な進展を示すものです。

SAFとは?私たちの空を変える持続可能な燃料

SAF(持続可能な航空燃料)とは、従来のジェット燃料と比較して、原料の生産から燃焼までのライフサイクル全体で温室効果ガスの排出量を大幅に削減できる航空燃料です。廃食用油や植物、廃棄物など多様な原料から作られ、航空機の既存エンジンやインフラをそのまま利用できる点が大きな特長です。航空業界が直面する脱炭素化という大きな課題に対し、SAFは実用的な解決策として世界中で注目されています。

地域と連携し、廃食用油を空の燃料へ

今回の国産SAFには、日揮HDが中部国際空港株式会社をはじめとする地域のパートナーや自治体と連携して推進してきた「Fry to Fly Project」を通じて回収された廃食用油も原料の一部として活用されています。このプロジェクトは、市民参加型の廃食用油回収や啓発活動を展開し、地域における資源循環と航空分野の脱炭素化に向けた意識を高めることを目指しています。

エビフライが飛行機に見立てられ、ミニチュアの人々や空港車両が周囲で活動するアート作品

家庭から排出される廃食用油の多くはこれまで廃棄されるか、国外に輸出されていました。しかし、「Fry to Fly Project」では、この国内資源をSAFの原料として活用することで、地域とともに進める資源循環と脱炭素社会の実現を象徴する取り組みとなっています。愛知県内の複数の自治体とも協定を締結し、公共施設や学校での廃食用油回収、出前授業などを通じて、市民の理解促進と参加を促しています。

実用化された国産SAF大規模製造事業

日揮HDは2020年から、コスモ石油、レボインターナショナルと共同でSAFのサプライチェーン構築に向けた事業化検討を進めてきました。2021年にはNEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成事業に採択され、2022年11月1日には新会社SAFFAIRE SKY ENERGYを設立。年間約3万キロリットルのSAF供給を目指しています。

SAFFAIRE SKY ENERGYの製造設備は2024年12月に完工し、2025年4月からは主要な航空会社への供給が開始されました。供給されるSAFは、持続可能な製品の国際的な認証制度であるISCC CORSIA認証およびISCC EU認証を取得しており(※5)、原料から供給まで国内で完結する国産SAFの提供体制が国際的な基準で認められています。

2025年5月には、中部国際空港セントレアにおいて国産SAFの初供給が実現し、中部地域での「廃食用油の回収」から「SAF製造」「航空機での利用」までをつなぐSAFサプライチェーンが具体化しています。

未来への期待:脱炭素社会と循環型経済の実現に向けて

今回のブルーインパルス展示飛行での国産SAF使用は、日本におけるSAF導入促進の取り組みを国内外に示す貴重な機会となります。航空分野の脱炭素化、国内資源の有効活用、そして循環型社会の実現に向けた機運のさらなる醸成につながることが期待されます。

日揮HDは今後も、国産SAFの安定供給と利用促進に向けた取り組みを推進し、SAFサプライチェーンのさらなる拡大を通じて、持続可能な社会の実現に貢献していくとしています。

関連リンク

※1 ブルーインパルスは、航空自衛隊の航空祭や国民的行事でアクロバット飛行を披露する専門チーム。正式名称は「第11飛行隊」で、青と白の機体が特徴です。
※5 ISCC CORSIA認証、ISCC EU認証は、持続可能な製品の国際的な認証制度で、SAFが環境基準や社会基準を満たしていることを証明します。