ユニバーサルロボット、AI時代の製造現場を革新する第7世代協働ロボットプラットフォーム「Gen 7」を発表

フィジカルAI時代の新たなスタンダード「Gen 7」

「Gen 7」は、新型ロボットアーム「g-Series」に加え、コントローラ、ティーチペンダント(ロボットに動作を教えるための操作端末)、ツールフランジ(ロボットアームの先端に取り付ける部品)を一体で見直したシステム全体のアップグレードです。オペレータや生産技術担当者がこれまで培ってきた操作性を継承しつつ、より高度で複雑な用途にも対応できるよう、扱いやすさを追求しています。

Teradyne Robotics Group PresidentのJean-Pierre Hathout氏は、「AI時代のロボットには、高度であることと、複雑にならないことの両立が求められます。Gen 7は、システム構築の手間を減らし、対応できる用途を大きく広げ、AIを活用したアプリケーションを実際の生産現場で運用していくための土台となるでしょう」と述べています。

「Gen 7」の主な革新ポイント

1. 新型g-Seriesロボットアーム:AI Readyのツールフランジ

既存のe-SeriesおよびUR Seriesに続き、新たに3機種(UR10g-1750、UR17g-1300、UR18g-950)が追加されました。型名は可搬質量(kg)とリーチ(mm)を示しており、例えばUR10g-1750は可搬質量10kg、リーチ1750mmに対応します。

新しいg-Seriesのツールフランジは、データ・電源・安全信号を直接供給できるため、外部機器の配線が簡素化されます。これにより、カメラや高帯域センサーの接続が容易になり、AIモデルをロボットと同時にリアルタイムで動作させる構成が取りやすくなります。これは、高度な自動化やフィジカルAI(ロボットが物理世界でセンサーデータに基づき学習し、柔軟に作業を実行するAI)の実装において重要な要素です。

また、フォーストルクセンサー(力やねじれを検出するセンサー)、インピーダンス制御(ロボットが外界と接触する際の力や位置を調整する制御技術)、RTDE(Real-Time Data Exchange:ロボットと外部システム間でリアルタイムにデータをやり取りする仕組み)を標準で備え、ロボットが「触覚」の情報を活用できます。これにより、柔軟なハンドリングや、押し付け力の管理が必要な組立作業など、フィジカルAIの用途が広がります。

2. CB7 Coreコントローラ:高性能と省スペースを両立

従来の世代と比べて演算性能を40%向上させながら、設置面積を30%削減しました。PLC(工場の機械などを制御するコントローラ)やHMI(人間と機械が情報をやり取りするための装置)、MES(製造実行システム)など複数ネットワークとの同時通信に対応し、外部スイッチの追加を抑えられます。最新の自動化構成やフィジカルAIを前提としたシステム構成に対応する拡張性を備えています。

3. PolyScope X:AIアプリケーション構築を支援するロボットOS

新しいロボットOS「PolyScope X」は、プログラミング環境、ISO 10218-1に対応した安全機能、サイバーセキュリティ要件への適合をGen 7に提供します。オープンAPI(ソフトウェアの機能やデータを外部から利用するためのインターフェースが公開されていること)とROS 2(ロボット開発のためのオープンソースのフレームワーク)通信に対応し、IPC(産業用コンピュータ)や外部のAI処理を組み合わせたエッジAI(デバイスやセンサーに近い場所でAI処理を行うこと)アプリケーションの構築・運用を可能にします。サードパーティ製アプリケーションも利用しやすくなっています。

4. TP7 Coreティーチペンダント:作業者の負担を軽減

従来世代より20%以上軽量化し、形状も見直されました。複数の持ち方に対応し、機能を割り当てられるスマートボタン、フルHDディスプレイ、バーチャルジョイスティックを備え、長時間の作業でも扱いやすく、操作の習得にかかる時間を短縮します。

5. SP7 スマートパネル:アーム先端での直接操作

アーム先端側で直接ティーチングやプログラミングができるインターフェースです。安全規格に適合したフリードライブ機能(ロボットアームを直接手で動かして位置を教える機能)、LED表示、PolyScope Xのスマートスキルを呼び出せる設定可能な入力ボタン3個を備え、ティーチペンダントを使わずにロボット近傍でより多くの操作を行えます。これにより、多品種少量生産など作業者の関与が必要な場面での利便性が向上し、段取りとプログラミング時間の短縮につながります。

安全性とサイバーセキュリティ

Gen 7の安全機能は、ISO 13849-1に基づくPL d/カテゴリ3の認証に対応しています。g-Seriesの全アームはISO 10218-1およびUL 1740についてTÜV認証を取得しています。また、Teradyne Roboticsは、サイバーセキュリティに関するIEC 62443-4-1 ML3の認証を取得しており、ソフトウェア開発の各工程にセキュアな開発プロセスが組み込まれていることが確認されています。

フィジカルAIエコシステムの拡大と国内初公開

ユニバーサルロボットは、IMTS 2026の会場で20社を超えるエコシステムパートナーと共にGen 7を展示し、フィジカルAI、マシンビジョン、把持技術の各分野の製品がURのハードウェアとソフトウェア上でアプリケーションとして構成できることを示しました。パートナー企業からは、Gen 7とPolyScope Xにより、外部PCや追加配線なしで画像処理が可能になり、治具なしでのワーク位置検出や立ち上げ時間の短縮が期待されるとコメントされています。

Gen 7は、URの認定製品プログラム「UR+」に支えられています。UR+では、パートナーとURの双方が検証を行った自動化製品のみを提供しており、システム構築時のリスクを抑え、導入までの期間短縮につなげることを目的としています。

国内初公開:「UR協働ロボットフェア2026」

Gen 7は、2026年10月8日(木)・9日(金)に東京・秋葉原で開催される「UR協働ロボットフェア2026」で国内初公開されます。会場では、g-SeriesのUR10g-1750およびUR17g-1300の実機に加え、CB7 Coreコントローラ、TP7 Coreティーチペンダント、SP7スマートパネルが展示され、来場者は実際に操作を体験できます。

会場では、協働ロボットの最新周辺機器やソリューションを展示するパートナー企業30社のブースに加え、フィジカルAI開発におけるデータ収集・モデル開発・シミュレーションの実機デモ、およびユーザーによる事例紹介、協働ロボット導入ステップやリスクアセスメント、サイバーセキュリティ対応をテーマとしたさまざまなセミナーが予定されています。

国内におけるフィジカルAIの実装支援

ユニバーサルロボットは2026年7月に、国内パートナー企業を対象とする「URフィジカルAI開発支援プログラム」を発表しています。このプログラムでは、URロボット実機の提供、特別価格の適用、技術支援、PoC(Proof of Concept:新しいアイデアや技術が実現可能か検証すること)案件の紹介、共同プロモーションにより、フィジカルAIの開発から実用化までを一貫して支援しています。

Gen 7が備えるツールフランジでの信号供給、フォーストルクセンサー、RTDE、オープンAPIおよびROS 2対応は、このプログラムで想定する開発環境の基盤となるものです。ユニバーサルロボットは、製品プラットフォームとパートナー支援の両面から、日本国内におけるフィジカルAIの社会実装を支援していく考えです。

ユニバーサルロボットは、2008年に世界初の商用協働ロボットを発表して以来、直感的な操作性を備えたソフトウェア「PolyScope」の進化や製品ポートフォリオの拡充を通じて、協働ロボットの可能性を広げてきました。現在、世界50カ国以上で累計10万台を超える協働ロボットを販売しています。

詳細については、ユニバーサルロボットのウェブサイトをご覧ください。
https://www.universal-robots.com/ja/