地球まるごと、観測中。温室効果ガス・水循環観測技術衛星 GOSAT-GW
今回の展示の中心は、「地球まるごと、観測中。温室効果ガス・水循環観測技術衛星 GOSAT-GW」です。GOSAT-GWは、2025年に打ち上げられた日本の人工衛星「GOSATシリーズ」の3号機にあたります。この衛星の主な役割は、地球温暖化の主要な原因とされる温室効果ガス(二酸化炭素やメタンなど)や水循環の様子を宇宙から詳しく観測することです。

何がすごいのか?「点」から「面」への進化
GOSAT-GWの最も注目すべき進化点は、その観測能力の飛躍的な向上にあります。これまでのGOSATシリーズが「点」で観測していたのに対し、GOSAT-GWは「面」で観測できるようになりました。これにより、約3日で地球全体を観測することが可能となり、地球環境の変化をより継続的に、そして詳細に捉えることができます。
さらに、約1km四方という高い空間分解能(特定の範囲をどれだけ細かく識別できるかを示す能力)で、二酸化炭素(CO2)と同時に排出される二酸化窒素(NO2)も観測します。この技術によって、「どこで排出されたか」という排出源の手がかりを捉えることができるようになったのです。
私たちの未来にどう役立つのか?
GOSAT-GWが観測したデータは、地球温暖化対策の国際的な枠組みであるパリ協定の「1.5℃目標」達成に向けた取り組みに大きく貢献しています。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書や、各国の温室効果ガス排出量の算出にも活用されており、その観測データは世界に向けて無償で公開されています。
この衛星による観測は、私たちが地球温暖化や気候変動の現状を正確に理解し、具体的な対策を講じる上で不可欠な情報を提供しています。GOSAT-GWは、環境省、国立環境研究所、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の協力によって運用されており、その観測データはすでに実用化され、世界の環境問題解決のために役立てられています。
つくば駅での特別展示について
この貴重な展示は、2026年9月10日(木)から2026年12月中旬頃まで、つくば駅の改札口付近の特別展示ブースで実施されています。展示を見学することで、GOSAT-GWが地球のためにどのような役割を果たしているのかを、より具体的に知ることができるでしょう。
つくば駅では、過去にも様々な研究機関の特別展示が行われてきました。例えば、高エネルギー加速器研究機構の「超電導加速空洞」や、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の「顔出し宇宙服」など、多岐にわたる科学技術が紹介されてきました。今回の国立環境研究所の展示も、つくばが誇る最先端の科学技術に触れる貴重な機会となっています。



