協働ロボットの進化を支える「エンコーダ」の重要性
近年、工場や物流現場、さらには医療現場など、様々な場所で人間とロボットが共に働く「協働ロボット」の導入が進んでいます。これらのロボットが安全かつ正確に動作するためには、自身の位置や動きを正確に把握するセンサーが不可欠です。その中核を担うのが「エンコーダ」と呼ばれる技術です。
株式会社マーケットリサーチセンターは、この協働ロボット用エンコーダの世界市場に関する詳細な調査レポートを発表しました。同レポートによると、市場規模は2025年の6,767万米ドルから、2032年には2億3,600万米ドルへと大幅に拡大し、2026年から2032年にかけて年平均成長率(CAGR)19.6%で成長すると予測されています。

エンコーダとは?ロボットの「目と耳」の役割
エンコーダとは、物理的な動き(回転や直線移動)を数値データに変換する高精度なセンサーです。協働ロボットにおいては、関節の位置、速度、方向を正確に測定するために使われ、人間でいうところの「目と耳」のような役割を果たします。これにより、ロボットは非常に精密な動きを実現し、人間との安全な相互作用、衝突検知、そして同じ作業を繰り返し正確に行う(再現性)ことが可能になります。
エンコーダには大きく分けて二つの種類があります。
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インクリメンタルエンコーダ: 動作の開始点を基準に、相対的な位置の変化を測定するタイプです。電源が切れると初期位置がリセットされるため、再度基準点からの位置を計測し直す必要があります。
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アブソリュートエンコーダ: 各位置に固有のコードが割り当てられており、電源が切れても絶対的な位置情報を保持できるタイプです。これにより、ロボットの起動時に初期化の手間が省け、迅速に作業を開始できる利点があります。
協働ロボット市場の成長に伴い、需要はインクリメンタル型から、より高度なアブソリュート型、さらに安全認証取得済みや、故障に備えて複数の経路で情報を取得する冗長構成のエンコーダへと移行していると分析されています。
何がすごいのか?進化するエンコーダ技術
協働ロボット用エンコーダは、従来の産業用ロボット用エンコーダと比較して、いくつかの点で進化を遂げています。
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高分解能: より細かい動きを検出できるため、ロボットの精密な作業能力が向上します。
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低遅延: センサーからの情報が素早く処理されるため、ロボットの応答性が高まり、人間との協働がよりスムーズになります。
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機能安全(SIL2/PLd): ロボットが故障した場合でも、安全な状態を保つための国際的な安全基準に準拠しています。これにより、人間がロボットの近くで安心して作業できる環境が実現します。
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冗長フィードバック: 万が一の故障に備え、同じ情報を複数の経路で取得する仕組みが強化されています。これにより、システム全体の信頼性が向上します。
また、エンコーダの検知原理も多様化しています。高精度が求められる関節部では引き続き光学式エンコーダが主流ですが、外部環境の変化に強くコンパクトな磁気式エンコーダや誘導式エンコーダもシェアを伸ばしています。これらの技術革新が、協働ロボットの適用範囲を広げているのです。
将来どう役立つのか?市場の成長と未来
協働ロボット用エンコーダの市場拡大は、エレクトロニクス、自動車、新エネルギー、医療、研究産業など、多岐にわたる分野での協働ロボットの活用を加速させるでしょう。例えば、製造業では部品の組み立てや精密な加工、医療分野では患者のケアや検査補助、サービス業では軽作業の支援など、人間が行っていた様々な作業をロボットがより安全かつ効率的に担うことが期待されます。
この市場成長は、最終的に人々の作業負担を軽減し、より安全で効率的な作業環境の実現に貢献するものです。高精度で多機能なエンコーダの登場は、協働ロボットの能力をさらに拡張し、産業だけでなく日常生活の様々な場面での利活用を進めることでしょう。エンコーダの進化が、未来の働き方を変える重要な鍵となると期待されています。
調査レポートの詳細について
本記事で紹介した詳細な市場データや分析は、株式会社マーケットリサーチセンターが発行した「協働ロボット用エンコーダの世界市場(2026年~2032年)、英文タイトル:Global Collaborative Robot Encoders Market 2026-2032」調査資料にまとめられています。
レポートに関するお問い合わせやお申込みは、以下のリンクから可能です。


