環境ビジョン「Evolution2030」と「第7次中期環境事業計画」
YKK APは、2030年に向けたビジョン「Evolution2030」において「地球環境への貢献」を重要な方針の一つとして掲げています。このビジョンに基づき、脱炭素化と資源を無駄にしない循環型社会の実現を目指し、具体的な仕組みづくりを進めています。
2025年度は、その取り組みを推進する「第7次中期環境事業計画」(2025~2028年度)の初年度にあたり、「気候変動(カーボンニュートラル)」「資源循環(サーキュラーエコノミー)」「水保全」「生物多様性」という4つの主要な環境課題に注力しました。
2025年度の主な成果:環境負荷を大幅に削減
2025年度の活動では、目覚ましい成果が報告されています。特に気候変動対策においては、自社からのCO2排出量(スコープ1+2)を2013年度比で44%削減し、サプライチェーン全体でのCO2排出量(スコープ3)も30%削減しました。スコープ1+2とは、自社が直接排出する温室効果ガスと、他社から供給された電力・熱の使用に伴う間接排出の合計を指し、スコープ3は事業活動に関わるサプライチェーン全体からの間接排出を意味します。カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させ、実質的な排出量をゼロにすることです。
【1】気候変動(カーボンニュートラル)
CO2排出量削減の具体的な取り組みとして、国内外15拠点に合計17,800kWもの太陽光発電を導入し、自家消費型再生可能エネルギーの活用を進めました。これにより、年間11,000tのCO2排出量削減に貢献しています。また、高断熱商品である樹脂窓などの利用を促進することで、商品使用時のCO2削減貢献量は2020年度比で226%に達しました。
さらに、2025年10月には、リサイクルアルミを100%使用したアルミ建材「Re・AL(リ・アル)」の物件対応を開始しました。この商品は、第三者検証の環境製品宣言「SuMPO EPD」を取得しており、原材料調達から製造過程におけるCO2排出量を、新地金100%のアルミ形材と比較して85%も削減できるという画期的なものです。これは、建材そのものが環境負荷の低いものへと進化していることを示しています。

【2】資源循環(サーキュラーエコノミー)
資源を循環させて利用し、廃棄物を最小限に抑えるサーキュラーエコノミーの実現に向けても、大きな進展がありました。アルミ材については、製造過程で発生する端材の社内リサイクル率100%を達成し、リサイクルアルミの使用比率は59%に達しています。樹脂材も同様に、製造過程の端材・切粉を製品へ再生させることで、社内リサイクル率100%を実現しました。
特に注目すべきは、これまで廃棄物となっていた複層ガラスくずの再資源化への取り組みです。滑川製造所(富山県滑川市)に破砕機を導入し、製造過程で発生したガラスくずをカレット(再利用可能なガラス片)とスペーサー(複層ガラスの間隔を保つ部品)に選別し、新たな資源として活用する仕組みを構築しました。これらの努力の結果、廃棄物排出量は2016年度比で18%削減されました。

【3】水保全
持続的な水利用と水リスクの低減を目指し、生産工程での取水量の削減や循環利用を推進しました。工業用水の受け入れ量の見直しや洗浄水の多段利用(リユース)、配管更新による漏洩対策など、多岐にわたる取り組みにより、水使用量は2013年度比で36%削減、水原単位(売上高当たりの水使用量)では54%の削減を達成しました。

【4】生物多様性
国内外の各拠点で、植樹による緑化活動や地域の環境保全、生物多様性に関する教育支援など、地域社会のニーズに応じた社会貢献活動を234件実施しました。
これらの取り組みの結果は、以下の表にまとめられています。

未来への展望:建材でエネルギーを生み出す社会へ
2026年度に向けて、YKK APはサステナビリティ統括部を新設し、商品開発、製造、デジタル推進(DX)など各分野が連携し、サステナビリティ戦略を全社横断で推進していく方針です。
【1】気候変動
2026年度の気候変動目標として、スコープ1+2を2013年度比51%削減、スコープ3を31%削減を目指します。特に注目されるのは、全国で実証実験を進めている「建材一体型太陽光発電(BIPV)」の事業化です。これは、太陽光発電機能を建物の外壁や屋根材と一体化させたもので、「窓で発電」という未来の社会実装を目指す研究段階の取り組みであり、将来的に建物のエネルギー自給率向上に大きく貢献する可能性を秘めています。

製造現場では、自家消費型再生可能エネルギーの導入をさらに加速させ、2026年度には創エネ導入量が20,500kWに達し、自社電力使用量の約5%をまかなう見込みです。

【2】資源循環
アルミや樹脂素材の資源循環をさらに推進するだけでなく、グリーンアルミ(地球環境にやさしい再生可能エネルギーを使って作った新地金)の活用を進める方針です。また、使用済み樹脂窓のリサイクル実現に向けた取り組みも強化します。ガラスについても、2025年度に開始した複層ガラスくずの有価物化を継続し、その量の増大に努めることで、資源の有効活用を一層進めていくとしています。
YKK APのこれらの取り組みは、単なる環境規制への対応にとどまらず、持続可能な社会の実現に向けた先進的な挑戦であり、今後のさらなる進化が期待されます。
関連リンク
-
YKK AP環境報告書 2026:
https://www.ykkapglobal.com/ja/sustainability/environment/report/ -
YKK APサステナビリティデータブック 2026:
https://www.ykkapglobal.com/ja/sustainability/activities-data/data/ -
SuMPO EPD(Re・ALの環境製品宣言):
https://ecoleaf-label.jp/epd/2271 -
YKK APニュースルーム:
https://www.ykkapglobal.com/ja/newsroom/releases/



