Craif、経済産業省の支援事業に採択!「診るトイレ」で日常的な健康管理の未来を拓く

なぜ今、「診るトイレ」が必要なのか?

日本において、国民医療費は過去最高の48.0兆円に達し、平均寿命と健康寿命の差から生じる「不健康期間」の増大が社会課題となっています。この状況を改善するには、「治療」中心の医療から「予防」へと健康管理の考え方をシフトさせることが不可欠です。

しかし、現在の健康管理には課題が多く存在します。例えば、年に一度の健康診断だけでは、個人ごとの細かな体調変化を継続的に捉えることは困難です。特定健診の受診率も国の目標を下回っており(2023年度は59.9%、目標70%)、心拍や体温といった生理的な情報しか測定できないウェアラブルデバイスにも限界があります。体内の情報を直接反映する「バイオマーカー」(病気のリスクや体の状態を示す体内の物質)を、継続的かつ定量的に(数値で正確に)計測する効果的な方法は、まだ確立されていません。

「診るトイレ」とは何か?その画期的な仕組み

今回の研究開発では、「『診るトイレ』の実現:尿中バイオマーカーのポイントオブケア測定による日常的未病検知システムの確立」と題し、革新的なデバイスの開発を目指しています。

この「トイレ統合型デバイス」は、毎日の排尿行為の中で、尿に含まれる体内バイオマーカーの採取から測定までを自動で完結させ、その場で健康状態を数値として判定できるというものです。

「診るトイレ」の主な特徴

  • 痛みなく、自宅で毎日継続できる測定:採血のように痛みを感じることなく、日常の排尿行為の中で、自宅で自然に、そして毎日継続して尿を採取できます。これにより、体内バイオマーカーの継続的な測定が実現します。

  • 意識せずに測定が完了するデバイス:「電気化学的検出機構」(電気的な変化を利用して物質を検出する技術)と「マイクロ流路採取機構」(微細な流路を使ってごく少量の液体を正確に扱う技術)を組み合わせることで、利用者が意識することなく排尿行為の中で自動的に尿の採取と測定が行われます。

  • 多様な健康指標への拡張性:将来的には、がんリスクの指標となるDiAcSpmや、痛風などに関連する尿酸など、様々なバイオマーカーを測定対象に加えることで、複数の健康指標を一つのプラットフォームで可視化できる可能性があります。

未来への展望と社会貢献

この「診るトイレ」が実現すれば、私たちは日々の生活の中で、無意識のうちに健康状態を管理できるインフラを手に入れることになります。これは、国民一人ひとりの健康寿命を延ばし、同時に増大する医療費の抑制にも大きく貢献する可能性を秘めています。現在は研究開発段階ですが、この技術が実用化されれば、未来の健康管理のあり方が大きく変わることが期待されます。

Craif株式会社について

Craif株式会社は、2018年に創業したバイオAIスタートアップです。がんの早期発見に注力しており、尿などの体液からDNAやマイクロRNAといった多様なバイオマーカーを高精度に検出する独自の解析技術基盤「NANO IP®︎(NANO Intelligence Platform)」とAI技術を融合させ、がんの超早期発見・早期治療・早期復帰を目指す革新的な検査を開発しています。同社は、バイオテクノロジーとAIの力を社会に広めることで、「人々が天寿を全うする社会の実現」というビジョンを推進しています。

成長型中小企業等研究開発支援事業について

「成長型中小企業等研究開発支援事業」は、精密加工や表面処理、立体造形といったものづくり基盤技術やサービスの高度化を目的としています。中小企業が大学や公設試験研究機関などと連携して行う研究開発や試作品開発、さらにはその成果の販路開拓までを支援する事業です。

詳細は中小企業庁のウェブサイトで確認できます。
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/hojyokin/saitaku/2026/260626001.html