「CO₂を食べる自販機」の吸収材が土木工事に初適用!大気中のCO₂をコンクリートの資源へ

大気中のCO₂を吸い込む「CO₂を食べる自販機」

「CO₂を食べる自販機」は、飲み物を販売するだけでなく、その名の通り大気中の二酸化炭素(CO₂)を回収する特殊な機能を備えています。自販機内部に組み込まれたCO₂吸収材(大気中の二酸化炭素を取り込む特殊な材料)が、稼働電力由来のCO₂排出量の最大20%、スギ約20本分に相当する年間CO₂を吸収します。この自販機は2023年6月に展開が始まり、2026年6月末時点ですでに全国に8,500台以上が設置されており、実用化が進んでいます。

CO2を食べる自販機とCO2循環のイメージ

回収されたCO₂は、ただ捨てられるのではなく、自治体や企業と連携してコンクリートやアスファルト、タイルの原料として資源化されています。これは、CO₂を排出物ではなく「資源」として捉え、循環させることで、持続可能な社会を目指す取り組みです。

CO₂吸収材が「現場打設コンクリート」に初適用

今回、このCO₂吸収材が初めて適用されたのは、大林組が手掛ける福島県の中間貯蔵双葉地区受入分別処理・貯蔵工事における仮設建物の基礎です。ここでは、工事現場で型枠を組み、生コンクリートを流し込んで固める「現場打設コンクリート」が使用されました。

大林組は、CO₂を吸収・固定化した材料を原料の一部として活用する環境配慮型コンクリート「クリーンクリートN」を開発し、その適用を進めています。これまで「クリーンクリートN」に使われるCO₂吸収材は、主に首都圏周辺で供給されていましたが、アサヒ飲料が工事現場近くへの供給を実現したことで、今回の福島県での適用が可能となりました。

コンクリートの打設作業の様子

未来へ広がるCO₂吸収材の可能性

「CO₂を食べる自販機」のCO₂吸収材が「現場打設コンクリート」という幅広い用途で使われるコンクリートに適用されたことは、非常に大きな意味を持ちます。この成功をきっかけに、今後は建設・土木工事だけでなく、さらに多様な分野でのCO₂吸収材の活用が期待されます。これにより、資源循環の取り組みが加速し、脱炭素社会の実現に大きく貢献することでしょう。

アサヒグループは、2040年までにGHG(温室効果ガス)排出量をネットゼロにする「アサヒカーボンゼロ」という中長期目標を掲げ、気候変動への対応を重要な経営課題としています。また、回収した吸収材をサンゴ保全やブルーカーボン生態系(海藻やマングローブなど、海洋の生物によって二酸化炭素が吸収・蓄積される生態系)の再生にも活用し、生物多様性にも配慮した持続可能な社会の実現を目指しています。

CO₂を大気中から回収し、それを新たな資源として活用する技術は、地球温暖化対策の切り札となる可能性を秘めています。今回の取り組みは、私たちの身近な場所にある自販機が、未来の社会を築くための重要な役割を担うことを示しています。

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